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イライジャ・ウッドのカオスな探偵物語「私立探偵ダーク・ジェントリー」【コントローラーを置く時間】

本連載では、GameSparkスタッフが、ゲーマーにぜひオススメしたい映画/ドラマ/アニメ作品を1本紹介していきます。

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イライジャ・ウッドのカオスな探偵物語「私立探偵ダーク・ジェントリー」【コントローラーを置く時間】
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ハードコアゲーマーのためのゲームメディアGame*Sparkでは、日々、様々なゲーム情報をご紹介しています。しかし、少し目線をずらしてみると、世の中にはゲーム以外にもご紹介したい作品が多数存在します。そこで本連載では、Game*Sparkスタッフが、ゲーマーにぜひオススメしたい映画/ドラマ/アニメ作品を1本紹介していきます。

今回ご紹介するのは、2016年から公開されたイライジャ・ウッド主演のドラマ「私立探偵ダーク・ジェントリー」です。

◆第1話からバラ撒かれる異常な量の伏線


舞台は現代のアメリカ。イライジャ・ウッド扮する主人公“トッド・ブロッツマン”はパッとしない日々を送る冴えないホテルマンなのですが、勤務先で起きた「とある大富豪の殺人事件」をきっかけに、目がくらむほど珍奇な人生に飛び込みます。ホテルで「もうひとりの自分」と会ってしまったり、見知らぬ探偵に家の窓から侵入されたり、見知らぬ暴力集団に家を壊されたり、不幸ばかりと思いきや宝くじが当たったり……とにかくワケの分からない出来事が連続し、「これって本当にすべてが物語として繋がっているのか?」と心配しかねない展開が繰り広げられます。

特に序盤は、物語の行く先を予想しながら観ていると頭がクラクラすることでしょう。しかし、謎を解くさまはミステリーアドベンチャーのようだったり、『アンチャーテッド』シリーズを思わせるパズル風味なシーンもあったりで、複雑ながらも観る者を程よく飽きさせません。

◆「銀河ヒッチハイクガイド」ばりの尖ったユーモア、イライジャの悲しげな演技力は必見


今作は、「銀河ヒッチハイクガイド」で知られるSF作家ダグラス・アダムスの「ダーク・ジェントリー全体論的探偵事務所」を原作にしています。ドラマ版「私立探偵ダークジェントリー」の物語自体は別の脚本家が担当しているのですが、受け継がれたユーモアセンスと設定はやはり強烈。笑ってしまうような破天荒なエピソードが、あれよあれよと言う間に鮮やかに絡み合う巧みな構成力も魅力です。

ゴチャゴチャとバラまかれた「点」が鮮やかな「線」になり「すべてがひとつの物語として繋がっていく」という、伏線が拾われていく気持ち良さを体感したい方には特にオススメ。とっつきやすい作品ではないかもしれませんが、「全体論的探偵」の意味が(やんわりと)分かるころには、きっと今作にのめり込んでいるはずです。

ところで、インディーゲームがお好きな方なら、主演のイライジャ・ウッドにはいろいろとピンと来る点もあるのでは。彼はSpectreVisionでゲームのクリエイティブディレクターを担当していたり、『Broken Age』に声優として参加していたりと、ゲーム業界に縁が深かったりもします。今作にはビデオゲームに絡むお話は特にないのですが、イライジャ・ウッドの哀愁漂う「困り顔」とギターの演奏シーンはファンならば必見。“ダーク・ジェントリー”のドタバタ劇に付き合わされる彼は、同情したくもあり、楽しそうで羨ましくもあります。



「私立探偵ダーク・ジェントリー」は記事執筆時点で、Netflixで視聴可能です。
《キーボード打海》

「キーボードうつみ」と読みます キーボード打海

Game*Spark編集長。『サイバーパンク2077 コレクターズエディション』を持っていることが唯一の自慢で、黄色くて鬼バカでかい紙の箱に圧迫されながら日々を過ごしている。好きなゲームは『絢爛舞踏祭』。

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