Valve社よりアジア圏でも予約が開始された携帯ゲーミングPCハード「Steam Deck」。すでに予約を実施した方もいれば、予約しようか悩んでいる方もいることでしょう。そして最大の関心ごとと言えば、「このゲーム本当にSteam Deckでまともに遊べるのか」ということ。
そこで、本記事では連載企画としてSteamで販売されている最新の作品をSteam Deckで実際にプレイ、レビューを実施していきたいと思います。第2回のタイトルは『Marvel’s Spider-Man Remastered』。ハイクオリティな3D作品である本作はSteam Deckでも問題無く動作するのでしょうか、注目です。
『Marvel’s Spider-Man Remastered』とは
本作はPS4で2018年に発売されたものを、PS5版向けに再構築かつ追加要素も全て同封した上でPC向けにさらにチューンした作品です。プレイヤーはスパイダーマンであるピーター・パーカーを操作し、マーベル世界のニューヨークを縦横無尽に駆け巡り、犯罪や巨大な陰謀と対峙する作品となっています。ゲームは架空のニューヨークを自由自在に駆け巡ることが出来るオープンワールドゲームで、蜘蛛の糸をワイヤー代わりにビルや建物を飛び回る快感、そして超人的な身体能力を活かした格闘パートなど非常に壮大かつ爽快感のあるゲームといった仕上がり。PS4版では数々の賞を獲得している名作となっています。
3Dオープンワールドも何のその！ただバッテリーは…
まずは、各種難易度設定やOPムービーを経て実際にスパイダーマンを操作する場面へ。ここで非常に関心したのはムービーの美麗さです。PS5やハイスペックなPCよりは流石に劣りますが、PS4レベルのパフォーマンスは十分に出ています。FPSは60程度安定して出ているので、操作に違和感を受けることもありません。
また、イヤホンをしなくとも迫力ある音楽やSEが聞こえてくるのも大きなプラスポイント。気軽にスパイダーマンと一体となりマーベル世界に没入できる爽快感はSteam Deckでも十二分に味わえました。ロード時間も挟まないので、テンポが損なわれることもありません。
一方、マイナスな点もいくつか。比較的高難度な本作は、特にLRボタンを酷使するゲームです。ここで問題となるのはSteam DeckのLRボタンで、多少硬いため何度も押し込んだり連打したりすると、人指し指が疲れてしまうかもしれません。
それに加え、最大の問題はバッテリーでしょう。デフォルト設定だと1時間でおおよそ65%くらい消費します。本体の発熱も決して馬鹿にできないぐらいです。
更にバッテリー動作では、敵が多く出現するようなシーン等で処理速度の低下も見られたので、電源を取って遊ぶのがベストでしょう。具体的な仕組みはわかりませんでしたが、電源を取った状態で本作を遊んでいる場合は同様の場面でも画面のカクつきは発生しなかったので、バッテリーの電池が減っている状態だとSteam Deckは大きく処理能力が落ちるのかもしれません。
街の中でスパイダーマンになれる魅力
そういうわけで、バッテリーがないところで本作を遊ぶのにはかなり制限がかかります。1時間強遊べばまず間違いなくバッテリー切れを起こすことでしょう。とはいえ、ちょっとした隙間時間に遊ぶには丁度良いですし、あるいは家の中で何か作業をしている合間に少しずつ遊ぶ、というスタイルの方には非常に重宝すると思います。ゲームの動作的には何も問題無いので、ぜひSteam Deckを手に入れた暁にはSteam Deckの中に貴方だけのマーベル世界をインストールしてみてはいかがでしょうか。
