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“ゲーム”は人を繋いでくれる―『Shadowverse』学生大会キーマンインタビュー【eスポーツの裏側】

「Shadowverse University League」学生実行委員会で活動する2人の大学生と、彼らを支援するGALLERIA担当者にインタビュー。「学生によるeスポーツ大会運営」や企業のサポートについて訊きました。

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eスポーツに携わる「人」にフォーカスを当てて、これからのeスポーツシーンを担うキーパーソンをインタビュー形式で紹介していく【eスポーツの裏側】前回の連載では、プロゲーマー ももち氏と師弟関係であったひぐち氏にインタビューを実施。忍ismを卒業し、Saishunkan Sol熊本へ加入するに至るまでのお話を伺いました。

第38回目となる今回は、「Shadowverse University League」学生実行委員会で活動する大学4年生の渡邊氏と大学3年生の真木氏、また同大会を支援しているGALLERIA(ガレリア)担当者も交えてのインタビューを実施。大学生リーグの運営の裏側や企業の支援の方法、また大学生視点のeスポーツについての環境変化について話を伺いました。


ーーまずは学生実行委員会のお二人の自己紹介をお願いします。

渡邊:Shadowverse University League(以下:SUL)の実行委員会のリーダーを務めている大学4年生の渡邊です。

真木:同じくSUL実行委員会メンバーの大学3年生の真木です。

ーー初のオフライン開催でしたが、全体的な印象についてお聞かせください。

渡邊:実行委員会に入る前はSULの広報部として携わっていました。広報部にいた頃はコロナ禍でオンラインのみでの開催でしたので、オフライン開催という念願が叶ってとても嬉しい気持ちです。

真木:自分自身が企画してきたものが実際に目の前に現れる、ということが嬉しいです。加えて、大勢のお客さまがイベントに喜んでいる反応を実際に見られる・聞ける、というのもありがたいですね。

GALLERIA(森畑):SULを支援させていただくようになってだいぶ長いのですが、やはり「オフラインのイベントはとても盛り上がる」と改めて実感しています。何よりも、大学生の方々がこういった場所に一同に集まってくれて、文化祭のように楽しんでくれている姿を見られるのが嬉しいです。

ーー渡邊さんと真木さんは、どのようなことがきっかけで実行委員会に参加しようと思ったのでしょうか。

渡邊:私は広報部としてSULの立ち上げ初期から携わっているのですが、もともとeスポーツ関連の企業や職場で働いてみたい、と考えていました。また、自分も参加者側としてこういった大学生リーグに参加していたりしていたので、メンバー募集のお知らせを見た際に「行くしかない!」と思い迷わず応募をしました。

真木:応募するまでSULの存在を知らなかったのですが、元々SUL運営部のメンバーだった知人から「一緒にやってみない?」というお誘いを受けてジョインする形になりました。私自身が『Shadowverse』プレイヤーでしたし、学生主体でイベントなどを開催するのが好きということもあり、知人が声をかけてくれました。

ーー学生実行委員会は、どのような活動・役割を担っているのでしょうか。

渡邊:大まかに分けて「リーグ運営」「広報」のふたつに分かれています。「広報」ではTwitterやSNSの運用を行ったり、SULの企画を考案して“大学生主体”でその企画を実現するための動きをします。

例えば、今回でいうと学生限定のアフターパーティの企画立案であったり、大会で利用する必要備品の手配、グランドファイナルを盛り上げるためにスティックバルーンの手配や制作などを行っていました。いま私たちが着用しているジャンパーのデザインも私たちでデザインをして、制作しました。「リーグ運営」では、その名の通り、実際に大会の運営や進行を進めています。

真木:大目標は「学生だけ」で大会を運営するということなのですが、現状学生だけでは難しい部分も多々あり、Cygamesさんと協力・相談をしながら学生ができる範囲を徐々に広げていっている、というのが今の状況です。

Cygames担当者:今回のグランドファイナルに関しては、大会の配信や進行の部分はこちらで手配している部分が少しだけありますが、基本的に弊社の意思はほとんど入っていません。

大会企画の内容や集客の部分、例えば「こういう企画を行うのでこの告知を『Shadowverse』の公式Twitterで告知をお願いします」という弊社への依頼も含めて、全て学生のみなさまが進めていきました。私たちはあくまで監修というところでタッチしている程度です。

ーーオリジナルというジャンパーのこだわりポイントはありますか?

真木:どんな会場にいても「SULのスタッフだよ」というのが伝わるようなデザインにしました。目立ちすぎず、それでいて自分たちのやっていることを主張できるような部分にこだわりを持っています。

ーー「参加者が全然集まらなかったらどうしよう……」と不安を感じたことはありましたか?

真木:ものすごく、ありました……。できる限り参加のハードルを低くできるよう企画を練っていて、前日の夜や当日の朝も「どうか人が集まってくれますように」と祈っていました。

ーーさまざまなチャレンジをされていますが、最も楽しかった点、最も辛かった点を教えてください。

渡邊:大学4年生なので卒業研究があったのですが、卒業研究の期間とグランドファイナルの期間が重なっていて、両方を同時に進めていくことがとても大変でした。実行委員会のリーダーとして学生をサポートしつつ進行しながら、自分自身の卒業研究の進捗管理もしなければいけなかったので、辛かったです(笑)。

良かった点で言うと『Shadowverse』をプレイしているユーザーさんだったり学生の生の意見を聞けることが、一番大きかったですね。例えば、自分が考案した企画がSNSで評判が良かったりした際には、やっぱり嬉しかったです。

ーー卒業研究と実行委員会の両輪を回していたということですが、どのようにマネジメントされていたのでしょうか。社会人としても気になります。

渡邊:卒業研究の進捗が本当に大変な時期は、無理をせずにお休みをいただいていました。でも、SULの運営がとても楽しく感じていたので、基本的にはリーグ運営に軸足を置きつつ、卒業研究にも悪影響が出ないように気をつけながら活動していました。

ーーSUL実行委員会は強制されているものではないのですよね。あまりの忙しさから「もう投げ出したい」と思ったことはなかったのでしょうか。

渡邊:好きでやりはじめたことでしたし、そのような考えを持ったことは一度もなかったです。幸いにも頼れる仲間がたくさんいるので、大変なときは素直にアラートをあげるようにしていました。

ーー真木さんはどうですか?

真木:GRAND FINALSの企画を立ち上げるタイミングは、とても大変でしたね。Cygamesさんから開催許可をいただいたものの、何からやればいいのかが全く分からない状態だったので、初っ端からつまづきました。ただ、ありがたいことにCygamesの担当者さんに協力いただけたので、自分たちで企画考案しては相談……というのを何回も繰り返していました。

良かったところで言うと、前述の通り「自分たちが考えた企画がリアルで実現する」ということはとても嬉しいですよね。例えばスティックバルーンもそうです。資料やデータ上ではただ「100個」と記載されているのですが、それを実際に目の当たりにしたときは、感慨深いものがありました。お客さんがスティックバルーンを使って一生懸命応援している姿を見たときも、本当に感動してしまいましたね。

ーーありがとうございます。今回、GALLERIAはSULを“支援”されていますが、具体的にはどのような形でサポートしているのでしょうか。

GALLERIA(森畑):大会の副賞として優勝者のみなさまにノートPCを贈りました。また、主に機材提供でご協力しています。実行委員会のみなさまが利用しているPCに関しては、GALLERIAのノートPCを提供しています。学生主体でイベントを行う際にも、PCは必ず必要になりますよね。スマホでも可能ですが、原稿を執筆したり、動画のアップロードや編集、画像加工等はPCがあればより便利になります。GALLERIAというと”ゲーミングPC”という印象が強いと思いますが、ただゲームをプレイするのに最適化されているだけでなく、クリエイティブな作業にも対応できる”ハイエンドなPC”で、いろんな生活シーンやビジネスシーンにも利用できるということを学生のみなさまにも体験して頂きたいな、と。

実際の大会開催までの間で言うと、何かノートPCのトラブルが発生した際に、Cygamesさん経由でご連絡を頂いてサポートをさせてもらったりすることを想定していましたが、そういったことはほぼありませんでした。学生のみなさまにも喜んで利用していただけているのかな、と嬉しく思っています。

ーー学生実行委員会として、こういった支援にはかなり助けられましたか?

真木:SULは一年を通して大きな大会を数回開催しているのですが、そういった際にどうしてもPCが必要になります。例えば「選手とのやりとりを通話しながら録画する」など、重めな処理が必要な業務もありますね。こういうときはPCがないと成り立たないですから。

渡邊:TwitterなどSNS運用も重要です。学生が自分のPCでログインして対応すると「アカウントを間違って投稿してしまう」といった誤爆トラブルが発生することもあります。そのため「提供いただいているGALLERIAさんのPCでのみSNSを運用する」といったルールを設けたりできたので、とても助かりました。学生主導の企画を行う際、GALLERIAさんのPCを4台並べて運営する……といった利用もしていました。

ーーGALLERIAでは、具体的にどのようなスペックのノートPCをご提供しているのでしょうか。

GALLERIA(森畑):ミドルモデルを提供しています。ご支援する前は、実行委員会の学生さんの作業内容で見えていない部分もありましたので、ある程度いろいろなことに対応できるモデルを準備しました。文章を執筆する、Discordで選手と通話をしながら録画もしつつ、配信画面の管理をする……となるとCPUのスペックも低いものだとまずいよね、ということでグラフィックカードも性能が必要になる。でも、そこまでハイエンドなものは必要ないということで、まずはミドルモデルとしました。

逆に言うと、来期以降は実行委員会の学生さんから「こういう企画やこういう作業をします。なので、ハイエンドモデルも……」というご提案をいただければ、弊社としても検討しやすくなります。今回は配信系業務は実行委員会ではないところで担当していたのですが、今後はそちらもすべて学生さんで担当し、例えば「大学の映像研究会が配信を請け負います」という話になれば、そういったところでも支援できると思います。

当然、ゲームプレイもGALLERIAのゲーミングPCで対応できますから、一気通貫でご一緒できたら、私たちとしても嬉しいですね。スマホでなんでもできる時代になりつつも、この規模の大会運営にはPCが必須です。そういったところで、GALLERIAの強みを認知いただきたいとも考えています。

真木:自分たちで購入することはなかなか難しかったりするので、何かしらこちらで実行しようとした際に、できる術がある、その環境を与えていただけているというのは本当にありがたいです。

ーーゲーマー以外にも「eスポーツ」という言葉が浸透してきていますが、お三方はどう捉えていますか?

渡邊:対面で遊ぶだけでなく「Discordなどを繋げて会話しながら、集まってゲームをプレイする」というように、かなり身近なモノになってきている印象はあります。数年前までは「eスポーツ」と聞くと仰々しい感じがありましたが、現在はかなりカジュアルな雰囲気になってますよね。コロナ禍で大学のサークル活動がかなり制限をされていたので、SNSで「eスポーツのサークル、入らない?」と声をかけたりしていたのですが、そこでも「やる!」と快諾してもらえたりと、ハードルも低くなってきていると感じたりします。

真木:大学生の間でも「eスポーツ」という言葉は広がってきています。日常会話の中でゲームのタイトル名や大会の話題が出てくることがすごく多くなりました。例えば、リアルの大学の友人に自分がプレイしているゲームの話などをすると、「自分もやってみたいから、やり方とかルール教えてよ!」といったように、ゴリゴリのゲーマーでなくても触れる機会は増えてきているかな、と。コミュニケーションツールになってきている感覚もあります。大会に出る、となるとすごくハイレベルな話になるのですが、いちプレイヤーになるのはとても簡単ですからね。

ーー周りの学生の中で、最近はどのようなゲームタイトルが流行っていますか?

渡邊:『VALORANT』をやっているという声は聞きますね。『Apex Legends』ももちろん人気ですが、最近は『VALORANT』をプレイしたり、ゲーム動画をよく観ているという話も多いです。

真木:あとは『オーバーウォッチ2』もよく聞きます。コンソールでゲームをしている人も多いので、『スプラトゥーン3』をプレイしている人も。

ーー「洋ゲー」「和ゲー」みたいなところで、ゲームを区別することはありますか?

渡邊:海外ゲームタイトル、特にオンラインのタイトルなどはゲーム開発にかけられるお金が多いのかな、と感じます。例えば、大型のアップデートなどがよく入る、とか。

真木:絵柄のタッチが違ったりするので、『スプラトゥーン』や『スマッシュブラザーズ』はプレイするけど『VALORANT』はやらない、という友達は確かにいますね。

ーーかなり細分化が進んでいるのですね。

GALLERIA(森畑):企業目線で見ると、「eスポーツ」だけでなく、ゲームがよりカジュアルになったと感じています。ログインをしてクイックマッチをして、ちょっとチャットをして、少しダベって、おしまい……という遊び方が、カジュアルにできるような時代になってきたので、盛り上がってきているというか「自然になった」のかなと。

また仰る通りで、細分化も同時に進んできていますね。どうしてもコロナ禍でオフラインで友達と会えない時間が長かったので、自分の趣味嗜好が反映されやすくなって細分化していったのかな、と。そういった垣根をもう一度を超えられる今回のようなオフラインイベント、お祭りみたいな形でいろんなジャンルが繋がっていくといいですよね。

ーーたしかにソロプレイのゲームだけではなく、チームでプレイするゲームも人気だったりしますよね。

GALLERIA(森畑)学生の時から、チームプレイを経験できるのはいいことですよね。諦めかけているチームメイトに「大丈夫だよ!まだラウンドあるから、次取り返そう!」とケアリングしたり、良いプレイや立ち回りをしたら「ナイス!」と言い合える。仕事も結局同じじゃないですか(笑)。ゲームを通してこういう経験を得られるのは本当にいいことだなぁと感じます。

ーー規模や結果に問わず、何かに熱中して、高みを目指す、という姿勢は、就職活動などでも良い自己アピール材料になると思うんですけどね……。企業側はもちろん、学生側ももっと胸を張っていいと思います。本当に素敵なことですから。最後に、これからの意気込みをお願いします。

渡邊:就職先がeスポーツ関係の会社になっていくので、もっともっと自分のスキルを磨いていきたいと思います。また、いろんなゲームタイトルのコミュニティ運営や大会運営にも積極的に携わっていきたいです。

真木:SULの規模をさらに大きくしていきたいです。まだまだコミュニティが小さいと感じているので、とにかく多くの人に参加していただきたいと思っています。そして大学生だけでなく、さまざまな年代の人が『Shadowverse』のコミュニティを作っていくところで、お手伝いできるといいなと考えています。

GALLERIA(森畑):SULの実行委員会の学生さんたちがゼロから作っている、ということをとにかくいろんな人に知ってほしいな、という想いがあります。学生さん達がこれだけの規模の大会を開催しているんだよ、というのを知っていただきたいですし、ぜひ応援にも駆け付けてほしいです。『Shadowverse』というゲームをプレイしていなくても、何かいろいろな形で手伝うことはできると思います。そういった集まりの中で、サードウェーブという企業が展開するゲーミングPC GALLERIAが、機材提供などのご支援をすることで、少しでもお役に立っていければと思います。

ーー本日はありがとうございました。


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