最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。私もプレイするまで正体が掴み切れず泣いています。そこで“なるべく早く”をモットーに、ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」。
今回はLEAP Game Studiosが開発を、HypeTrain Digitalがパブリッシャーを担い、2021年11月02日よりPC(Windows)向けにはSteamストア/Epic Games ストアにて、コンシューマ向けにはPS4(国外)/Xbox Series X|S/Xbox One/ニンテンドースイッチにてリリースしたローグライクACT『Tunche』について生の内容をお届けしたいと思います。
『Tunche』とは?
本作は、アマゾンの奥に潜む邪悪な存在「Tunche(トゥンチェ)」を探す5人組がジャングルをかき分け進んでいくローグライクACTゲーム。トゥンチェとはペルーの民話に登場する森の悪魔のことです。ゲーム本編においても、森の動物たちを狂暴化させている悪の存在として登場します。
本作はアニメ調グラフィックによる可愛いデザインに反して、敵は意外と手強くスピーディで激しい戦闘が展開が持ち味。死亡ペナルティも重すぎずキャラ性能を強化しやすいので、なかなか骨太なプレイ体験を提供してくれます。早速紹介してまいりましょう。
操作・設定・言語
操作系はキーボード&マウスならびにコントローラーに対応。様々なプラットフォームで展開しているため、ゲーム内オプションのキーコンフィグ画面には各ハードのコントローラーの図解が並ぶのが少し面白いですね。今回筆者はPC版をXbox Oneコントローラーでプレイしています。グラフィック関連の設定もリフレッシュレート含め細かく調整可能ですが、個人的に設定による大きな違いはそこまで感じませんでした。また言語設定は日本語にも対応。台詞からインターフェースに至るまで丁寧な翻訳がなされています。
各キャラクター紹介
タイトルからゲームを開始すると、夜空の下、焚火を囲む5人が中央に映ります。ここはキャンプと呼ばれ、ゲーム内における拠点、今後何度もお世話になる場所です。開始直後はまだ何もありませんが、ゲームを進めて最初のボスを倒すころには一通りのショップ(?)が建ち並ぶようになります。これについてはまた後ほど。
操作キャラクターである各主人公たちを紹介しましょう。左端から順に、魔法使いのルミ、鳥人間のカルー、ミュージシャンのパンチョ、戦士のナイラ、そして魔法使いのハットキッド。彼らは、それぞれ戦闘能力が少しずつ異なるので、まずは全員を試して自分の手に馴染む操作感のキャラを選ぶと良いでしょう。
魔法使いのルミ。オーソドックスな戦闘スタイルなので、まずはこのキャラで動きの勘所を掴むと良いかもしれません。
鳥人間のカルー。腕の先が鳥の羽になっている少年。見かけ通りスピーディで直線的な通常攻撃ですが、スキルを伸ばすと周囲を巻き込む回転攻撃ができたりと多彩。
ミュージシャンのパンチョ。初見で一人称がオイラでカレーが好きとか訳の分からないことが脳裏によぎりました。パワータイプで遠距離攻撃の出が異様に早い。
戦士のナイラ。個人的ベストヒットキャラ。槍による攻撃は前後の敵を巻き込むので囲まれても安心。妙にセクシー。
ハットキッドは『A Hat In Time』からのゲスト参戦。近接攻撃は遅い分、遠距離の魔法攻撃でカバー。待機モーションのダンスが滅茶苦茶可愛いので一見の価値あり。
ジャングルへ行こう
マップ
ステージは全部で4つ、各ステージは10のマップから成る本作。基本的な進行は、キャラクターが左から右へ移動する横スクロール型2Dアクションで、画面に「!」マークが表示され雑魚敵が現れると戦闘開始。各マップに登場する雑魚敵は数と種類がランダムなので、前回のプレイにおいて最後の方のマップで見かけた相手が、今回は序盤で突然現れ牙をむくこともあります。
戦闘:雑魚敵
キャラクターは基本的に近接・遠距離攻撃の2種類に、ジャンプと回避行動を組み合わせて戦います。使い勝手など性能がやや異なるものの、明らかに劣っているキャラもいないので、やはり自分のプレイスタイルに合ったキャラをまず見つけると良いでしょう。
注意点として、本作は基本的に横スクロール2Dアクションですが、そこに「奥行き」も存在しています。敵との軸を合わせ損ねて攻撃が空振り!なんてこともあれば、予想外の方向からダメージ!なんてこともあります。
コンボ
敵は主人公に向かってそれぞれの移動速度で接近してきます。そのため敵の数が多いマップでは、画面情報の忙しさに気を取られるうちに一発貰って地味に息を引き取るなんてこともしばしば。この対策は簡単で、敵を浮かせて空中コンボを繋ぎつつ適宜回避モーションを入れましょう。そうやって敵の少ない場所への位置取りをしながら、常に少数を相手取る戦法がお勧めです。
コンボと言えば、ある程度攻撃を繋いでいくと画面左端にHIT数とスタイリッシュランクが表示されます。どこぞのデビルハンターよろしくDからSSSまでランク分けがされており、多彩な攻撃コンボを繋ぐほど高ランクになります。その分報酬アイテムもたっぷりなので、是非とも高ランクを維持していきたいところですね。
ただし序盤はAランクと少し上に到達するのがせいぜいで、コンボを繋ごうにも敵が先に力尽きてしまうためSSSはかなり難しい……。実績解除の項目にも並ぶくらいですから、なかなかのテクニックが要求されそうです。
戦闘:ボス
ボスとの戦闘は、前述の雑魚敵とは違いゴリ押しが通じません。相手の攻撃によるダメージは重く、吹っ飛ばし効果があったりもするので、基本的には相手の攻撃タイミングを読むことが大切になります。またボスには体力ゲージ以外にガードゲージが設定されており、これを削り切ってから攻撃を当てないと、体力を減らすことができません。
しかもこのガードゲージ、一度ゼロになると時間経過でまた満タンにまで回復するため、本体を倒すためには何度かガードゲージを削る作業が要求されます。ここらへん、遠距離攻撃でちまちま削りつつ隙を突いて近接攻撃を叩き込むヒット&アウェイが良いかもしれませんね。
大変だった部分を挙げるならば、キャンプから再スタートの度にもう一度ボスを倒さなければならないという点でしょうか……!
報酬
マップ内にいるすべての雑魚敵を倒すと、画面中央から花が咲き乱れ「マップ報酬」が表示されます。ボスの場合はその亡骸の上に現れます。
黄金のかけら、シャード、エッセンス、スピリチュアルコアといった報酬があり、それぞれアイテム購入、アイテム強化、スキル習得、ジャングル探索中のパッシブ効果発動など役割があります。
マップ報酬はこれらのうち1つがランダムで割り当てられていますが、ステージ後半になるとマップの行先を選択する場面が増えるので、ある程度は自分の狙い通りな報酬を受け取ることも出来ます。
なかにはキャラクターストーリーを確認できるアイテムが落ちていることも。
なおゲームオーバーになったら、黄金のかけらとスピリチュアルコアが失われますが、スキル習得に不可欠なエッセンスは各キャラごとに持ち越しなので、そこまでデスペナルティが厳しい印象は受けませんでした。
もちろん戦闘で倒した雑魚敵が直接ドロップすることもあります(コアを除く)。
ショップ
ステージの道中では特殊なNPCとの出会いもあり。なかでもショップ(?)を開いてくれるNPCは、その後キャンプでも利用可能になる場合があるので、積極的に利用すると良いでしょう。特に画像のオギは、道中で回復用ポーションを売ってくれるのでまさにジャングルの命綱。
他にもコアの効果を高めてくれたり、道中に回復の泉を設置してくれたりと、個人的には大変お世話になったキャラでした。
こちらはチャレンジ部屋のレオ。彼のところで黄金のかけらを支払いチャレンジをクリアすると、報酬としてアイテムなどが貰えます。ただしチャレンジ中に受けたダメージはそのまま持ち越しかつ、ゲームオーバーになるとキャンプへ強制送還なので、ハイリスクハイリターンを狙うかどうか悩みどころです。
他にもキャンプでは、このようにエッセンス(経験値)を支払ってスキルを習得することが可能です。要求されるエッセンスの数が多いと思うかもしれませんが、何週か遊んでいるうちに意外と手元に貯まっていたりするのでそこまでストレスには感じませんでした。
この攻撃力と体力増強のスキルは是非とも先に取得したいところ。
また収集要素として、敵を倒して臓器を手に入れたり、特定の条件を達成するとアンロックされる情報図鑑も利用できます。
ローカル複数人プレイ(ただし今回は独り)
本作の特徴的な機能として、複数人でのローカルプレイが楽しめます。キャンプ画面で選択すると最大3人まで遊べます。是非ともお友達を招いてみんなでわいわいプレイすると良いでしょう。
ただし筆者の場合は今回の執筆に当たり一人でやってます……右手でコントローラを、左手でキーボード……。無理やりステージを進めましたが、片方の操作中にもう一方が棒たちのまま息を引き取ってしまい、もの凄く手こずりました。とはいえ、敵がそれぞれの主人公を狙いに行くため、一人だけが囲まれるという状況は回避しやすいかもしれません。むしろそれを利用して片方を囮に自分は上手く立ち回るとか……いえ、やっぱり一人だと意味が無いですねこれ!
おわりに
可愛らしい見た目に反して戦闘は激しく、それでいて理不尽は殆ど無いため遊びやすい難易度にバランスがとれている本作。リトライがやり易くペナルティが少ないというのも、ストレスフリーで遊べる良いポイントでした。週末のお供にひとつどうでしょうか。
対応機種:PC(Windows)/PS4(国外)/Xbox Series X|S/Xbox One/ニンテンドースイッチ
記事におけるプレイ機種:PC(Windows)
発売日:2021年11月02日
記事執筆時の著者プレイ時間:4時間
価格:通常価格 2,050円、セール価格 1,742円(21年11月10日まで)