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Game*Sparkレビュー:『FINAL FANTASY VII REBIRTH』―シリーズ初心者でも楽しめるのか? 無類の『ドラクエ』好きの視点からチェック

『FF』をほとんど知らない『DQ』派の筆者が『ファイナルファンタジーVII リバース』をレビューします!

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Game*Sparkレビュー:『FINAL FANTASY VII REBIRTH』―シリーズ初心者でも楽しめるのか? 無類の『ドラクエ』好きの視点からチェック
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Game*Sparkでは、全7本の『FINAL FANTASY VII REBIRTH』レビューを掲載します。
いずれの記事もネタバレを含むため、閲覧の際にはご留意ください。


読者の皆さんは2月29日発売の『FINAL FANTASY VII REBIRTH』(以下、『FF7 リバース』)を楽しんでますか? JRPG界の双璧と名高い『ドラゴンクエスト』と『ファイナルファンタジー』、そんな『FF』の最新作がPS5に登場ということで、筆者の周辺でもかなりの盛り上がりを見せています。

しかし、こうしてレビューの仕事を引き受けておいてこんなことを言うのもアレなのですが、実のところ筆者はちょっと冷めた風でこの盛り上がりを流していたりします。なにせ筆者は根っからの『ドラゴンクエスト』派なのです。

何故『DQ』派となったかは後々お話するとして、筆者は外ならぬ『FF』をよく知らないヒトだったりする訳です。え?FFみたいな有名タイトルを知らずによくゲームライターを名乗れるなって?ええ、そのご指摘はごもっとも。端的に言えば米を食べたことのない日本人的な感じですから、甘んじて非難も受け入れます。

ということで、今回はそんな『FF』をよく知らない無類の『DQ』好きでも『FF7 リバース』を楽しめるか否かに焦点を当てつつ、Game*Sparkレビューをお送りしたいと思います。

筆者が『DQ』派になった理由―個人的RPG哲学を語らせてほしい

筆者は無類の『DQ』好きです。言うなれば「DQ原理主義者」。ちなみに個人的に順位をつけるとすれば『DQ6』『DQ4』『DQ7』の順に好みだったり……まぁ余談ではありますが。

では何故『FF』ではなく『DQ』派になったのか、その理由は大きく分けて2点あります。ひとつめは「ATBが合わなかった」こと。ふたつめは「各IPの方向性などの好み」です。

クラシックな『FF』シリーズの戦闘と言えば、あの「ゲージが一杯になれば攻撃などの行動ができる」というATBが有名です。このATBが初登場するのは1991年発売の『ファイナルファンタジー 4』からなのですが、これがどうもしっくりこなかったのです。

筆者が『ファイナルファンタジー 4』に触れたのは1才の頃…ではなくもう少し大きくなってからなのですが、初めてATBに触れた感想は「画期的ながらも不公平でストレスフル」というものでした。

特に『FF4』のATBは新たに実装された新機軸ということもあり、正直かなり粗削りなものという印象を受けました。例えば「バトルスピード設定」を速くすればするほどプログラムに従い的確に行動する敵キャラに対し、コマンド入力などのロスが存在するなど明らかにプレイヤー側が不利。逆に「バトルスピード設定」を遅くすれば難易度は低下しますが、その分戦闘のテンポが悪くなるという快適さと難易度の両立が困難な点などが特に気になったわけです。

「各IPの方向性などの好み」というのは、『DQ』のアニメチックなキャラデザインや王道のストーリーが好きというあくまで主観的な話となります。

また『DQ』では「はい」「いいえ」の2択による会話からもわかるように、主人公はとにかく没個性的.。一方で『FF』は、主人公含めそれぞれの登場人物の性格や個性がしっかりと描かれていて、これに従って行動する点など、作品全体を通じてまるでドラマを観ているような気分になるのです。そして率直に言って筆者は“ドラマを観ること”があまり好きではないのです。しばらくして『The Elder Scrolls IV: Oblivion』や『Fallout 3』といった自由度の高い海外ゲームに没頭し、それ以降はこの種の作品が自分の価値基準となっています。

あくまで個人的な好みではありますが「RPGは作品への没入感が命!」というのが自分の哲学。加えて、CGよりも想像力を搔き立てるドット絵が良いだの、カッコ良すぎる登場人物は没入感を削ぐだのといった諸々の好みが、筆者が『DQ』派となった理由なのです。

ゴリゴリの『DQ』派、突如『FF』に興味を持つ

長々と記したようにゴリゴリの『DQ』派の筆者が今回『FF7 リバース』に興味を持ったのか、それはゲームライターとして有名作品に対する「食わず嫌い」を克服しようという気になったことに加え、アクション重視になった『FF』の面白さを見極めたいとふと思ったからです。

筆者はARPGが大好きです。『TESIV: Oblivion』や『Fallout 3』は言わずもがな、『シャイニング・フォース イクサ』とか『ルーンファクトリー』とか『聖剣伝説』といったタイトルが大好きなのです。そして、主にATBが苦手で離れていた『FF』が近年アクション要素を重視するようになったと聞いたことから一念発起、やはり『FF』に触れてみようという気になったのです。


そしてインタビューで見かけた「『FF7 リメイク』を飛ばして今回から触れる人も遊べるような作りにしています」という一文も、今回のレビューを引き受けた理由のひとつだったりします。『FF』がアクション要素を重視するようになったのは決して本作からではありません。しかし筆者個人としては、新機軸であるよりも「多少古くても、より洗練されたゲームシステムを楽しみたい」と考えていることから、この最新作『FF7 リバース』に興味を持ったというわけです。そして新作が面白ければより古い作品へと遡って遊ぶ、これが筆者の遊び方だったりします。

ただし、ひとつ申し上げておくと筆者の好きなRPGのひとつとして『クロノトリガー』が挙げられたりもします。ガッツリATBですが、これは何周もするぐらい楽しんでいました。結局はこういったゲームシステムの好みもあくまで判断基準のひとつで、全体のバランスが重要だと考えています。

記憶の中の『FF』とは全く異なる様相に思わず絶句、広大な世界に膨大なミニゲームの数々、派手で爽快な戦闘にもハマる

そろそろ肝心のレビューへと入ろうと思います。まず本作を遊んでみて驚かされるのが圧倒的なグラフィック品質の高さです。

「グラスランドエリア」の青々とした草原と彼方に見える山肌、湿地帯のどんよりとした重苦しい空気、神羅関連施設の工業的な冷たさを感じる雰囲気。どこを見渡してもPS5の性能を活かした素晴らしい描写に、筆者は興奮しっぱなしでした。筆者は専らPCゲームを中心に遊んでいますが、本作ほどのグラフィック品質を誇る作品はそう多くありません。ここまでのグラフィックと安定した動作を両立しているのは、流石天下のスクウェア・エニックスだと関心しきりです。

ただし、光源処理や影関連、暗所での肌の質感などには粗いところもちらほら見受けられました。前作『FF7リメイク』はPC版も発売されていることから、できれば『FF7 リバース』もPCで遊べればなぁと思います。

無数のダメージ表示に派手なエフェクト、う~ん爽快ですね。

戦闘シーンではしっかりしたヒットストップやバースト、敵によっては部位破壊などしっかりしたアクション要素がなかなか面白く、筆者自身ドハマりしています。シームレスな戦闘に派手なエフェクトのオンパレードは実に爽快。RPGに付き物のレベル上げも、ついつい連戦して気が付けば成長している……というぐらいに面白いと感じます。ただ正直なところ少し派手すぎて目が痛くなりそうなほどなので、抑えめにできる設定などがあればなお良かったのですが……。

また、前作のあらすじを振り返ることのできる「ダイジェスト動画」は、本作から遊ぶという筆者のようなプレイヤーにはとてもありがたいと思います。原作も知らずさらに3部作の途中から始めるという半ば無謀な遊び方であっても、ある程度人間関係や舞台設定などを理解することができるとのは、非常にユーザーフレンドリーなのではないでしょうか。

そして何より感動的なのがその圧倒的なボリュームです。ワールドマップの広さもさることながら、バトルシュミレーションや討伐拠点といったアクティビティの多さには、嬉しさ半分と「果たして全部終わらせることができるのか?」という不安が入り混じった感情が沸々と湧いてきます。当然ゲーマーにはやり込みの目安となるトロフィーもしっかりありますから、じっくりとトロコンに向けて頑張るのもいいかもしれません。

どんな険しい山も無理やり登る「ノルド式登山」は本作では不可。…あの山にこそ登りたかった。

ただし、少し気になるのがマップの作り込みです。ついつい足を伸ばしたくなるようなランドマークなどが数多く存在しますが、行けそうで行けない、何かありそうで何もない……そんな場所がちらほら散見されるのが少し残念だったりします。

また、移動に関して言うと地上の凸凹で足が止まったり、崖での飛び降り可否が分かりづらいなど、微妙にパルクールが使いづらいのも気になる点でした。

そして作品中のイベントに関して、負傷により移動速度が低下したりボタン操作を要求されたりといった、窮屈さを感じるイベントが少し多い印象です。

また、細かい点ではありますが、せっかく村や町にNPCが大勢いるので彼らとのインタラクティブ要素をもう少し工夫してほしいとも感じました。例えば序盤では主人公の持つ大剣を指して声をかけてくる村の子どもたちが現れるのですが、こういう場面でこそ「おお、気になるか?せっかくなら少し触ってみるか?」とか「おいおい、勝手に触るな。子どもが触っていいものじゃない」とか、そういったリアクションを返せる要素があればなお没入感が出てくるのでは……と思ってなりません。

総評

多少の不満点もありましたが、全体的には非常に快適でボリュームも満点。ゲームのコア要素である戦闘などもほぼ言うことなしと、素晴らしい仕上がりの作品です。『FF』好きにも『FF』初心者にもそのどちらにもお勧めできる作品ではないかと思います。

少し前まで『DQ』派原理主義者だった筆者も、実のところすっかり『FF』の虜。次の給料日には『ファイナルファンタジーXVI』でも買おうかなと画策中だったりします。

総合評価:7/10

良い点
・PS5の性能を活かした綺麗なグラフィック
・意識させないほど快適なローディング
・各種エフェクトやヒットストップなど戦闘の面白さ、爽快さ
・前作のあらすじをまとめた「ダイジェスト動画」は新規プレイヤーにありがたい
・広大なマップに膨大なボリューム、特にゲーム内でのミニゲームの多さ

悪い点
・派手なエフェクトが多くて目が疲れる……調節可能なオプション実装を希望
・隠密行動とか移動速度低下とか制約のあるイベントが多い。個人的にはもう少しサクサクと進めたい




《K.K.》

SFとオープンワールドとミリタリー系が主食です K.K.

1990年3月の京都府生まれ。ゲーム好きのパソコン好き。ついでに言えば動物も好き。心理学部卒ゆえに人の心がわかると豪語するも、他人の心にはわりと鈍感で、乙女心となるとからっきし。むしろ動物の気持ちのほうがよくわかるが、本人は「尻尾と耳がないからだ」と弁解中。 2022年から「ゲームスパーク」で執筆中。パソコン代の足しにと始めるも、賃金はほとんど課金ガチャに消えている模様。

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