2023年9月12日にSteam/Epic Gamesでの早期アクセス開始を予定している、生活シミュレーション『Life by You』に関して、Paradox Tectonicを率いるロッド・ハンブル(Rod Humble)氏へのインタビューを海外メディアのPCGamerが公開しました。
ハンブル氏は『ザ・シムズ 2&3』のエグゼクティブプロデューサーや、『セカンドライフ』のLinden Labに関わったカリスマデベロッパーで、『Life By You』は『ザ・シムズ』コミュニティが長い間求めていた生活シムを販売したい、逆にユーザーが望まないものの実装や押し付けはしないことを、約束すると述べています。
露骨な性的シーンは無いが、アダルトMODの制作はもちろん可能に
本作の大きな特徴は、非常に自由度が高いカスタマイズ機能にあり、実際に開発陣が今後の拡張機能を製作するために使うもの同じツールをユーザーも使用でき、カスタムジョブ/カスタムクエスト/ソーシャルシナリオ/会話(『ザ・シムズ』のシム語と異なり、理解できる言語)の設定が可能に。オブジェクトエディターを使えば、家だけでなくオフィスやレストランまで、街のあらゆる建物をデザイン・配置できます。
また、ゲーム内に露骨なセックスシーンはありませんが(『ザ・シムズ』同様にシーツの下で行われる)ヌードはOKで、本作はアダルトMODを可能にするために“特別に設計”されているとハンブル氏はPCGamerに語っています。
生活シムをプレイする際、ユーザーは「自分の住む現実に近い街を再現したい」人もいれば、反対に「理想のファンタジー世界を作りたい」人もおり、誰もがゲイの街・Xジェンダー(自身の性自認に男女の枠組みをあてはめない考え)ばかりの街・住人全員がプレイヤーキャラだけに夢中で恋する街など、なんでも設定は自由とのこと。セクシュアリティやアイデンティティを安全に探求できることがライフシムの大きな魅力とハンブル氏は考えており、『ザ・シムズ 4』には含まれているテレメトリー(匿名化したゲームプレイデータを開発会社に送信して分析すること)を、『Life By You』には実装しないそうです。
3月20日~24日までサンフランシスコで開催されたGame Developers Conference(GDC)のミーティングでハンブル氏は、次のように語っています。「私たちよりも優れた拡張MODを作りたいなら、ぜひ作ってほしい。ゲームはユーザーのものであり、作った成果を配信するのに誰の許可をとる必要もありません。我々は、コミュニティが長い間求めていた生活シミュレーターを作り、販売したいと考えています」
生活シムというジャンルに現れた『ザ・シムズ』の本格的な競争相手
『ザ・シムズ4』には不満はあるにせよ素晴らしい要素が数多くあり、長年のファンがついています。Maxisが2022年11月に開発を発表した『The Sims 5』の進化次第では、シリーズ最大のヒットになる可能性もあります。
一方、『Life By You』はまだまだ“試作機”のような印象ですが野心的なプロジェクトであり、生活シムというジャンルに本格的な競争相手が現れたことは歓迎すべきことでしょう。9月12日の早期アクセス開始でどのような反応が得られるのか、注目していきたいところです。