主人公は「バガボンド」、演出は「鬼滅の刃」…シリーズ愛と日本サブカル愛が形作った『プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠』ゲームディレクターインタビュー【Ubisoft Forward】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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主人公は「バガボンド」、演出は「鬼滅の刃」…シリーズ愛と日本サブカル愛が形作った『プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠』ゲームディレクターインタビュー【Ubisoft Forward】

今回は「プリンス」が主役ではなく「プリンス」を助けに行く者たちの物語。ゲームディレクターのMounir Radi氏にインタビューを行う機会を頂きました。身振り手振りで嬉しそうにお話する姿も印象的です。

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主人公は「バガボンド」、演出は「鬼滅の刃」…シリーズ愛と日本サブカル愛が形作った『プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠』ゲームディレクターインタビュー【Ubisoft Forward】
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先日の「Summer Game Fest」でも発表された、シリーズ最新作となるユービーアイソフトのアクションADV『プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠』。並行してUBIイベント会場にてデモ版をプレイした筆者(下記リンク)ですが、その後開発スタッフへとインタビューを行う機会も頂きました。この記事ではゲームディレクターのMounir Radi氏に伺ったお話をご紹介してまいります。



ゲームディレクターのMounir Radi氏

――本日は、貴重なお時間を頂きありがとうございます。どうぞよろしくお願い致します。Abdelhak Elguess氏にお聞きした質問と重複してしまうのですが、本作を開発するにあたり『プリンス・オブ・ペルシャ』シリーズの原点、例えばSFC版などを意識したということでしょうか?

そうですね。私は、まずは開発者としてではなく、当時を遊んだプレイヤーとして、あの頃に体験したプレイフィールを再現できないか考えました。その結果、『プリンス・オブ・ペルシャ』シリーズ全タイトルの根底に流れるDNAをリスペクトしつつ、新しい要素を乗せていこうという方針へ自然と定まりました。

本作のシステム的な土台は初代と同じものかもしれませんが、それらを尊重しながら現代にあわせて様々なアレンジが加えられています。フットボールのJordan McMillan選手と一緒に仕事をする時は、リスペクトをもって事にあたるでしょう?(素敵な笑み)

――なるほど!例えばそれは、どのような部分にアレンジを加えたのでしょうか?

そうですね……まずはシンプルなアイディアから始めました。今回の物語において、主人公は「プリンス」を演じるのではなく代わりに王子を助けに行く立場であること、そして一緒に戦う仲間がいること……などでしょうか。時間操作のタイムパワーも新しい試みを盛り込んでみたり、そういったところから徐々にアレンジを発展させていきました。

――そのアレンジに際して、先程試遊版をプレイ中に開発スタッフの方から、日本のアニメやゲームがお好きで、その要素を本作に盛り込んだと伺ったのですが……?

ブフッ…くくく、ははははは!(本当にこんな感じに笑ってらっしゃいました)そうですね。日本のアニメーションは、本作を構成する極めて重要な要素の一つです。アニメの表現技法を取り入れることで、ゲーム中よりインパクトのある現代的な演出ができたと思います。あと私が格闘ゲーム好きだからなのですが……本作ではスペシャル技を放つ際に、カメラがキャラクターにぐっと近づきますよね?

これは『ストリートファイター』シリーズのような派手なカットを参考にしました。他にはトレイラー映像でもいくつか見ることができると思いますが、「ドラゴンボール」や「鬼滅の刃」といった作品などのオマージュがあります(どんどん早口になって、身振り手振りでベジータがやられる様子を説明し始めるMounir氏)。

――ありがとうございます!たしかにプレイ中、キャラクターのグラフィックがモーションと上手く噛み合っているのは感じました。ところで先程、ゲームであれば『ストリートファイター』シリーズの演出を参考にしたと仰ったように、資料となった作品は色々あると思いますが、「特にこのタイトルから影響を受けた」というようなものはありますか?

まず断っておきたいのは、一部作品の要素をそっくりそのままコピペして取り入れた……ということはありません。その代わり、カメオ出演と言いましょうか、様々な作品から少しずつ影響を受けている感じですね。キャラクターのゲームシステム的な扱いについては、スーパーヒーロー的なアプローチをとっていると言えるかもしまれせん。

例えば現実の我々が落下して地面に叩きつけられたらおしまいですが、スーパーヒーローであればちょっと頭をぶつけて終わりというか。本作であればムービーなどで、吹き飛ばされた主人公サルゴンが身体ごと壁にめりこむとか、そういうところに先程話した「ドラゴンボール」をはじめとする日本アニメ等の影響を受けていますね。

――なるほど!試遊していた時を思い返してみれば、たしかに演出やエフェクトが妙に馴染むという感覚はありました。

ああ、でも主人公サルゴンのキャラクター性については、漫画「バガボンド」の宮本武蔵から多くのインスピレーションを得たと思います。何のために強くなるのか、物語の冒頭で遭遇する大きな障害をどう乗り越えていくのか。そういった中で「不死団(Immortals)」としてどのように成長していくのか……そういった部分ですね。

――まさかの作品からですね!……と、あっという間ですが時間が来てしまいました。今日は本当に貴重なお時間を頂きありがとうございました。あの、最後にまったくゲームと関係のない、個人的な興味からくることを伺っても良いでしょうか……?

もちろん!

――ありがとうございます。フランス繋がりというだけの質問なのですが……アニメ映画「神々の山嶺」はご覧になりましたか?どうでした?

ああ!もう名作!!(身体を大きくのけぞらせて手をたたきながら)

――ですよね!(ガッツポーズしながら)


短い時間ではありましたが、興味深いお話を伺えた今回のインタビュー。とにかく身振り手振りと、お茶目なジョークで説明してくださるMounir Radi氏のお人柄の温かさも印象的でした。日本のアニメや漫画、ゲームなどの作品から要素を少しずつ取り込んだという本作は、製品版では一体どんな形へと昇華されているのでしょうか。

そんなアクションADV『プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠』は、Windows PC (Epic Gamesストア / Ubisoft Store) /PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/ニンテンドースイッチ向けで、2024年1月18日にリリース予定。またサブスクリプションサービスUbisoft+でもプレイ可能とのことで、さらなる詳細はこちらの公式ウェブサイトをご確認ください。

《麦秋》

お空の人。 麦秋

仕事であちこち渡り歩いては飛んでます。自分が提供するものが誰かのお役に立てれば幸い。編集部および他ライターさん達のこくまろなキャラに並べるよう頑張ります。

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