『リズデビ! : Rhythm of Deck Builder』プレイレポート。まさかのヒップホップクルーが作るリズム&ローグライトカードゲーム【デジゲー博2023】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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『リズデビ! : Rhythm of Deck Builder』プレイレポート。まさかのヒップホップクルーが作るリズム&ローグライトカードゲーム【デジゲー博2023】

同人・インディーゲームの祭典デジゲー博2023にて、ローグライトカードゲームに一石を投じるリズムゲーム要素を持った一作が登場。

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『リズデビ! : Rhythm of Deck Builder』プレイレポート。まさかのヒップホップクルーが作るリズム&ローグライトカードゲーム【デジゲー博2023】
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『Slay the Spire』の大ヒット以降、爆発的にフォロワーが現れ、そのうちにひとつのジャンルとして定義されたローグライトカードゲーム。そのあまりの拡大ぶりからさまざまな変化球のタイトルも登場してきました。果ては『Inscryption』のようにADVやメタフィクションの要素すら複合したタイトルまで登場し、ジャンルの極北さえ見えたようにも思えたわけですが、Steamなどで同ジャンルを検索しているとまだまだ人気が衰える気配はないようです。

そんな血のように真っ赤なレッドオーシャンであるローグライトカードゲームの世界。そこへまたひとつ別のアプローチを行うタイトルが、11月12日に開催された同人・インディーゲームイベント「デジゲー博2023」にて登場しました。それが『リズデビ! : Rhythm of Deck Builder』(以下、リズデビ!)なのです。本作はキャラのかわいさやリズムゲーム性を交えた魅力の他、思わぬ背景のクリエイターが開発することでオリジナリティを見せている一作でもあります。


かわいいキャラによる音ゲー混ざりのカードバトル

『リズデビ!』はタイトル通り、リズム要素を組み込むことでローグライトカードゲームに新たなテイストを与えている作品。加えて主人公や敵のデザインをキャッチーなかわいいキャラに仕上げることで、ポップで誰でも遊びやすい雰囲気を生み出しています。

ゲームの基本は「音楽に合わせて、プレイヤーパートと敵パートのアクションが交互に変わる」というリズムゲームならではのターン性という形です。プレイヤーは自分のパートに入ると、リズムのノートに合わせて3×3マス上のフィールド上でキャラを移動させ、装備中のカードを拾っていきます。各カードには攻撃力や回復力などが表記されています。

音楽の4/4拍子に合わせてなのか、プレイヤーは4マスまで移動可能。その制限の中でリズムに合わせてカードを拾い、カードの攻撃力の合計点が敵へのダメージとなり、回復力の合計でプレイヤーのHPを修復します。さらにカードを集めていくと、攻撃力を3倍にしてくれるものもあるなど、戦略が広がるものとなっております。

カードは敵の撃破や(『Slay the Spire』的な)全体マップでのアイテムマスにて入手が可能。強力なカードを手に入れながら、旅の先で待ち構えているボスを撃破するのが目的です。

カードバトルの背後で鳴り響く、ヒップホップトラックの重さ

現場ではなんとダンレボコントローラーで操作する展示も。

そんなリズムゲーム性を交えた作品なのですが、やはり印象に深く残るのは「音楽」です。かわいいキャラのリズムゲームといえば近年では『Muse Dash』などが挙げられますし、キャッチーでポップな音楽が記憶に新しいところだと思うのですが、『リズデビ!』はポップでありつつもバスドラムの低音から存在感の強さを感じるのです(詳しくは本記事冒頭、クリエイターのX公式アカウントのトレイラーから視聴してみてください)。

なぜだ……このバスドラの圧力はなんだ……? その理由は本作を開発しているチーム、DON YASA CREWにありました。彼らはヒップホップクルーとして活動していましたが、近年になって突如としてビデオゲーム開発へ進出。現在は『SONOKUNI』を開発中であり、Game*Sparkでもレポートしています。そんな彼らがなんと別作品として『リズデビ!』を並行して作っていて、『SONOKUNI』とはまったく違うかわいい作風にも挑戦しているわけです。

DON YASA CREWの面々は彼らのYouTube公式チャンネルのPVから確認できます。クルーのフロントマンであるドン佐川氏に話をうかがうと、サウンド面についてはヒップホップクルーということでかわいいだけじゃない、フロアに響くトラックを目指しているとのこと。それを聞くと『リズデビ!』のバトルも、即興のラップバトルで闘うようなゲームのように思えてきました。

当日のドン佐川氏はゲームクリエイターというより、ヒップホップのレジェンドであるアフリカ・バンバータ風のコーデで佇んでいました。それにしても、「かわいいアイドルを運営する舞台の裏にはおっかない人々の影がある」とは散々言われていますが、「かわいいキャラのゲームの裏にヒップホップ感バリバリな人」がいるゲームは相当珍しい気もします。

『リズデビ!』はまだまだ開発の初期段階であり、リズムに合わせるアクションやゲームバランス、演出などなどはこれから磨き上げられていく模様です。しかし「彼らがなにを作っていきたいのか?」という方向は今回のデモではっきりわかるものでしたし、今後の開発でそれがブレることはないでしょう。『リズデビ!』はSteamにてストアページを公開中。リリースは2025年を予定しています。


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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《葛西 祝》

ジャンル複合ライティング 葛西 祝

ビデオゲームを中核に、映画やアニメーション、現代美術や格闘技などなどを横断したテキストをさまざまなメディアで企画・執筆。Game*SparkやInsideでは、シリアスなインタビューからIQを捨てたようなバカ企画まで横断した記事を制作している。

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