ヘイトは人命を奪う
2016年1月14日を、筆者は一生涯忘れないでしょう。
ジャカルタのタムリン通りにはサリナというショッピングモールがあります。当時の筆者はその付近の下宿に長居していて、毎日11時頃にサリナ付近、そしてさらに南に行った歓迎の像のロータリーまで散歩するのが日課でした。ただ、この日はたまたま寝過ごしたため、散歩には出かけませんでしたが……。
しかしそうして寝過ごしていなければ、筆者はこうして記事を書いていなかったでしょう。
この日、サリナ前の横断歩道と付近のスターバックスコーヒーで無差別テロが発生したのです。
この事件は、何の罪もない4人の民間人の命を奪いました。そして、ネットを通じて拡散されるヘイトがここまで残酷な事件を起こしてしまうのかと、ジャカルタ市民は一様に動揺していたことをよく覚えています。
なお、これらの写真は当時現場にいた筆者が撮影したものです。
この日をきっかけに、地元当局は携帯電話のSIMカードの販売に関する規制を検討するようになりました。それまでSIMカードは露店でも売られていましたが、現在では身分証明書を提出しない人には販売してはいけないようになっています。個人情報と購入した電話番号を紐付けしなければならない、ということです。
それと同時に、インドネシア国民の間で「ネットとの付き合い方」を真剣に考察する風潮が生まれました。
それらの背景を踏まえつつ、まずは現在Steamで配信されている『コーヒートーク2』デモ版をプレイしてみましょう。インフルエンサーのサテュロスとオペラ歌手志望のバンシーが、いつものコーヒーショップのカウンターでやや深刻な内容のトークを繰り広げます。彼らの言葉の中には、我々もつい頷いてしまう点がたくさんあるはずです。
(以下、参考記事)
Gamedaim
https://gamedaim.com/berita/tanggal-rilis-coffee-talk-episode-2/
KAORI Nusantara