気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Hernan Smicht氏開発、PC向けに4月25日正式リリースされたアルゼンチン音ゲー『El Tango de la Muerte』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、1923年のアルゼンチンを舞台としたリズムゲーム。全7章、全13曲がプレイ可能で、愛と裏切りの物語が展開します。ボードの上のパネルをリズムに合わせて踏んでいくという単純なシステムながら、各曲には特別なパネルが用意されています。ラテン系の独特な雰囲気が特徴。
『El Tango de la Muerte』は498円で配信中。
――まずは自己紹介をお願いします。
Hernan Smicht氏(以下Smicht氏):こんにちは!Hernan Smichtです。アルゼンチンに住んでいます。ゲーム業界の様々な会社で計10年ほどゲームデザインをしていましたが、自分としてはもっとアーティストタイプだと思っています。10代の頃から物語を書き始め、そのあと絵とアニメーションを学びました。その後、プログラミングも少し学びました。趣味で切り抜きアニメやウェブゲームを作ったりしていたところ、ゲーム会社からゲーム開発の声がかかり、ゲーム業界で働くこととなりました。こうして、全く予想していなかった業界で働くことになったのです。それから数年たち、今は田舎の小さな町で妻と2匹の犬と一緒に暮らしています。今でもゲーム開発は続けていますが、個人開発のみです。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Smicht氏:商業ゲームの開発をしていた時、なんとなく退屈で「新鮮な空気」を吸いたくなったのです。そして、失った喜びをまた感じられるような、何か違うプロジェクトとして、本作の開発がスタートしました。完成まで2年かかりましたが、結果には満足しています。人生の見方が変わりましたね。
――本作の特徴を教えてください。
Smicht氏:本作はそのテーマとなるものを基に開発されているので、とてもしっかりとしたゲームに仕上がっていると思います。タンゴとは何か?それは音楽と踊りです。ではタンゴの物語とは何か?どこで誕生したのか?その物語にはどんなキャラクターが登場するのか?こういったものがすべてが同じ方向を向いていたので、私は愛のため、友情のため、踊って戦うリズムゲームを作ることにしました。物語には暗い展開も存在しますよ。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Smicht氏:タンゴの様々な歌の歌詞や、当時の演劇の本を読みました(注:タンゴは18世紀後半に誕生、19世紀後半から南米で普及)。100年ほど前に作られた「El Tango de la Muerte(死のタンゴ)」という歌があり、そのタイトルにある「死」と「タンゴ」という言葉が気に入ったので、本作に使うこととしました。本作はアルゼンチンを表現するものであるとも言えます。タンゴとは口にバラを咥える踊りではないですよ!
――日本語対応の予定はありますか?
Smicht氏:やりたいですね!ゲームのコミュニティの助けにより、すでに多くの言語に対応することができました。私一人では絶対にできなかったことで、まるでそれはみんなでこのゲームを作っているように感じました。ですので、手伝っていただけるのでしたら、いつでも歓迎です!コミュニティに参加しませんか? :)
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Smicht氏:こんにちは!皆さんとこのゲームについてお話しすることができ、嬉しいです。もし音楽と物語が好きで、独特なゲームを体験したいのでしたら、ぜひ『El Tango de la Muerte』をプレイし、LucianoをダンスとパンチでMartitasに勝たせてあげてください!結構厳しいゲームなので、時には難しいかもしれませんが、達成感がありますよ。
――ありがとうございました。
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