中国に本社を置くPCメーカーONE-NOTEBOOK Technology社が開発し、日本では8月に発売予定の7インチ液晶を持つゲーミングUMPC「OneGX1」。同社初のゲーミングマシンとなり、ニンテンドースイッチのような脱着式のコントローラーが用意されているのが特徴です。
本稿では、試作機のテスターに当選しOneGx1を1週間以上使用した筆者が、その魅力や使い勝手、そして残念なポイントなどをレポートします。
バランスのいい設計ではあるものの、ゲーム用途としては少し頼りない内蔵GPU
OneGX1は、第10世代のインテルCore i5プロセッサー、スタイラスペンにも対応した7インチの1920x1200のタッチディスプレイ(IPSパネル)、4色のバックライトを内蔵したキーボード、小型のポインティングデバイス、Wi-Fi6対応の通信システム、オプションとなりますが4Gのモバイル通信モジュールも搭載しています。(中国本土では5Gに対応)
UMPC(ウルトラモバイルパソコン)は、同じ中国のGPD社が2016年に発売したゲーミングUMPC「GPD WIN」から国内外の一部でブームとなり、後を追うような形でONE-NOTEBOOK社がスタイラスペンが使用できる7インチのコンパーチブル型2 in 1「OneMix」シリーズを展開していました。
OneGx1は同社初のゲーミングPCとなりますが、CPUには省電力モデルである「Intel Core i5 10210Y」を採用しており、グラフィックは内蔵GPUの「Intel UHD Graphics」に依存します。キーボードやポインティングデバイスはOneMixシリーズで培ってきた技術がいかんなく発揮されており、使い勝手が良いものに仕上がっています。
OneGX1は実際にどれほどのゲーム体験ができるか
「GeekBench5」によるOneGx1のCPUのベンチマークは2500台で、これは最新のSurface Pro Core i5モデルと比較して1/1.8程度の性能、最新のMacbook AirのCore i5モデルと同程度の性能となります(ただし、Macbook AirはOSが異なるため単純比較は難しい)。メモリは8~16GB、ストレージは256~512GBと、普段使いだけでなく、仕事用としても十分なパワーを持っています。
Intel Core i5 10210Yの内蔵GPUで実際にどこまでゲームがプレイできるのでしょうか。手持ちのゲーム使って検証してみました。
筆者はOneGx1で『モンハン:アイスボーン』がどこでもプレイできるようになればいいな、と思っていたので、ある程度快適さやグラフィックに目をつむればその期待には答えてくれる結果となりました。最新ゲームのプレイはなかなか難しいものの、設定次第ではプレイ可能なタイトルもあり、PS3/Xbox360世代のゲームは解像度1280x800であればAAAタイトルでもほとんどが快適に動くようです。
ニンテンドースイッチに似た脱着式コントローラーは面白いが……
OneGx1の特徴の一つが、ニンテンドースイッチのように2つのコントローラーを本体左右にドッキング可能というもの。このコントローラーはBluetooth接続ですが、本体には最初からドライバがインストールされており、電源を入れるだけで認識してくれます。充電は下部のUSB Type-Cポートから行う形式で、設定次第でニンテンドースイッチのように別々のコントローラーとしても使用可能です。
コントローラーを使ってみてまず気になったのが、本体とのジョイント部分に隙間があり、手で握ると少しグラつくところです。トリガー部分となるZL/ZRがアナログ入力ではなくスイッチで、クリック感が固めである点、OneGx1がアルミの削り出しであるのに対し、コントローラーはプラスチック製であるためややチープに感じるのも残念です。また、コントローラーを装着して手でホールドした際に、ディスプレイの開閉角度がもう少し欲しいと感じました。できれば180度開いて欲しかった……。
実際に『モンハン:アイスボーン』『GUILTY GEAR Xrd REV 2』『地球防衛軍4.1』でプレイしてみたところ、アナログスティックと各ボタンの配置が人間の手の形に対して不自然で、感度も大味であるため、細かいエイムや格闘ゲームのコマンド入力はやり辛く感じました。アクション要素の無いRPGやシミュレーションなどであれば問題なくプレイできそうです。
ただ、今回提供されたコントローラーはあくまで試作品であるため、製品版とは仕様が異なる可能性があります。