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伊藤潤二&ラブクラフトなホラーRPG『恐怖の世界』を試遊!自分の選択を“後悔する楽しみ”がつきまとう【TGS2022】

あからさまに理性が減るようなモノは、食べてはいけない……。

連載・特集 プレイレポート
伊藤潤二&ラブクラフトなホラーRPG『恐怖の世界』を試遊!自分の選択を“後悔する楽しみ”がつきまとう【TGS2022】
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東京ゲームショウ2022にて、「Ysbryd Games」ブースで出展されているタイトル『恐怖の世界(World of Horror)』。本作はホラー漫画家の大御所である伊藤潤二先生と、クトゥルフ神話で有名なH・P・ラブクラフトに強く影響を受けたポーランド発のコズミックホラーRPGとなっています。

様々な事情でリリースが遅れていることや日本語サポート外での早期アクセス版など、日本を舞台とした作品であるのにあまり日本ユーザーがプレイする機会に恵まれない本作ですが、今回のTGSで試遊が可能となりました。そこで本記事ではそんな『恐怖の世界』デモ版プレイレポをお届けしていきます。

◆ひとつの迂闊な行動が、やり直したい欲求を刺激する。

試遊はまずカラーパレット設定からスタート。様々な色調から自分好みにホラー世界を構築していくこととなります。なんてことはないシステムに見えますが、すでにこれが面白い。実際にプレイしてみると、「自分が好きな色彩」だけでなく「自分が最も怖い色彩」をも考えて選ぶということになるので、ホラーの楽しみを抑えている気がします。本レポでは、怖すぎるのも嫌ですのでモノトーンカラーに近いものを選択します。

本レポでは「恐るべき水の奇外な話」の序盤をプレイ。貝原村の奇岩にまつわる研究グループを訪ねに向かうというシナリオです。プレイアブルキャラはすでにカルト教団と戦う事態になっており、貝原村の「奇岩」調査チームに接触することで有益な手掛かりを得られればと向かった様子。右下には大人しそうな好青年といった主人公がいますね。

海が良く見える錆びた村、そして異形の住人といった要素はまるでラブクラフトの作品『インスマスの影』を思わせます。

バスから降りると、早速の出迎え……マスクを深々と被った謎の襲撃者に襲われることとなりました。レトロ調なコマンド選択で、殴ったり蹴ったり、地面に落ちていた壊れたボトルで殴ったり、初期から持っていた「西洋カミソリ」を振り回して応戦。撃退に成功します。

コマンド選択は非常に多く、初期から取れそうな手段は豊富にあるのですが、事前に取った行動をセーブし繰り返すことも可能となっていて、戦闘自体はテンポよく進みます。

本作はローグライト要素のあるゲーム。ランダムでイベントが発生するので何が起きるか入念に準備していなければなりません。今回はチュートリアルなので簡単に倒せましたが、厄介な敵と出会った場合どんな所持品を持っているかで、ゲームオーバーになることもあり得るでしょう。

ちなみに筆者がプレイした際は未完成のためかところどころ文字が欠落。研究グループの調査長が「田さん」などと書かれておりましたが完成版では修正されていることでしょう。(「デンさん」かも知れませんが……)そんな「田さん」と宿で会ったところ、3人の調査メンバーを探してほしいと依頼されます。

調査メンバーの向かった先である学校に向かうと、謎の人形……もとい、死体が。状況から考えておそらくメンバーの一人と思われます。「解剖学」パークを所持していた場合の選択肢があったので、スキルがあればもっと真相に近寄れたのかも。

それでも「研究ノート」を手に入れられたので少し寄り道して村のレストランに入店。出てきたのは郷土料理……のような、おぞましい何かでした。

明らかに罠。日替わり料理でエビの寿司に昆虫みたいな足が生えたモノが出てきたら泣きます。完全に食べてはいけないですし、選択肢に「こんなの食べられない」と素直な気持ちも表示されています。

しかし、あからさますぎて好奇心が刺激され……「郷土料理って案外こういうものだし……? 逆に食べないのは失礼じゃないか?」という現状にそぐわない思考に陥ってしまいました。一口くらいなら平気だろう、死体を見ても理性が「-2」減少ですんでいましたし。

その結果、理性も体力も一気に減少。両方とも14ほどあったはずなのに、8にまで下降……。気弱そうで穏やかな好青年だったはずが、村についてから一時間もたたないうちに包帯ぐるぐる巻きの「狂気側の存在」に……!初めの襲撃者の方が人間らしくあった気がします。

おそらくこれがTRPGチックな本作の醍醐味……ランダム性が絡む中では、食べてはいけないものは、食べてはいけないと学ぶことが出来ました。

諸事情により本デモプレイはここで終了せざるをえませんでしたが、本作の感想は「もう一度、上手く立ち回りたい」という悔しさです。「研究メンバーがひとり死んでいるかも」という事しか知れない段階で、うかつな行動をとったばかりに自分自身が危険に追いやられていく理不尽な恐怖……。


真実も知りたいし、もっと恐ろしい現象にぶつかりたい。そして本作はローグライト要素のある作品ですから、同じ行動に再現性があるかもわからない。やり直したくなる魅力が詰まった作品と言えるでしょう。日本語版正式リリースの暁にはぜひプレイしてみたい一作です。

先に述べた通り、早期アクセス版では日本語はサポートされていませんが、本作『恐怖の世界』はSteamにて公開されています。日本語版リリースを期待しながら待ちましょう。

《高村 響》

ゲームライター(難易度カジュアル) 高村 響

最近、ゲームをしながら「なんか近頃ゲームしてないな」と思うようになってきた。文学研究で博士課程まで進んだものの諸事情(ゲームのしすぎなど)でドロップアウト。中島らもとか安部公房を調べていた。近頃は「かしこそうな記事書かせてください!」と知性ない発言をよくしている。しかしアホであることは賢いことの次に良い状態かもしれない……。

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