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『クライシスコア FF7 リユニオン』普通じゃない主語の使い方に注意!ザックスとエアリスの初デート【ゲームで英語漬け#110】

見慣れた単語でも「いつもと同じ用法」とは限りません。

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『クライシスコア FF7 リユニオン』普通じゃない主語の使い方に注意!ザックスとエアリスの初デート【ゲームで英語漬け#110】
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『FF7R』のプロローグである『クライシスコア FF7 リユニオン』には、その後に繋がるエピソードが盛りだくさんです。一回り幼いクラウドとユフィはもちろん、エアリスとの出会いの場面は本編の何気ないポイントにも新たな視点を与えてくれるでしょう。『FF7R』が初めての人も、リメイク準拠の映像表現で遊びやすくなったスピンオフに是非触れてみてください。

Aerith:Stop! Don’t step on the flowers!

Zack:Excuse me?

Aerith:Normally, people are more careful with flowers.

Zack:Well... I guess I’m not normal.
    Oh. You don’t see a lot of flowers in Midgar.

   They’re like luxury items around here.

Aerith:They only grow here.
    Although I planted some outside my house, too.

Zack:If I were you, I’d sell them.
    Midgar’s full of flowers, your wallet’s full of money!

Aerith:Midgar, full of flowers, Wallet, full of money...
    Never thought of it that way...

エアリスは日本語版だと言葉数が少ない口調ですが、英語の吹き替えになると割と普通に話している印象です。同じ音声の尺でも英語では単語数が2~3倍になるので、日本語よりも情報量が増えてしまいます。“Midgar, full of flowers ~”でbe動詞を、“Never thought of~”で主語を抜いてエアリスらしさを出しています。

この会話の中で引っかかりやすいのが“You don’t see a lot of flowers in Midgar.”の台詞。ザックスがエアリスに言っているのですが、ここの「You」はエアリス自身のことではありません。誰がやっても同じである一般論としての仮主語です。これを「総称用法」と言います。その前の“People are more~”とほぼ同じ使い方です。

もし、この文に「そうですね」と同意を返すときは、自分のことではないので“No, I don’t.”とはしません。こちらも同じく一般論として答えるため、“No, you don’t.”となります。「You」に対して「You」で答えるのはしっくりこないかもしれませんが、カジュアルな口語ではとても重要な受け答えなので押さえましょう。

Hey, weren’t you chasing a kid around here earlier?
I heard about you from the local townsfolk.
I thought you were some shady outsider, but it looks like you’re a decent guy.
Sorry I misjudged you. Here, take this olive branch. I have to say, though...
Aerith, you won’t find a decent, kindhearted guy like this very often.
This one has my stamp of approval. I wish you both well!

ザックスは和解の印としてアイテムを受け取ります。英語ではこれを「Olive blanch」、オリーブの枝と表現しました。これは古代地中海に起源があり、旧約聖書のノアの箱船、または平和の使節が停戦の証として持って行ったことに由来します。国連の旗で地球を包んでいるのも、これと同じ意味のオリーブの枝です。何かトラブルがあってお詫びの品を持って行くときは、この表現を使うと意図を分かってくれるでしょう(賄賂だと思われないように!)。

もう一つの慣用句「Stamp of approval」も使い勝手が良い表現です。見定めた上で検印を押す、つまり「太鼓判を押す」「お墨付き」と同じ感覚ですね。

Zack:I’ll admit, things haven’t been normal at all lately.
   What about you, Aerith? How’s your life going?

Aerith:I was thinking it would be a normal day, but then suddenly... some guy fell out of the sky.

Zack:That’s not all that bad.

デートの終わりに、「普通じゃない」ソルジャーについてエアリスが不安を口にする場面。英語版だと、ここでザックスは“Actually, I’m with SOLDIER.”と言っています。「自分がソルジャーだ」と言い切らず、「ソルジャーの仲間だ」と少しずらした答えになっているのです。

この場面でも特殊な主語を使った“things haven’t been normal~”があります。特に説明が付いていない「The thing」「Things」は漠然とした物事を表していて、意味の重要性はあまりありません。翻訳するときは主語を省略することが多いです。エアリスの口調に合わせるなら「○○が~」の主語が余計に目立つので、「確かに、最近は全然普通じゃないな」と端的に取った方が良さそうです。

「You」「Thing」など見慣れた普通の単語も、時にはいつもと異なる使い方に出くわして意味の取り違えをしてしまうことがあります。訳してみて違和感を覚えたら、「普通じゃない」用法があるか、改めて確認してみましょう。


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