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『SEASON』滅び行く世界の記憶―自分だけのトラベルブックを描き残すナラティブADVを体験【Steam NEXTフェス】

世界最後のツーリングを。

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カナダを拠点とするインディーデベロッパー・Scavengers Studioの第2作目となる『SEASON -A letter to the future-』は、バンドデシネ風のアートスタイルが印象的なナラティブADVです。

自転車の旅、滅び行く世界と、現在明かされている情報は少なく、どのような旅になるかはまだ想像が付きません。このタイプのゲームの性質上、それはプレイしてのお楽しみということなのでしょう。スタジオ前作『Darwin project』では不本意な結果で終わっただけに、スタンドアローン作品でどのような評価を得られるのか注目です。Steam Next フェスで配信されるデモでは、旅の記録を付けるトラベルブックと道具を体験できます。

プレイ可能なステージは第3章、住んでいた村の友人達、母親との別れを済ませ、主人公の女性が旅立ちの朝を迎える場面です。パーティーの後がまだ片付けられていない広場、そのひとつひとつを、名残惜しみつつトラベルブックに記録していきます。

まず最初に、プレイヤーは昨晩の出来事を振り返ります。写真やスケッチなど、思い出の鍵となるものは「記念品」としてまとめられ、トラベルブックに貼り付けていきます。母親の写真、ぬいぐるみなど、昨晩話題に上ったものでしょうか。縮小拡大、回転は自由にできて、後から編集のやり直しも可能です。まずは適当に置いていきましょう。

一定の個数を配置すると、主人公がその場面を振り返るモノローグを語ります。すると、ページに配置できるものがさらにアンロックされ、言葉や装飾を加えたより要素の多いページにすることができます。記念品にもそれぞれ言葉が紐付けられて、具体的な思いと一緒に載せられます。スペースは限られているので、どの思い出をピックアップするか、プレイヤーによって千差万別のトラベルブックが作られていくのです。

記録のまとめ方が分かったところで、今度は「記念品」の収集に入ります。主人公はステージの中でスケッチや拾いもの、写真、音声を集めます。その中で特定のものを記録すると、1つのテーマに沿ったページが作られて、規定のオブジェクトを収集することでコンプリートします。デモ版では、村で謎の病気を治療する「フミオ医師」について調査します。

主に使える機材はレコーダーとカメラ。街中を歩いていると色々と気になるオブジェクトがあるので、ボタンを押して起動しましょう。本作のポイントは、レコーダーの音声は完全にプレイヤーに委ねられていること。多くのゲームでは予め用意されている音声ですが、『SEASON』では録音する位置、長さなどプレイヤーの操作がそのまま記録されます。地味ですが、プレイヤーは後から聴いたときに操作の感覚も一緒に思い出すので、結構大事な部分です。

カメラはスクエアのポラロイドで、ズーム、フォーカス、フィルターと一通りの機能は揃っています。簡単にスナップ的に撮るのもよし、凝った構図で美しく撮るもよし、プレイヤーのスタンスで違いが現れるところです。何を撮ったか他の人と比べてみるのも面白そうですね。ちょうど高台の広場からは朝日が昇るのが見られます。フレームに収めるといい雰囲気を醸し出します。

重要なものを撮影して「記念品」として登録されると、モノローグと共に世界の一端が徐々に明かされます。ステージ指定のものを揃えると、その場所にまつわる情報がまとめられ、トラベルブックに新たな記述が書き加えられます。

フミオ医師は「夢の病」「記憶超過症」「時間誤認症」という謎の病気を治療していたようで、村の外では大きな脅威になっているようです。昨晩の儀式を経て「母親の記憶が守ってくれる」という記述がまた不思議で、決して楽しい旅路にはならないでしょう。

ファロ村でやることを済ませたら、いよいよ旅立ちの時。友人が用意してくれた自転車に乗って、後戻りのない道を進んでいきましょう。L2、R2を交互に押すことで自転車をこぎ、加速することができます。下り坂の間は勢いが付いて、しばらくは風を感じながらスイスイと走っていきます。さあこれから次の街まで、というところで今回のデモは終了です。いずれ登り坂もあるでしょうから、その時は大変ですが一生懸命漕ぐことになるでしょう。

機能を一通り試す短いプロローグではありましたが、「未来への手紙」という副題の通り、これから失われるであろうもの、この先の未来に生きる人々に時々目を閉じて想いを馳せる。ゲーム的な遊びはあまり無いものの、短い文章から想像を膨らませられる人、焦らずに歩く時間を大切にできる人なら、スローな旅にきっと何かを見出だせると思います。

『SEASON -A letter to the future-』はPS5/PS4/PC向けに開発中です。



《Skollfang》

好奇心と探究心 Skollfang

ゲームの世界をもっと好きになる「おいしい一粒」をお届けします。

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