Blizzard Entertainmentが開発・提供しているデジタルカードゲーム『ハースストーン』。2020年9月9日から期間限定イベント「禁断の書庫」が開催され、3週間にわたり新しいコンテンツが次々と開放中です。第2週には一人用の新アドベンチャーモード「ハースストーン・英雄の書」ジェイナの章が実装されました。
今回、Game*Sparkは「ハースストーン」チームのシニアナラティブデザイナー Valerie Chu氏へ、独占となるテキストインタビューを実施。「英雄の書」シリーズのコンセプトや制作秘話、シリーズのこれからなどについて聞かせて頂きました。
――早速ですが、「英雄の書」シリーズのコンセプトを教えてください。
Valerie Chu氏『ハースストーン』の歴代のヒーローたちは素晴らしい秘話をそれぞれが持っており、私たちはそういった興奮をプレイヤーの皆さんにお届けしたいと強く思っています。秘話の中のいくつかが『Warcraft』からの引用だと気づく人もいらっしゃるかと思いますが、『ハースストーン』の世界でそれらを楽しむことができるのは初めての経験だと思います。プレイヤーの皆さんは、「英雄の書」を通じてヒーロー達の伝承やその秘話を新鮮に感じながら楽しんでいただけるはずです。
――「英雄の書」シリーズを制作しようと考えたきっかけはなんでしょうか。
Valerie Chu氏17.0拡張版「灰に舞う降魔の狩人」でイリダンを実装した際、私たちはデーモンハンターのプロローグを通じて、より多くのプレイヤーに彼自身のことや彼の経験を知ってもらうべきだと感じました。また、イリダンのプロローグの制作を経て、私達は『ハースストーン』の全てのヒーローを同様に、8つのミッションを通じて紹介すべきだと感じました。プレイヤーの皆さんはヒーローと優雅なひと時を過ごすことができますし、彼らがどのようにそれぞれのクラスにおける代表的な存在になったのかを知ることができます。
――数ある英雄たちの中から”ジェイナ”を選択した理由はなんでしょうか。
Valerie Chu氏ジェイナは私たちにとって『ハースストーン』のチュートリアルでの憧れの存在ですので、英雄の書の先駆けとしては当然の選択のように感じていました。故郷と初恋の相手を失った後の様々な思いがけないいきさつ、そして彼女自身の中からこれまでにないほどあふれ出る力の発見など、彼女のストーリーには『Warcraft』のたくさんの逸話が含まれています。
――「英雄の書」シリーズを制作する上でどんなことに注意しましたか。
Valerie Chu氏私は何度も『Warcraft』のロア(伝承)を読み返したり、プレイヤーの皆さんにとってどのストーリーが最も面白いかを考えて、『ハースストーン』にそれを落とし込むように心がけました。8つ全てのミッションでさえもジェイナの人生を語りつくすには足りません。そこで私はジェイナが『ハースストーン』で頭角を現すまでの、彼女の成長にとって最も重要な出来事に念頭を置くようにしました。何年にもわたって、『Warcraft』はゲームはもちろん、本やコミックも出してきました。私はその中からジェイナの最も印象的な能力や最高の瞬間を興奮しながら選んでいました。
――「英雄の書」シリーズを遊ぶプレイヤーに注目して欲しいのはどんな点ですか。
Valerie Chu氏プレイヤーの皆さんにはこの特別な機会にジェイナの考え方を自分に当てはめてみたり、彼女の目を通して『Warcraft』の歴史を知ってもらえればと思っています。ジェイナの勤勉な一人の学生から強力な魔法使いへの成長は刺激的なものですが、彼女の考え方を変えるような、絶えず続く障害に立ち向かったが故の大きな代償とも言えます。
――今後は「英雄の書」シリーズでどんなキャラクターを取りあげてみたいですか。
Valerie Chu氏英雄の書は10人のヒーローそれぞれに製作していますので、まだまだ楽しみは尽きません!特に「Theramore's Fall」(「World of Warcraft:Mists of Pandaria」内のシナリオ)でジェイナとガロッシュが対峙する時のような、二人のヒーローが闘う瞬間が楽しみです。そういった瞬間は、いつもたくさんの駆け引きが繰り広げられる素晴らしい闘いとなっています!
――「英雄の書」シリーズでは、キャラクターたちのどういった部分を描いていきたいですか。
Valerie Chu氏どのヒーローも彼らの人生を定義づける異なるテーマを持っていて、私はそれらを引き出したいと思っています。そうすることでプレイヤーの皆さんに、彼らの事情や個性を知ることができるかと思います。彼らは強さだけではなく弱さも持っています、しかしそれは彼らを成長させる大切な要素です。理想主義でとても人道的なジェイナですが、その主義に疑問を持ち、後に大親友と闘うことになります。私はそういった英雄の感情を理解しようと試みるのが楽しいと思いますが、もし彼らが別の道を選択していたらどうなっていたのかと考えさせられもします。
――最後に、日本のファンへ向けてメッセージをお願いします。
Valerie Chu氏今回はインタビューしていただきありがとうございました!日本の皆さんに英雄の書を楽しんでいただき、さらに英雄たちや彼らの素晴らしい能力について知っていただけると嬉しいです!
「ハースストーン・英雄の書」は無料の新たな1人用アドベンチャーです。ジェイナの章にて全8体のボスを攻略すると、スタンダードのメイジ用カードが詰まった「メイジパック」1個が報酬として獲得できます。さらに今後12ヶ月にわたって、10人の中心的なヒーロー達の物語が語られていく予定です。ぜひプレイしてみてください。
関連リンク
編集部おすすめの記事
特集
連載・特集 アクセスランキング
-
ゲーマーは長野県・諏訪湖の街に行くとおかしくなる。限りなくオープンワールドだと錯覚するから。【ゲームみたいに錯覚する現実の場所】
-
歴史ゲームなのに“本物の歴史”じゃない?歴史ゲームが歴史通りに作れない理由を考察する【特集】
-
【ネタバレ注意】イヴに一番似合う衣装はどれだ!?『Stellar Blade』私的美麗ナノスーツ6選
-
ノーマン・リーダスもサプライズ登場!マッツ・ミケルセン&小島秀夫の『デススト』ファミリーが将来の展望を語りつつ仲良しぶりを見せつけた対談ステージをレポート【大阪コミコン2024】
-
PS5/PS4で楽しめる!伝説の世代交代RPG『俺の屍を越えてゆけ』の魅力を今こそ伝えたい―“自分の一族の歴史”を紡ぐ旅路は厳しくも美しい
-
最大8人で遊べる!キュートなヒヨコ達が多彩なミニゲームに挑戦するパーティーゲーが早期アクセス開始―採れたて!本日のSteam注目ゲーム9選【2024年5月6日】
-
90年代の大作映画にそっくり?広大な水上世界が舞台のオープンワールドアドベンチャー『Age of Water』が迫力満点だった!
-
【特集】『マナー・ロード』はなぜヒットした? 集落から始まる中世領主街作り、発売前ウィッシュリスト数は全ゲーム1位
-
美少女パイロットが戦う『ヴァンサバ』系ACT『ヘビーストームシャドウ』配信/最大90%オフのSteamセール「ゴールデンウィークゲームフェス」開催中/国土交通省が主導する実際の街をインポートできる『Cities: Skylines』Modv2.0公開【週刊スパラン4/26~】
-
GWは無料配布で貰ったゲームをプレイ!積みゲーは罪ゲーか、ゲームライターたちの懺悔集【特集】