505 GamesとKunos Simulazioniが手掛けるリアルレーシングシミュレーター『Asseto Corsa』シリーズ。9月12日から4日間の日程で開催された「東京ゲームショウ2019」をきっかけに、Kunos Simulazioniの共同創設者にして本シリーズのエグゼクティブ・マネージャーのMarco Massarutto氏にお話を伺うことができました。
――身につけられているアクセサリーやいただいた名刺にもこだわりを感じられます。ご自身の好きな車について語っていただけますか?
Marco Massarutto氏(以下、Massarutto氏):会社に向かうときにも乗っている普段使いの車は「ポルシェ 911」です。「Alfa Romeo GT Junior」もお気に入りですね。趣味でドイツにあるトラックを走る際は「Toyota GT 86」を使います。とてもバランスがよくて、雨が降っていても安定感があり、気持ちよく走ることができるので。そういった経緯もあって『Assetto Corsa Ultimate Edition』にも実装しました。
――では、ご自身の経験もゲームに活かされているんですね。
Massarutto氏:そうです。個人的にも様々なトラックを走っていますし、リアリティに一役買っています。親友の有名ドライバーにゲームを試してもらってフィードバックをもらい、調整を行うこともありますね。実車の公式シミュレーターとして使っていただくこともあるので、こういった感触の部分は頼り優れているのではないか、と考えています。
――『Assetto Corsa Competizione』の中で、最もこだわった部分を教えてください。
Massarutto氏:現在、最もアピールしたいのは新しいDLC「Intercontinental GTパック」ですね。2019年末に配信予定ですが、「鈴鹿サーキット」など日本のサーキットも収録されます。物理演算にもこだわっているので、実際にそこで走っているような感覚が味わえるはずです。
――鈴鹿サーキットを実装しようと思ったのは、どういった経緯があってのことでしょう?
Massarutto氏:ユーザーからの要望が最も多かったことが挙げられます。「鈴鹿サーキット」はオフラインイベント「Intercontinental GT Challenge」で楽しむことができるトラックですね。
――日本では「若者の車離れ」が起こっていますが、そういった潜在的なプレイヤーに対するアプローチについて考えていることはありますか?
Massarutto氏:これは既にリリースされているコンテンツの話とは異なりますが、来年以降にリリースする予定の新作では「レーシング」以外の要素を取り入れようと計画中です。特にアジア市場に関しては重視していて、アジア向けのコンテンツの組み込みも積極的に行う予定です。「鈴鹿サーキット」はその先駆けとも言えます。ヨーロッパのユーザーの関心も高いので、次回作では日本の車やトラックも多く実装するつもりですよ。
――次回作では「進化」した『Assetto Corsa』を見られる?
Massarutto氏:まさにその通り。単純なコンテンツの量や物理エンジンなど既存のDNAだけでなく、新たなゲームモードなど、さらなる楽しみ方を用意しようとしています。「ただトラックを回る」だけでは飽きてしまいますから。
――新しいゲームモードの構想について教えていただけますか?
Massarutto氏:Netflixで配信中の「ハイパードライブ(Hyperdrive)」はご存知でしょうか。各国の走り屋がカスタム車を駆って、障害物コースに挑むシリーズで、これにインスパイアされたものをいくつか考えています。もちろん、『Assetto Corsa』のリアルさは保ったままに。こういったタイプの競技、e-Sportsもありなのではないか、と検討を重ねているところです。こういった新しい要素と従来のレースの楽しさ、その相乗で『Forza』シリーズや『グランツーリスモ』などと差別化できれば、と思います。
――最後に、日本のユーザーにメッセージをお願いします。
Massarutto氏:ライセンスなどの問題で「鈴鹿サーキット」は実装に2年程かかりました。容易ではありませんでしたが、個人的にも大好きなトラックですし、誇りに思います。このトラックはもちろん、将来的に実装する日本のトラックを存分に楽しんでいただければ幸いです。
――ありがとうございました!
『Assetto Corsa Ultimate Edition』および『Assetto Corsa Competizione』はSteamにて配信中です。
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