プロシージャル生成で運命が変わる『Road 96』5周プレイして違いを比較してみた【プレイレポ】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

プロシージャル生成で運命が変わる『Road 96』5周プレイして違いを比較してみた【プレイレポ】

プレイする度に展開が異なる意欲的ADV……新たにリリースされたPS/Xbox版のプレイレポートをお届けします。

連載・特集 プレイレポート
プロシージャル生成で運命が変わる『Road 96』5周プレイして違いを比較してみた【プレイレポ】
  • プロシージャル生成で運命が変わる『Road 96』5周プレイして違いを比較してみた【プレイレポ】
  • プロシージャル生成で運命が変わる『Road 96』5周プレイして違いを比較してみた【プレイレポ】
  • プロシージャル生成で運命が変わる『Road 96』5周プレイして違いを比較してみた【プレイレポ】
  • プロシージャル生成で運命が変わる『Road 96』5周プレイして違いを比較してみた【プレイレポ】
  • プロシージャル生成で運命が変わる『Road 96』5周プレイして違いを比較してみた【プレイレポ】
  • プロシージャル生成で運命が変わる『Road 96』5周プレイして違いを比較してみた【プレイレポ】
  • プロシージャル生成で運命が変わる『Road 96』5周プレイして違いを比較してみた【プレイレポ】
  • プロシージャル生成で運命が変わる『Road 96』5周プレイして違いを比較してみた【プレイレポ】

2022年6月16日に、Koch MediaよりPS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S版が発売されたロードトリップアドベンチャーゲーム『Road 96』。

本作は、独裁主義国家“ペトリア”からの国外脱出を目指し国境へ旅立つ少年少女の視点で物語が描かれ、政治やペトリアで過ごすさまざまな人々との出会いが描かれます。少年少女たちは行方不明者としてポスターやテレビ放送で指名手配されており、国境までの道のりは簡単ではありません。

本作の特徴的な要素として、プロシージャル生成による毎回異なる展開が挙げられます。プロシージャル生成とは予め用意されたアセットやデータ、アルゴリズムが動的に変化する仕組みのことで、『Road 96』ではプレイヤーの選択によってあらゆる展開に分岐し、プレイごとに異なったストーリーが紡がれます。

詳しいゲーム内容は爆速プレイレポ開発者インタビューを見ていただくとして、本稿では「プロシージャル生成」によってどこまで内容が変化するのか?という点にフォーカスしたプレイレポをお届け。何かしらの結末に至るまで5周分プレイし、それぞれを比較します。

なお、物語の核心に触れる内容は極力避けていますが、本作で遭遇できるイベントの内容に触れているため、ネタバレを気にされる方はご注意ください。

1周目

ガソリンスタンドに向かって道路を歩くシーンから始まります。近くにはヒッチハイクをしている同じ境遇の少年が。ガソリンスタンドのオーナーに話しかけますが、行方不明者ポスターに貼られた顔を見て主人公を脅します。警察に通報されないために、ガソリンスタンドバイトをすることになりました。

バイト中に出会ったのは、警官のファニーという人物。彼女と話していると別の警官がやってきて、少年を連れ去ってしまいました。主人公もファニーに連行されると思いきや、解放してくれました。彼女はどうやら他の警官とは違うようです。

ファニーの車に乗ったあと、進んだ先で強盗兄弟のスタンとミッチに遭遇。バイクのサイドカーに乗せてもらい、つかの間のぶっ飛びバイク旅。「ソーニャ」というテレビ番組キャスターの女性を狙ってる暗殺者を追いかけるという一幕もありましたが、結局捕まえられず、その正体は謎のままでした。

着いた先は、トレーラーハウスが立ち並ぶ星空キャンプ場。そこで、オーナーにスリの疑いをかけられた少女「ゾーイ」と出会います。彼女を助けると、焚き火の前で一晩一緒に過ごすことに。彼女もペトリアから逃げ出すために家出をしたとのこと。公務員の父親はすぐ戻ってくると思っているようですが、ゾーイは二度と戻る気は無いようです。

仲が深まった後、深夜に彼女が持っていたラッパを吹いて遊んでいたらオーナーに怒鳴られ、追い出されてしまいました。同時にゾーイともお別れです。

キャンプ場を出た後、トラック運転手のジョンに出会います。ジョンは過去に国境で起きた岩崩れ事故によって妻を亡くしており、自身も数本の指を失いました。

荷物を運搬するジョンはとても眠たい様子で、度々居眠り運転をしかけます。「一旦車を止めよう」と提案しても、大事な荷物があると言って聞きません。そこで主人公は、高麗人参・キュウリ・コーヒー豆をシェイクして作るジョン特製の「OMEN精力剤」を使って目を醒まします。この精力剤はアビリティとして覚えることができ、体力を回復できます。

そんなこんなで長距離載せてもらった主人公は無事国境にたどり着き、ペトリアから脱出できました。

2周目

2周目はTV番組に映された3人のうちから選んだ1人が主人公となります。今回は1周目でキャンプ場にて出会ったゾーイと旅の最初に出会いました。彼女はヒッチハイクをしており、捕まった車で一緒に移動することに。

車の中では、ゾーイの音楽を聞きながらコネクトフォー(4並べゲーム)で対戦したり、政治について議論しあう夫婦から、主人公やゾーイにも意見が振られたりしました。その中では、「若者が国を変える」という印象的なセリフも飛び出します。

ゾーイの父親は、大きな家に住んで私立学校に通うことが娘にとっての幸せだと考えているようですが、ゾーイ本人はそうは思っていませんでした。ネタバレになるので詳しくは伏せますが、彼女の父親に関する重大な秘密を教えてくれ、1周目よりも仲が深まりました。

しかしその後、警察による検問に遭遇。怪しまれたゾーイは抵抗しましたが、警察に捕まってしまいました。ここで「助ける」という選択肢を選んだものの、警察に反撃され主人公は気絶し、そのまま逮捕。助けようとしたばかりに、苦い結末になってしまいました。

3周目

今回は盗んだ車で旅に出ることになり、開始時点で「アレックス」という少年が同乗しています。彼は自作のコンピューターでゲームを作り、それを販売しているという驚きの天才少年。主人公は、赤い戦車を倒すことが目的の新作『怒り戦車』をプレイさせてもらいます。

この『怒り戦車』に「プレイヤーが弾を拾う必要がある仕組みにしてほしい」「弾が跳ね返るようにして欲しい」といった要望を出せば、アレックスはその通りにゲームを修正してくれます。コンピューター技術は親に教わったの?と尋ねると、アレックスは暗い表情に。彼の両親は、1周目で出会ったトラック運転手・ジョンも被害に遭っていた岩崩れ事故で亡くなっていたようです。

アレックスと別れて道端にあるバーに向かうと、いきなりアルバイトを任されます。次々にお客が注文してくるため、てんやわんやです。そこでお客の一人である「ジャロッド」がカクテルを注文してきました。しかし意図的なのかローカライズのミスなのか、材料が1つ足りなかったため、それっぽいものを適当に選んでお出ししたら、「まずい、最悪だな!」と言いつつ飲み干されてしまいました。翻訳の品質にバラつきがあるため、こういったテキストで意図がつかめないのは惜しいところです。

酔ったジャロッドは自分の過去について語り出しました。ジャロッドには娘がいましたが、岩崩れ事故によって亡くしているそう。やはりこの「岩崩れ事故」が、本作の物語の中心にあることが分かります。

その後国境にたどり着いた主人公は、断崖絶壁を伝い、ペトリアの脱出に成功。今回は難なく進みましたが、体力が少なかったり運が悪かったりすると道半ばで失敗してしまうようです。

4周目

今度はガソリンスタンドに向かって進んでいるところで、ゾーイに出会いました。ゾーイは警察のトラックに拘束されており、主人公に助けを求めてきます。警察はガソリンスタンドで休憩中……こっそり通りたいところでしたが、なかなか隙を見せません。そこで、小屋で見つけた電柱の鍵を使ってブレーカーを落とすことに。騒ぎを起こしている最中に鍵をゲットして、ゾーイを救出……! と思いきや、2人とも捕まってしまいました。

しかし、岩崩れを引き起こした黒い旅団が警察を襲い、主人公とゾーイは逃げ出すことができました。黒い旅団のメンバーには、ジョンも含まれていました。

道を歩いていると、TV番組の司会を務めるソーニャに遭遇。いきなりカメラマンを任されます。現大統領を持ち上げるためのやらせ取材でしたが、今回は反体制という設定でプレイしたため、指示に反し選挙候補のフローレス議員を持ち上げることに。

突然フローレス派も割り込んできて現場は大混乱。警察がフローレス派を執拗に殴りつける様子もカメラに収めました。

ヒッチハイクでファニーの車に乗せてもらいました。とはいえファニーは警官であるため、主人公を元のところに帰そうとしますが、主人公は抵抗します。

すると突然事故に遭い、車は転倒。なんとか這い出し、気絶したファニーを倒してその場を去りました。

国境にたどり着いた主人公は、自身を国外労働者として身分を偽り、テストを受験。そこでは国外労働者になるための厳しい条件や、「給料の大半は国に納めること」というあり得ないルールが伝えられました。しかし試験に合格した主人公は、脱出に成功。また、1周目よりも国境の警備が厳重になっていました。

5周目

今回は強盗兄弟のスタンとミッチが、まさに犯行を行う現場に遭遇。主人公も同行し、無人の店に潜入します。主人公は監視カメラの映像を見て指示を出すことに。

すると、警備会社から電話が。うまくそれっぽい返事を答えて回避したかと思われましたが、結局警備員がやってきたため急いで逃げ出しました。

次にソーニャと同行しながら、大勢のセレブが出席するパーティに参加。ギャンブルに勝ち、とても家出少年とは思えないほどがっぽり儲けることができました。ソーニャが何か飲みたいというので飲み物を取りに行きましたが……戻ると、彼女の姿は消えていました。

複数のヒッチハイクを経て国境にたどり着くと、そこにはなんとゾーイの姿が。ここまでの周回で何度も彼女の姿を見てきましたが、今回ではついにペトリア脱出目前であるようです。

彼女と共に岩場や滝を歩き、国境を目の前にした洞窟で一晩焚き火をして過ごすことに。こうしていると、1周目で出会ったときのことを思い出します。そこで彼女は、非常に重要な事実を話してくれました。


5周プレイした結果、出会う人物や起こるイベントなど、選択によって毎回異なる体験を味わうことができました。ストアページや文章だけではいまいちプレイ体験が掴みづらいところがありますが、プロシージャル生成によって作り出される体験は本作ならではの特別なものと言えますし、シナリオを通して、政治や選挙、それに対する人々の態度を若者の視点から描いているのはユニークです。

『Road 96』は、PC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com/Microsoft Store)/PS4・PS5/Xbox One・Xbox Series X|S/ニンテンドースイッチ向けに配信中です。


Road 96 (Nintendo Switch)
¥6,737
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

ROAD 96
¥2,980
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《みお》

超雑食の若年ゲーマー みお

2021年3月よりフリーでゲームライターをしています。現在はGame*SparkとIGN JAPANで活動し、稀にINSIDEにてニュース記事を執筆しています。お仕事募集中。ゲームの趣味は雑食で、気になったものはクラシックゲームから新しいゲームまで何でも手を出します。主食はシューター、ADV、任天堂作品など。ジャンルやフランチャイズの歴史を辿るのも好きです。ゲーム以外では日本語のロックやアメコミ映画・コメディ映画、髪の長いお兄さんが好きです。

+ 続きを読む
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top