『ワイルドアームズ』精神的続編が電撃発表!シリーズ生みの親、金子彰史氏の『ARMED FANTASIA』制作決め手は「ダブルキックスターター」【インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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『ワイルドアームズ』精神的続編が電撃発表!シリーズ生みの親、金子彰史氏の『ARMED FANTASIA』制作決め手は「ダブルキックスターター」【インタビュー】

『ワイルドアームズ』シリーズと『シャドウハーツ』シリーズを手掛けた各クリエイターチームが、自分たちの過去作品から着想を得た2つの新作大型JRPGの制作を目指して資金調達を行う、「ダブルキックスターター」キャンペーンが8月30日から開始します。

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8月27日、『ワイルドアームズ』シリーズと『シャドウハーツ』シリーズを手掛けた各クリエイターチームが、自分たちの過去作品から着想を得た2つの新作大型JRPGの制作を目指してクラウドファンディングによる資金調達を行う、「ダブルキックスターター」キャンペーンが8月30日から開始することが発表されました。

その新作タイトルの1つで、『ワイルドアームズ』シリーズに強い影響を受けた『ARMED FANTASIA(アームドファンタジア)』について、『ワイルドアームズ』シリーズの生みの親にして、『ARMED FANTASIA』でもトータルゲームデザイン・シナリオを手掛ける、金子彰史氏に、同作についてのお話を訊きました。

金子彰史氏インタビュー「あの頃」に自分たちが作ってきた、そして遊んできたようなRPGをもう一度やりたい

――今まで知られたシリーズそのものではなく、“精神的続編”として制作することとなった『ARMED FANTASIA』の開発経緯を教えてください。

金子彰史(以下、金子):今回、Kickstarterをご一緒する『PENNY BLOOD(ペニーブラッド)』のクリエイターである町田松三さんとのやり取りの中で、「あの頃」に自分たちが作ってきた、そして遊んできたようなRPGをもう一度やりたいねと話したのがきっかけです。

自分たちが求めているのであれば、日本国内はもちろん、海外でもそう望んでいる方々はきっと多いと確信していました。

――あくまで一般的なJRPGスタイルでの新作を出すと決めたのは、日本市場でのニーズの高さを確信しているからでしょうか?複雑化するゲームシステムや高精細なグラフィックなどのゲームを苦手とする往年のゲームファンへの訴求も考えているからでしょうか?

金子:一般的にゲームパブリッシャーが手掛ける案件であれば、マーケティングからスタートし、幅広いニーズや市場を視野に入れてジャンルやシステムを決めていくのが普通ですが、今回はKickstarter案件です。ファンのみんなと一緒に動かすプロジェクトです。

他人の目を気にした企業っぽい理屈をこねる前に、自分たちが好きなもの、やりたい事を中心にして考えた結果、90年代のJRPGスタイルでアプローチとなりました。

――ゲーム全体の規模としてはどの程度(どの世代のゲーム的なもの)を予定しているのでしょうか?

金子:ゲーム全体の規模は……どうでしょう?(笑)あくまでも現時点での想定の話ですが、『ARMED FANTASIA』は、『ワイルドアームズ』1作目くらいの物量を構想していますが……

規模とはつまり、開発資金と同義なので、描いた夢をどこまで現実に落とし込めるかは、Kickstarterの結果次第です。むしろ、私が知りたいです(笑)。

――従来、『ワイルドアームズ』シリーズを好きだったファン層に向けて、この“精神的続編”で「どこを変えてどこを変えないのか」を教えてください。

金子:これまでの『ワイルドアームズ』シリーズには、トニーというキャラクターが物語の幕開けを担うとか、やり込んだプレイヤーが最後に挑戦するラギュ・オ・ラギュラという隠しボスあるとか、あちこちに数々のルールやお約束が溢れているのですが……

今作『ARMED FANTASIA』には、そういったルールやお約束の引継ぎはありません。9つの並行世界をはじめ、描き切ってない設定を『ARMED FANTASIA』で完結するような事もありません。そもそも舞台が、『ワイルドアームズ』シリーズの世界であるファルガイアではありませんから、当然、過去作のキャラクターがゲスト出演するなんて事もありません。

これまでずっと支えてきてくれたファンの中には、がっかりされる方がいるかもしれませんが、新しく設定された荒野の、新しい物語を楽しんでいただけたらと思います。

変わらないのは、金子のマインドというか、作り手としての心意気でしょうか。90年代のJRPGスタイルというのがまさにその象徴だと思います。

――それでは逆に、“精神的続編”といった建付けを抜きにして、今作に触れるはずの新たなゲーマーに向けた、あくまで新作である今作の魅力と、どの程度ゲームに習熟したユーザーを対象としているかを教えてください。

金子:精神的続編を謳っているとはいえ、今作『ARMED FANTASIA』は『ワイルドアームズ』とは別物なので、過去のシリーズを知らないと手が出せないという事は一切ありません。そこはハードルが低くなっています。

ただ、バトルもダンジョンも仕掛けを豊富にしたいと考えているので、その辺りは、オートバトルや放置プレイが好まれるような時流に反していると思います。物語もムービーで誘導するのではなく、自分で切り開いていかないと進行しません。

指先のテクニックを必要としない難易度にしたいと考えていますが、最低限、壁を乗り越えた時の「達成感」は大事にしたいとお伝えしておきます。

――かつての『ワイルドアームズ』シリーズでは、キャラ固有のアクションを使った謎解きが目玉でした。本作では広大なワールドマップを採用したことで、同様の謎解きなどがより複雑化したりしているのでしょうか?

金子:過去作を超えるような複雑さや難しさにはならないと思います。というのも……普段遊ぶゲームはだいたいアクションゲームでして、複雑な思考を必要とする謎解き系は実は苦手なんです。

実際の仕様は、これからスタッフたちと作っていくと思いますが、ぜひ、手心を加えた難易度にしていただきたいと、個人的にも希望しています。

――キャラクターごとに設定された「ガジェット」と呼ばれるアクションアイテムは、ゲーム内でどれくらい用意されており、キャラによって付け替えが可能なのでしょうか?必要なガジェットがないとダンジョンクリアが難しくなりますか?

金子:ガジェットはアクションアイテムであり、謎を解くカギでもあります。つまり、必要なガジェットがひとつも欠けたら、クリアが難しくなるどころか間違いなく詰みになります。全てのガジェットはキャラ固有のものであり、付け替える事は出来ない予定です。

ガジェットの数は、せめて1人のキャラクターに対して複数持たせたいと考えていますが、ここも確保できる開発費によって大きく変わるので、正式な返答は控えさせてください。

――バトルで編成できるパーティーは最大何人でしょうか?同一のターゲットに連続的に攻撃を行うことで、威力や効果を高める緻密な戦術「オーダーチェイン」に関して、こちらは敵が苦手とする特定の属性や武器種を重ね合わせることなどでダメージがさらに上昇していく仕掛けですか?

金子:キャラクター3人を基本編成としていますが、それ以上のキャラクターが支援攻撃や連携攻撃にて参戦する予定です。

こういったシステムは、ゲームの進行に合わせて徐々に解放していきますので、最終的には、何らかの形でフルメンバーがバトルに関与すると思います。

もちろんオーダーチェインだけでなく、弱点属性をついたり、有効な攻撃手段を選択したりする事でダメージアップが見込まれるのですが……敵もオーダーチェインを仕掛けてきますので、そこは注意が必要となるところです。

――素早く反応する事でリアルタイムに行動順を無視した割り込み攻撃をする「フォースブレイク」ついてお聞きしたいのですが、元々の行動順は素早さなどのステータスで確定するのか、完全にプレイヤーの任意で決定し、さらにバトル中にプレイヤーの任意で割り込めるということですか?

金子:同ターン内の行動順は、敵味方に備わった素早さのパラメーター「反応」の数値を基準に算出されます。プレイヤーの任意で順番を決めるものではありません。

対してフォースブレイクは、必要なゲージさえあれば、

  • 敵全体を対象とした攻撃を相手が動き出す前に繰り出す

  • 相手のオーダーチェインを阻害するよう割り込みを仕掛る

  • ターンの終わり間際に、味方の失ったHPの回復に用いる

など、活用次第では戦術の幅が大きく広がるシステムです。

フォースゲージはリアルタイムで増減するので、選択したコマンドのアクションをただ眺めるだけでない、緊張感のあるバトルを目指しています。

――今回、久しぶりにゲーム開発の陣頭に立つ決め手について「ダブルキックスターター」だとコメントしていますが、具体的にその仕組みに、どのような可能性を感じたのでしょうか?

金子:単独でのKickstarterでは話題を集めにくいタイトルであっても、タッグを組んだもうひとつのタイトル次第では、バッカーさんの関心をより高める可能性があります。

また、単独でも注目を集めるようなタイトルであっても、ダブルのコラボであればより相乗的に効果を高める事も期待できそうです。

様々な要因・理由で世に出しにくいタイトルや、知る人ぞ知るような、いぶし銀のタイトルなども、集金次第ではリブートできるかもしれない可能性があるのが「ダブルキックスターター」の魅力なので、今回のプロジェクトを成功させて、未来に繋がっていければと願っています。

余談となりますが、『PENNY BLOOD』のクリエイターである町田さんと意見交換(という名の雑談)をするのも楽しく、良い刺激になっています。こういうのもダブルキックスターターの魅力かもしれません。

――Kickstarterは現代のAAA~AA級タイトルの開発費を完全に賄える力を発揮できる例は少ないと現在では知られています。具体的にこのキャンペーンの後、どのようにして開発を続け、ゲームを形にしていく予定なのでしょうか?もしくは、すでにパブリッシャーなどの交渉も進んでいるのでしょうか?

金子:すでにパブリッシャーさんと交渉しているならば、今どき、ターンベースのコマンドバトルなんて構想できなかったと思います。「お金は出すから意見も出させろ。バトルにアクション要素を加えろ」と言われるんじゃないかと。(笑)

マーケティングを意識せず、自分たちのやりたいものをやりきって、それを求めている方々に送り届けたいからこそのKickstarterなんです。

とはいえ、これに回答しているのはKickstarterが始まる前なので、今後の開発がどのように進んでいくのかは全くの未定、未知数です。

もしかしたら、目標金額に達することなくプロジェクトが頓挫する事も想定しているくらいです。

これからの事は、何もかもKickstarterの結果次第です。

――最後に、読者へのメッセージを頂けますでしょうか?

金子:こんにちは。『ARMED FANTASIA』のトータルゲームデザインとシナリオを担当している金子です。ここしばらくテレビアニメのフィールドをメインの仕事場にしていましたが、久しぶりにゲームの開発現場に舞い戻ってきました。

これに回答しているのがKickstarter開始の数日前。まさに、嵐の前の静けさ……と言いたいところですが、実は、世界中のたくさんのメディアからこんな感じのインタビューを受けている最中でして、想像以上に目まぐるしい状況となっています。

つまりそれだけ、世界中が『ARMED FANTASIA』に注目している事じゃないかと。

その期待に応えるべく、全てのスタッフが命と魂を削って頑張っていますので、何卒、キックスターターへのご支援をよろしくお願いいたします。Kickstarterを一緒に楽しみましょう!


『ARMED FANTASIA』は、ARMと呼ばれる機械兵器を手にした冒険者たちが、荒野に蝕まれていく世界を舞台にドラマチックな冒険活劇を繰り広げるウェスタンパンクRPG。

『ワイルドアームズ』シリーズの生みの親にして、トータルゲームデザイン・シナリオの金子彰史氏をはじめ、キャラクターデザインの佐々木知美氏、作曲家のなるけみちこ氏と上松範康氏、音楽制作チームElements Gardenら、これまで『ワイルドアームズ』シリーズの開発に参加してきたスタッフが再集結し、新たな世界と物語を描き出します。

機械兵器ARMが存在するウェスタンパンクRPG『ARMED FANTASIA』

本作の世界観は、西部劇を思わせる乾いた荒野の中に魔法やモンスター、すでに遺失した文明等が存在する、ウェスタンパンクと呼ばれるジャンル。

中でも大きな特徴が、ARM(Aether Reaction Maximizer)と呼ばれる機械兵器が存在すること。使用者の魔力(エーテル)に反応、そして増幅することで大きな力と変えるこの兵器は、過酷で危険な荒野を生きていくために不可欠であり、そこに秘められた謎は、重要なファクターとしてゲーム本編に関わってきます。

プレイヤーは、ARMを携え荒野を行き交う冒険者となって、秘密と刺激に満ちた物語へと飛び込んでいきます。

物語の舞台は、進行する荒野化現象と頻発するカイジュウ災害に脅かされている明日無き大地――ロンデニアム。

祖父を失くした17歳の少年イングラムは、各地を放浪し、自分の腕を頼りに生きていく流浪の冒険者「渡り鳥」になる事を決意。再会した幼馴染と、かつて交わした小さな約束を胸に故郷を旅立ちます。

本作では広大なワールドマップを採用。フィールドではダッシュやジャンプといったアクションや謎解きを体験することができます。冒険の舞台は陸地だけに留まらず、乗り物を使って海や空にも広がっており、JRPGならではとなる壮大な冒険心を満たしてくれます。

そして、ダンジョンの探索でポイントとなるのが、キャラクターごとに設定された「ガジェット」と呼ばれるアクションアイテム。行く手を阻む仕掛けに合わせてガジェットを切り替え、知恵と指先のテクニックで困難を乗り越えることで、大きな達成感を味わえます。

バトルシステムは、「クロスオーダータクティクス」と名付けられたターンベースのコマンドバトル。

同一のターゲットに連続的に攻撃を行うことで、威力や効果を高める緻密な戦術「オーダーチェイン」と、タイミングを見つつ、素早く反応する事でリアルタイムに行動順を無視した割り込み攻撃をする「フォースブレイク」。この2つの基本コンセプトが、バトルに奥深さと緊張感をもたらします。

ゲームの詳細やさらなる画面写真についてはこちらの記事も合わせご覧ください。

「ダブルキックスターター」キャンペーン(8月30日開始予定)
《乃木章》

現場に足を運びたい 乃木章

フリーランスのライター・カメラマン。アニメ・ゲームを中心に、親和性のあるコスプレやロリータ・ファッションまで取材。主に中国市場を中心に取り上げています。

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