気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Trese Brothers開発、PC/Mac/Linux/iOS/Android向けに2018年8月1日リリースされた宇宙RPG『Star Traders: Frontiers』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、宇宙船の船長となり銀河をかける壮大なRPG。乗組員たちをカスタマイズし、指令を出し、エイリアンの脅威や政治の陰謀に立ち向かいます。プレイヤーは船長の傍、スパイや海賊、賞金稼ぎなど、26種の職業に就くことも可能。記事執筆時点では日本語未対応です。
『Star Traders: Frontiers』は1,520円で配信中。
(昨年発売のタイトルですが、回答をいただいたため掲載いたします)
――まずは自己紹介をお願いします。
CoryTrese Brothersの兄、Coryです。エンジニアリングとゲームデザインを含む、スタジオ内の重い仕事を担当してます。
Andrew弟のAndrewです。アート、ストーリー、ゲームデザインを担当しています。元々はソフトウェア開発者だったので、時々プログラミングも手伝います。でもなるべくCoryの邪魔はしないようにしていますよ!
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Cory本作の開発は2015年、Kickstarter終了後すぐに始まりました。当時は本格的なデモを用意することなく、壮大なアイデアだけでKickstarterができました。元となった『Star Traders RPG』はモバイル専用タイトルだったのですが、これで私たちの壮大なアイデアのためのステージを用意しました。これによりフォロワーを集めることができ、Kickstarterも成功させることができたのです。
Andrewかなり長い道のりでした。本作はクローズドベータで1年を費やし、2018年8月に発売するまでの7ヶ月間はSteamで早期アクセスを実施しました。そして今、AndroidとiOS向けに移植することとなったのです。
――本作の特徴を教えてください。
Cory本作はいくつかのとてもユニークなシステムが採用されています。私のお気に入りの一つは、乗組員たちの構成の仕方です。プレイヤーの船の大きさによって、12から40人の乗組員を乗船させることができ、各々持っている能力が合算され、できることが決まってくるのです。これにより、正しくスペシャリストをトレーニングし、職業をうまくミックス、マッチングさせることで、ユニークな乗組員たちと船を作り出すことができるのです。これを実際に行うには多くの方法があり、エキスパートになるには1つの分野に注力する必要がありながらも、様々なシステムを使ってこれを行うというとてもユニークな戦略が実行できます。「密輸」の能力を持っている乗組員が一人だけいても、「密輸業者」のエキスパートにはなれないのです。実現するにはスペシャリストの集団と船のアップグレードが必要になります。
Andrew本作の開発を始めるにあたり、まず有名で愛される、典型的な宇宙船長の職業を書き出しました。賞金稼ぎ、密輸業者、海賊、スパイ、冒険家、などです。本作のゲームデザインやシステムを構築する際、このリストを何度も見返し、どのようなスタイルの宇宙船長でも本作を遊べるように注意し、実際にそのようなスタイルで遊びたいと思わせるようなシステムを採用しています。このようなこだわりにより、奥深い自由度を実現しています。船長として、これらどのようなタイプにもなれますし、ミックスさせることもできます。お金持ちの商人から盗み、貧しい人に売るような宇宙海賊?命を狙う残虐な賞金稼ぎ?ダブルスパイ?何にでもなれますよ!
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Cory本作に最も影響を与えたものの一つが、フランク・ハーバートの「デューン」です。ハーバートは歴史があり生きているような星間社会を作り出しました。本作の政治や善悪のルールでも、同じような居心地の悪さを感じられるでしょう。これは新たなる封建制度であり、意地悪く、度量が狭いのです。彼らは儀式化した暴力のシステムを用い、社会における過度の暴力を抑え込んでいます。プレイヤーはこの儀式化した暴力を仲介するカーストに属し、宇宙をさすらう傭兵となることで、争いの真ん中に位置することとなります。
Andrew本作を考える時、いつも「ファイヤーフライ 宇宙大戦争(注:米国のSFドラマシリーズ)」のことを考えます。多くのプレイヤーの皆さんもそうでしょう。本作は一人の宇宙船長、直近の将校、多くの乗組員たち、そしてあなたの船に関するゲームです。プレイヤーは自由に、広大で複雑な銀河を探検することができます。マルコム・レイノルズのような密輸業者やボバ・フェットのような賞金稼ぎ…もしくはその間のような存在にもなることができるのです。本作は、宇宙船という限られた空間の中で、どう人々が生活し、働き、共に生き、死ぬのか、そんなゲームです。
――本作の日本語対応予定はありますか?
Andrew我々は小さなチームであり、ゲームも日々変化が加えられるため、翻訳というのはとてつもない挑戦になります。アップデート、改善、拡張をコンスタントに行っており、数週間で数千語もの新しい言葉が追加されます。翻訳するため、拡張のスピードが落ちるまで少し時間をおいており、オープンな翻訳プロジェクトとして興味があるメンバーとも話をし始めています。なるべく早く、実現したいとは思っています!
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Cory私たちは、大きな情熱を持つ小さなチームです。皆さんが本作を実際にプレイし、楽しんでいただけたら、お友達にも本作のことを伝えていただけると嬉しいです。日本の皆様に日本語で本作を楽しんでいただけるよう、体制を整えていきたいと思います。
――ありがとうございました。
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