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冒険者よ、奈落の底まで潜れ!9つのスキルが生死を左右するDRPG『Path of the Abyss』【早期アクセスプレイレポ】

2023年末に早期アクセスが始まった、セミリアルタイムDRPG『Path of the Abyss』。実際にクリアまで遊んでみて、感じた魅力をお伝えします。

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冒険者よ、奈落の底まで潜れ!9つのスキルが生死を左右するDRPG『Path of the Abyss』【早期アクセスプレイレポ】
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2023年も終わりに近付いた12月、1本のDRPGの早期アクセスが始まりました。そのゲームの名は『Path of the Abyss』。

本記事では、このゲームの魅力について迫ってみたいと思います。

『Path of the Abyss』とは

本ゲームは、日本の個人開発者である、すずきすずぞう氏によって制作されている3DダンジョンRPG(DRPG)です。「太古に3人の巫女により封印された災いの巨人がいた。しかしその封印が解け、巨人が復活しようとしている。王国は巨人を討伐した者に望むだけの報酬と名誉を与えよう……とお触れを出した」というのが本作開始時点でのバックストーリーです。シンプルなバックグラウンドとわかりやすい最終目的が最初に提示されるのは、DRPGとしては王道の導入となります。

まずはキャラクター作成。4種の種族、5種の能力値と8種のアビリティを組み合わせてキャラクタービルドしよう

ゲーム開始後、酒場「巨人の背骨亭」で実際にダンジョンを探索するキャラクターを作成することになります。毒と麻痺に強い「人間」、魔法威力に補正がかかる「エルフ」、物理攻撃と耐久力が頼れる「ドワーフ」、HP・攻撃力は低いが回避率に優れる「カリン」という4つの種族、そして物理攻撃に影響する「STR」、命中率・回避率に影響する「DEX」、防御力に影響する「CON」、魔法威力に影響する「INT」、後述するモラルに影響する「WIS」から伸ばす能力を決め、最後に容姿と名前を決定するとキャラクター作成完了です。

なお、本作ではキャラクターポートレートのイラストが最初から準備されていますが、その画像をサイズが同じ画像と差し替えることでキャラクターポートレートのカスタマイズも可能です。

作成したキャラクターで4人までのパーティ編成が可能で、各キャラクターをクリックすると詳細なステータス画面が表示されます。また、この画面で画面右上の剣のアイコンをクリックすると、そのキャラクターのアビリティポイント割り振り画面が出現します。

本作のキャラクターには特定の職業(ジョブ・クラス)のようなものはなく、直接攻撃に優れる「戦闘」、スキル使用のタイミングによって戦局を変えうる「策略」、毒や麻痺といった掠め手や様々な探索強化スキルを覚える「斥候」、弓矢による強力なスキルが魅力の「狩人」、回復・防御魔法が揃う「信仰」、ダメージディーラー向け魔法の「魔術」、回復だけでなく毒による攻撃や医術知識による防御もできる「医術」、敵に様々な状態異常を仕掛ける「呪術」といった8つのアビリティにアビリティポイントを割り振ってスキルを覚えていくことになります。

レベルアップするたびに1ポイントずつアビリティポイントと能力値ポイントを割り振れるので、特定のアビリティに特化するか、複数の項目にアビリティポイントを振り便利なスキルをかいつまんで取って行くか、この判断はプレイヤーの自由に任されています。

パーティを組んだらまずは下水道へ。9つのスキルを駆使したセミオート戦闘に慣れよう

4人パーティを組み、アビリティポイントの割り振りも終わったら、チュートリアル通り「ウォルステン商店」で適当に買い物をし、スキルパネルの割り振りをしてみましょう。

中央下部メニューの右から2つ目がスキルパネルの割り振りです。

この画面では、各キャラクターが覚えたスキルを3x3の9つのパネルに割り振ることができます。上の方にスキルが割り振られたキャラクターほど前列にいるという事になり、戦闘で敵の攻撃のターゲットになりやすくなります。タンクや物理攻撃アタッカーを担当するつもりのキャラクターのスキルは上の方に、魔法アタッカーやサポートを担当するキャラクターのスキルは下の方に配置するのが良いでしょう。また、一部のスキルには周辺のスキルに追加効果を付与するものがあり、この影響を考えてスキルを配置するのも楽しみの1つです。

スキルパネルの配置が終わったら、街中から行ける「下水道」でまずは修業を積みましょう。

下水道は比較的シンプルな構造をしたダンジョンであり、操作のイロハを覚えるのに適しています。このダンジョンでキーボードを用いたWASDの移動に慣れると良いでしょう。このゲームでは、[Tab]キーでオートマッピングを何度でも表示することもできます。(中央下部メニューの一番右のアイコンクリックでも可能)。また、店で購入することができる消費アイテム「遠見の水晶球」を使用することでその探索中にミニマップを表示することもできます。1個の金額が500と少々値段が張るのでゲーム序盤に常用するのは厳しいですが、お金が余り始めた中盤以降はこれを使ってみるのも一つの手です。

戦闘では9つのスキルパネルから使用するスキルを選んで戦う事になります。戦闘開始前に、使いたいスキルをクリックしておきましょう。左クリックで次の自分の行動順が来た際に1回だけ、右クリックで自分の行動順が来るたび毎回使う……という設定になります。とは言え下水道の敵はまずこちらに危害を加えることがないほど弱く、適当に「たたかう」を右クリックしておけば割となんとかなります。

とは言え、ゲームを進めていくと敵の行動を引き付けるようなスキルをタイミングよく使うような場面がそのうち出てきますので、その際に左クリックで1回だけ使う、という用途は重宝します。また、いざというときは[Space]キーで戦闘を一時停止できます。次の行動が生死を分ける!というようなタイミングで落ち着いて行動を選択するためには覚えておいて損はないでしょう。

敵を倒すと報酬がゲットできます。たまに報酬の中には未鑑定のアイテムが混じることがあり、これは拠点の商店で鑑定することにより使用可能になります。なお、本作では長くダンジョンに潜り、戦闘を繰り返すたびにキャラクターの「マナ汚染」が進みます。

マナ汚染が進むと、時折戦闘中に状態異常が発生したり、マナ汚染が50%以上の状態で戦闘不能になると稀に「灰化」してしまい、寺院で治療するしかなくなるなど、探索のリスクが大きくなりますが、強力なアイテムがドロップする可能性も比例して発生するので、プレイヤーの押すか退くかのトレジャーハンティング技能が問われるところです。(余談ですが、本作は戦闘不能は宿屋に泊まるだけで回復可能です。また灰化からの蘇生の失敗でキャラクターがロストすることもありません)

また長くダンジョンに潜っていると通常の敵より強力なオーラ付きの敵(名称の上に固有能力が表示される)が現れることがあります。こういった敵は報酬も美味しいのですが、「カウンター」「爆裂」といった、プレイヤーの行動に対して反撃ダメージを与えてくるオーラを持つ敵からは(例え下水道の敵であっても)逃げた方が無難かと思います。

奈落へと続く深き迷宮。冒険者よ9つのスキルを示せ

一通り下水道を攻略すると、街の外にあるダンジョンに行けるようになります。ここからが本当の冒険の始まりです。

メインダンジョンとなる「古き王の霊廟」は最初の階層から下水道を超える広さを持ち、またダンジョン内で様々な有利な効果を得る「加護」を得るオブジェや、何か有用なアイテムが眠っているかもしれない「ガラクタの山」などもランダム配置されるようになります。最初の階層の敵の強さは実際のところ下水道とあまり変わりはありませんが、第2階層からは敵が一気に強力になります。

ただ、そのころには敵の攻撃を使用者に集める「かばう」スキルが付与された「プレートメイル」が手に入っているはずなので、これをうまく利用してパーティメンバーの1人を敵の攻撃を引き付けるタンクに専念させることによりパーティ全体の生存率がグッと高まるでしょう。

また、中盤以降のスキルパネルで気にしなければいけない要素が「攻撃指揮」「防御指揮」といった「エンハンススキル」です。これらのスキルはスキルパネルにセットするだけで強力なパッシブ効果を得ることができるのですが、その代償として「モラル(主に物理攻撃に必要とするリソース)」または「マナ(主に魔法攻撃に必要とするリソース)」を一定量占有します。

ゲームを進めているとこれらのリソースが一定値から回復しない!と思われている方がSteamの掲示板などでも見受けられるのですが、それはこれらのエンハンススキルをセットしていることが主な原因です。中盤以降は強力な攻撃スキルも増えてきますが、エンハンススキルをセットしているとそれらが使えない……というジレンマが本作のキャラ成長のもうひとつの軸。

攻撃は貧弱なまま強力なエンハンス・パッシブスキルに頼るか、それともエンハンススキルに頼らずに自在にアクティブスキルで攻撃できるようにするか、プレイヤーの選択の見せどころです。なお、各キャラクターのWISに5ポイント振るとパッシブボーナスで「モラル+20」が選択できるので、全員WISに5ポイント振ってモラルを合計+80すると、ある程度エンハンススキルをセットしても多少の余裕が出てきます。

迷宮の要所にはもちろんボス敵がいます。本作ではほとんどのボス敵に固有のアイテムドロップが用意されています。また一部の特殊アイテムや祭壇の効果で、一度倒したボスを復活させる事ができるため、優秀なプラス補正が付いたボスドロップを狙ってマナ汚染が進んだ状態で一度倒したボスを狩る……という本作独自のトレジャーハンティングも可能です。

こうしてトレジャーハンティングとキャラクター育成を進めながら、迷宮の奥へ奥へと進んでいきましょう。その果てにあるものはプレイヤー自身の目で確かめてください。

早期アクセスだけどラスボスはいるしストーリーもしっかり完結、しかし改善を希望する部分はあり

そんな『Path of the Abyss』ですが、Steamのストアページの早期アクセス欄には「(将来的な追加要素として)ゲーム終盤のダンジョン、エンディングの作成」とあるため、まだ未完成なのではないか?と思われる方もおられると思います。しかし、筆者がプレイした限りダンジョンは最終盤まで出来上がっており、また多くのゲーム内の伏線がしっかりと貼られたラスボスも登場します。(筆者の体感ではメチャクチャ強かったです)

ラスボスを倒して地上に脱出するとクリアメッセージも出現し、個人的にはメインとなるゲーム部分はしっかりと最後までできあがっている印象を受けました。明言はされていませんが、先述の将来的な追加要素に関しては、いわゆるクリア後のやり込みエンドコンテンツに関する部分なのかもしれません。

その一応のクリアまでに掛かったのは約20時間。筆者は非常に楽しくこのゲームをプレイすることができたのですが、このゲームに不満がないわけではありません。現在のバージョンでは既に改善されていますが、当時筆者が真っ先に感じた不満点は、「毎回の戦闘開始時にマウスクリックで使用スキル選択をする必要があった」こと。大抵のザコ戦では同じパターンで戦闘をする事が多く、毎回毎回戦闘開始時に同じスキルを右クリックするのが地味に面倒だったのです。なお現在はアップデートにより前回の戦闘終了時の使用スキル状況が引き継がれるようになり、この点についてはかなり解消されたと思います。

その他、「複数のスキルパネル設定を保存できるようにしてほしい」「マナの泉(入ったキャラクターの装備の性能かキャラクター自身の性能がランダムに変化する)で、装備性能がどう変わったのか分かりづらい」「HPとLPの関係がわかりづらい(ダンジョン内の「応急手当」でLPを消費してHP回復、LPに関係なくHP0で戦闘不能)」「回数制のスキル(特に他のスキルパネルへの支援効果がないもの)の使いどころが難しい」「道具屋の識別とアイテムを売る操作が混在していてまぎらわしい」「マチンの研究所(アイテムに魔法効果を付与する施設)で行う操作が単純なアイテム強化ではなく、魔法効果の再エンチャントであることが分かりにくい」「やっぱり最終的にはゲームパッドで操作したい」など、今後改善してほしい部分は多数あります。

しかしながら、それらの不満点はほとんど、プレイヤーの満足度を高めるQoL(Quality of life)にあたる部分となります。夢中になったからこそ出る不満、と言い換えてもいいでしょう。

ゲームのコアそのものについて言えば、存在自体が珍しいセミリアルタイム戦闘のDRPGで、しかもわずか9枚のスキルパネルに全ての戦略を注ぎ込む……という本作のオリジナリティは、あくまで『ウィザードリィ』風、『世界樹』風と呼ばれるジャンルの中ではありますが突出しており、そして楽しいです。ゲーム自体のテンポや入力に対するレスポンスも良く、この快適さが先述した奥深いトレジャーハンティング要素とも相まって、一度ハマると抜け出せない、まさに「沼」と言えるゲームに仕上がっています。

筆者としては現時点でも充分にお勧めできますし、また今後のアップデートによる改善・新規要素の追加も楽しみな一作です。

スパくんのひとこと



スキルパネルの試行錯誤とトレハンが楽しいDRPG!年始は奈落の底まで潜ってみるのも悪くないと思うスパ!



タイトル:Path of the Abyss
対応機種:PC(Steam
記事におけるプレイ機種:PC
発売日:2023年12月21日
著者プレイ時間:20時間
サブスク配信有無:
価格:800円(税込)(Steam)
※製品情報は記事執筆時点のもの


ライター:ずんこ。

ライター/石の中にいたいブロガー ずんこ。

ダンジョンの間に挟まれたい系男子。某掲示板でRPGツクールに目覚めその進捗目的でブログを書き始めるも、いつの間にかDRPGが中心の内容に変わっていた。 DRPGと麻雀・ポーカーゲームと元ネタとの差別化が光るフォロワー系ゲームをこよなく愛する。サービス終了したアーケードゲーム『ポーカースタジアム』の公式大会優勝という凄いんだか凄くないんだかわからない肩書きも持つ。

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