GrabTheGamesは、YOUR_MOM'S_HPとRavenJmが開発を手がけるカードバトル&ストラテジー『RUNGORE』のプロローグ版『RUNGORE: Beginner Experience』を配信中です。
本作は『Slay The Spire』と『Loop Hero』に大きく影響されて制作されたという作品。プレイヤーは個性豊かなヒーローを選んでダンジョンに挑み、入手したカードを駆使しながら戦っていきます。プロローグ版では、3人のヒーローで3つのステージへと挑むことが可能です。
本稿では、筆者が個人的にも期待している本作のプレイレポートをお届け。わかりやすく奥が深い、非常に魅力的な作品で製品版にも期待を持てる一作です!
ゴールを目指し駆け抜けろ!シンプルで奥の深いシステム
まずは、最初のプレイアブルキャラクターであるナイト・ガイを操作して、チュートリアルをプレイします。本作の目的はマップ内を進みながら現れるモンスターを倒しながらゴールを目指すこと。戦闘は基本的に自動で行われ、行動ゲージが溜まるとモンスターへと攻撃します。
また、プレイヤーは手持ちのカードを場に出すことで、キャラクターに任意の行動をすることができます。カードの種類は「敵を攻撃する」「装甲(追加体力)を獲得する」「相手をスタンさせる」「新しいカードを引く」など、攻撃や防御、特殊攻撃などさまざま。カードは消費制で、モンスターを倒したり道中のイベントで補充が可能です。
カードはゲーム中であればいつでも出せるのが特徴。手持ちに攻撃カードが複数枚あるならば、戦闘中に怒涛の連続攻撃を狙うこともできますし、次の敵が強敵だとわかっているならば装甲カードなどを先に出して強化しておくこともできます。ただし、先述の通りカードは使用すれば無くなり、補充のタイミングも決まっているため、敵の強さによってはカードを温存するのも重要です。
また、入手できるカードの中には、永続効果のある剣や鎧といった装備品もあります。装備品は攻撃に追加効果を与えるもの、攻撃ゲージの速度を上げるもの、キャラ特性を強化するものなど非常に有用です。しかし、装備品を選ぶことで使用できるカードが減ることにも繋がるため、状況に応じた取捨選択をしなければなりません。
もちろん、マップの最後にはボスが待ち受けています。ボスを倒せば「戦闘後少し体力回復」「バフ効果の時間延長」「カード入手数を一枚増やす」などの強力な効果を持つアーティファクトが獲得できます。ヒーローの特性や装備品、優先して選びたいカードの効果などとの組み合わせでどのようなビルドを作るのか、それが本作で生き残るためのコツです。
本作は基本的に体力を回復する手段が少ないため、いかに被害を少なくしながらカードを貯めていくかの判断が求められます。
ビルドの可能性は無限大!
体験版の本作では、チュートリアルで使用したバランス型の“ナイト・ガイ”、回避と毒で立ち回る“レンジャー・ガイ”、パワーは強力ながらデメリットのある“ロブ・ガイ”の3キャラクターを使用可能。レンジャー・ガイとロブ・ガイはゲームをプレイしてアンロックする必要があります。
ナイト・ガイは「戦闘後に体力を少し回復する」、レンジャー・ガイは「カードを使用すると1秒間回避効果を得る」という特性があります。ロブ・ガイはカードの能力は高い代わりに「カード使用後に疲労状態(手札に補充されない)になる」という特性があり、疲労カードの回復を考えたり、疲労カードの数に応じた特殊カードが使えたり、少しテクニカルなキャラクターです。
なお、キャラクターによって入手できるカードは異なります。回復能力のあるナイト・ガイであれば装甲を得るカードが多いなど、それぞれの特性に合わせた内容が多めです。カードの種類はかなり多いですが、戦闘後のカード獲得画面は時間制限がないので効果や数値を見てじっくり選びましょう。
マップ内では選択によって新たなカードを入手できたり、手持ちのカードに変化が起こるイベントも発生します。発生するイベントの種類はランダムですが、プロローグ版で試したところ「イベントで選んだ結果は変わらない」ので、プレイして内容を学ぶことでビルドにとても有利な結果を得られます。
例えば、イベントで得られる「カードの効果は落ちるが複数枚に分裂する」という内容は、レンジャー・ガイの「カードを出せば回避を得る」特性と好相性。アーチャーは攻撃よりも敵へ与える猛毒が強いキャラでもあるので、毒を与える装備やカードを中心に選び、相手が弱るのを待つのが非常に効果的でした。
もちろんカードやイベントはランダムなので毎回このビルドが作れるわけではないですが、きっちりと“ハマる”ビルドが見つかると嬉しいものですね。
プロローグ版でもやりごたえあり!本編では更に充実も
先述した通り、本作は2023年Q1発売予定の『RUNGORE』のプロローグ版。そのため遊べるキャラクターとステージも3つずつと少なめですが、遊べる機能に制限はなく、また、難易度も高いため結構なやりごたえがあります。
ステージ内で現れる敵もそれぞれの特性があり非常に個性豊か。「こちらがカードを使用すると強くなる」といった厄介な相手もいるため、相手に合わせた戦術を上手く考えなければ即死は免れません。なお、戦闘後のカード獲得画面で次に戦う敵のステータスや能力は確認できます。
なお、製品版では合計で15種類のキャラクターと15種類のステージが登場。ペットシステムやステージの分岐なども計画されているため、より深い戦闘や探索が行えるようです。ゲーム内の敵キャラでも攻撃ゲージの溜まりが遅いものの連続攻撃をしてくるタイプがいたりしたので、ヒーロー側でもそういったキャラクターが登場するかな、とも思います。
ゲームとしても間違いなく面白いのですが、さまざまな要素でも開発のセンスの良さが光ります。個人的に好きなのはチュートリアルクリア後に登場する「本物のチュートリアル」。このステージに入ると、これまでにこやかだった案内キャラクターがお前は新米ではないと警告し、非常に難しいステージを遊ばされることになるのです。
ここまで紹介してきた『RUNGORE: Beginner Experience』。あくまでプロローグ版ということで遊べるコンテンツ自体は少なめですが、シンプルでスピーディーな戦闘と戦略性の高さを両立したシステムと、個性豊かなカードやキャラを活かしたビルドを考える面白さは非常に魅力的です。
チュートリアルをプレイすればルールは覚えられ、あとはストレスなく色々とプレイヤーが試せるゲームデザインなのも好印象。ただし、日本語翻訳は一部の説明文などが少し分かりづらい部分もあります。ロブ・ガイなど特殊なシステムを持つキャラクターを遊ぶためにも、今後の改善を期待したいところではあります。
『RUNGORE: Beginner Experience』はSteamにて無料配信中。製品版である『RUNGORE』は2023年Q1リリース予定です。現在Kickstarterキャンペーンも実施中です。