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WW2を舞台にしたTRPG感あるターン制の、“デジタルウォーゲーム”『Second Front』の魅力に迫る!【デジボで遊ぼ!】

今回は第二次世界大戦を舞台にした、ヘクスマップのターン制ストラテジー『Second Front』をお届けします。

連載・特集 プレイレポート
WW2を舞台にしたTRPG感あるターン制の、“デジタルウォーゲーム”『Second Front』の魅力に迫る!【デジボで遊ぼ!】
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デジボで遊ぼ!」ではボードゲーム要素やカードゲーム要素、テーブルトークRPG(TRPG)要素のある魅力のデジタルボードゲームを特集。今回は第二次世界大戦を舞台にした、ヘクスマップのターン制ストラテジー『Second Front』をお届けします。

本作はHexdrawが開発し、MicroProse Softwareによって2023年1月31日にSteamで配信されました。ちなみにタイトルの『Second Front』は、敵の戦力を分散させるため、主要戦線以外に設けられた「第二戦線」のこと。

第二次世界大戦時、ドイツは東部戦線に兵力の大多数を投入し、対ソ連用の主要戦線を形成していました。ソ連は、イギリス・アメリカに対して、「フランスに上陸してドイツの背後を突くよう」要請します。第二戦線を形成して、ドイツ軍の兵力を分散させたかったのですね。これが後に、歴史的な第二戦線である「ノルマンディー上陸作戦」につながります。

本作の内容ですが、ヘクスマップ上で歩兵や戦車などユニットを動かす、伝統的なターン制戦略ゲームとなっています。本作の元となっているのは、有名なWW2ヘクスマップ戦略ボードゲーム「Advanced Squad Leader」(以下「ASL」)。戦略ボードゲームで有名なアバロンヒル社から、1985年に出版されました。日本でもホビージャパンから翻訳出版されています。

「ASL」ではテーブルトークRPGのように基本ルールブックが用意されており、プレイヤーはシナリオシートに書かれた条件に従って勝利を目指します。ルールブックを元に、自作シナリオを作成することも可能。上級ルールだと夜間戦闘や天候などの要素も入ってきます。本作はこれら「ASL」の要素をPC上で再構築することをコンセプトとした作品だそうですが、果たしてどんなゲームになっているのか、早速プレイしていきましょう!

移動を上手く使いこなそう!

本作では「キャンペーン」と、ドイツ・ロシア・アメリカ各国の「シナリオ」、歩兵部隊・戦車部隊の「チュートリアル」のマップが用意されています。チュートリアルだけでも結構な量のマップがありますね。まずは歩兵部隊のチュートリアルから行きましょう。

ブートキャンプマップ。プレイヤーはアメリカ軍、敵はドイツ軍です。本作ではマップごとに勝利条件が違い、本マップでは「VP(勝利点)のある建物を制圧すること」となります。兵力的にはドイツ軍有利ですね。

まずは移動のチュートリアル。歩兵の移動には「匍匐」「歩く」「走る」の3種類があります。「走る」は「歩く」より2タイル多く移動できますが、移動後の攻撃ができなくなります。また、2ターン連続で「走る」ことはできません。「匍匐」は1タイルしか移動できませんが、潜伏状態ボーナスが付きます。

左側にいる2部隊がプレイヤー陣営のユニット。右側の建物にはドイツ兵が3部隊籠っています。マップ中央の「30VP」取れる建物を抑えれば勝利です。

それでは早速歩兵を動かしてみましょう。まず動かしたい部隊を左クリックし、目的地を右クリック。距離によって「匍匐」「歩く」「走る」が選べますので、これらを最後に選択。上の部隊は「歩く」、下の部隊は「走る」で移動させてみます。

「歩く」で移動した部隊の方は発見されませんでしたが、走って建物の中に駆け込んだ部隊は敵の視界に入ってしまい、攻撃を受けました。動かせる部隊はもう無いので、画面右上のボタンを押して「移動&攻撃」フェーズ終了です。

本作の1ターンですが、「移動&攻撃」→「敵の攻撃」→「逃走」→「追加行動(歩兵は1タイル進めます。射撃は不可。車両はタレットの方向を変えられます)」→「近接戦闘(「追加行動」フェーズで、歩兵が敵のいるマスに侵入した場合に発生)」の5フェーズから成っています(敵ターンも同様)。

敵の攻撃」フェーズに入りました。視界内のユニットを射撃してきます。建物内の部隊は攻撃を受けて「潰走状態」となり、結果、次の「逃走」フェーズで南西にある林の中に逃げ込んでしまいました。逃走時は安全な場所に自動移動しますが、逃げる場所が無い場合、そのユニットは敵に降伏して、ゲームから消滅します。また潰走ユニットは、しばらく動かせなくなります。

追加行動」フェーズでは、歩兵が追加で1タイル移動でき、敵の視界内に入っても攻撃を受けずにすみます。これを上手く利用しましょう。「歩く」で移動させた部隊を、VP地点である建物の中へ移動。これでVP地点を制圧して勝利です。

歩兵ユニットは戦闘の基本!

歩兵ユニットですが、1タイルの中には3部隊までしか滞在できません。画像の左側の部隊は、リーダーユニット(部隊にボーナスを与えるユニット。部隊数には数えない)と歩兵部隊×2で構成されています。途中に潰走状態の味方歩兵が2部隊あるため、このままでは2部隊のユニットは通ることができません。この場合は部隊を分離して、1部隊(+リーダーユニット)だけを通過させましょう。

敵部隊が陣取っている建物に、歩兵を突入させます。この場合、次の「近接戦闘」フェーズで戦闘が発生。まず「奇襲判定」が行われ、これが成功するとボーナスが付き、先制攻撃ができます。地形や匍匐状態などで「潜伏状態」になっていると、奇襲の成功確率は上がります。

その後に「近接戦闘判定」が行われます。こちらの勝率98%に対して、相手は28%のため、ほぼ負けることはありませんね。ちなみに武装の無い車両に近接戦闘を仕掛けると、鹵獲することができます。

リーダーユニットは、逃走状態(!マーク)の部隊のタイルに配置することで、回復判定を高めることができます。画像の逃走部隊のタイルへリーダーユニットを移動させたところ、回復チャンスが92%まで高まりました。回復判定は「近接攻撃」フェーズで行われます。しかし92%もあるのに、4部隊中1部隊が判定失敗。そういうこともありますね。

ユニットには射撃距離が設定されています。距離が遠くなると、命中率は著しく低下。画像は長距離射撃(射程距離の2分の1以上の距離)ですが、命中率は28%ほどしかありません。4部隊で射撃してみましたが、ことごとく当たりませんでした。リーダーユニットには命中率補正能力があるので、歩兵と一緒に配置しましょう。

ユニットの上に「?」マークがあるのは、「潜伏状態」になっていることを表しています。林や畑などを匍匐で進めば、敵の攻撃範囲内にいても気付かれることなく接近可能。ただ攻撃を仕掛けてしまうと、位置がバレてしまうので注意。

建物には、階層のあるものも。画像は、敵が建物の上を陣取っているので、下から匍匐で侵入しています。気付かれないように登っていき、近接戦闘で仕留めてしまいましょう。こういう判定はTRPGっぽいですね。

様々な兵器を使いこなせ!

歩兵が使用できる武器として、機関銃があります。弾をばら撒くので命中率も高く、敵歩兵相手には強力な武器となります。ただ設置が必要なため、持ち運び後にすぐ撃つことはできません。

迫撃砲は、林にいる敵に大きな効果があります。敵が林に侵入したら、迫撃砲をぶっ放してあぶり出してやりましょう。ただ迫撃砲は、移動のたびに「設置解除」をする必要があります。それとこれらサポート兵器は「故障率」も設定されており、故障すると修復終了まで攻撃ができなくなります。

歩兵は戦車に対しても近接戦闘を仕掛けることができます。ただし、まずは戦車に接近するための「勇敢さ判定」をクリアしなくてはなりません。失敗するとその部隊はその場に「釘付け状態」となっていまいます。リーダーユニットの補正などを使って成功率を上げましょう。

戦車や装甲車など、機甲ユニットの動作はなかなか凝った作りになっています。「上部ハッチを開けるかどうか」の選択や(乗組員が顔出しをすると移動範囲増加)、機甲ユニットの行動後に「エンジンを止めるかどうか」(エンジンを止めると命中率上昇)、「タレットだけ別の方向に回す」などの選択も可能。またスモークを焚いて潜伏状態にすることもできます(成功判定有り。画像はスモークを焚いた状態)。

機甲ユニットは、タレットと車体の、それぞれの前方・側面・後方の「装甲度」や「兵装」も設定されていたりなど、戦車好きな人には楽しめる仕様かと。また車両はタイヤの種類によって、通過できる地形が決まっています。例えばキャタピラを持たない輸送トラックだと垣根を超えることができませんが、代わりに道路上での移動距離が長くなります。

装甲ユニットの兵装には「徹甲弾」「榴弾」「機関銃」「スモーク弾」などがあり、攻撃時に自由に選べます。ハッチを開けた状態だと命中率は上がりますが、一部兵装が使えなくなることも。敵ユニットのタイプや命中率、地形などを考慮して、適切な攻撃方法を選びましょう。

ドイツ軍シナリオをプレイ!勝利条件はVP地点を制圧すること。できるかぎり敵に見つからないよう、慎重に接近していきましょう。果たして軍を勝利に導くことができるのか、続きはぜひ自身の手でプレイしてみてください。

ボードゲーム感覚のPCウォーゲーム

本作は、いわゆる生産などは無く、ゲーム開始時に用意されたユニットで、いかにしてシナリオを解決していくかを考えるボードゲーム的な内容となっています。ユニット同士のぶつかり合いも、様々な判定を通して行われるため、TRPGの戦闘をプレイしているような感覚になりますね。

特に本作はAIが賢いこともあり、全体的に難度は高めです。「こんなのどうやってクリアするんだ」みたいなシナリオもありますが、ちょっと時間を置いて解法を考えると、案外すんなり解けたりします(ダイス運に見放されなければ)。

それと本作のチュートリアルだけでは、ゲームの細かい部分が理解しにくいとは思います。PDFのマニュアルが配布されていますので(タイトル画面から「マニュアル」を選択)、これを読んでゲームシステムを理解しておくのが良いでしょう(TRPGのルールブックみたいで、読んでて楽しいです)。

それと本作には「マップ」「シナリオ」「キャンペーン」の独立したエディタが付属しています。Steamのワークショップではユーザー開発のシナリオなどもアップされていますので、無限に楽しむことができる作品になっています。

現在は日本語サポートがありませんが、ゲームルールが分かればプレイに支障は無いかと。「ウォーボードゲームが好きだけど遊ぶ機会があまりない」という方(筆者もその一人です)は、本作を試してみるのが良いでしょう。

製品情報

『Second Front』
開発・販売:Hexdraw、MicroProse Software
対象OS:Windows
リリース日::2023年1月31日
通常価格:3,900円
サポート言語:英語、中国語(簡体字)、ドイツ語など7言語
ストアページ:Steam

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《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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