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【e-Sportsの裏側】「好きは仕事にできるんだぜ!」―CROOZとRascal Jesterが生み出すe-Sportsの新たな可能性とは

第4回目は、プロチーム「CROOZ Rascal Jester」とパートナーシップを結んでいるCROOZプライスレス担当執行役員 諸戸友氏(以下 諸戸)、チームのマネジメント・運営を務める大川孝行氏(以下 大川)に日本のe-Sportsの在り方についてお話を伺ってきました。

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e-Sportsに携わる「人」にフォーカスを当てて、これからの日本のe-Sportsシーンを担うキーパーソンをインタビュー形式で紹介していく【e-Sportsの裏側】。前回の第3回目は、国全体でe-Sportsが盛り上がりを見せている韓国・江南(カンナム)にて、NEXON ARENAの運営に携わっているChoi Jinyoung氏、Shim Hyum氏にNEXON ARENAおよび韓国でのe-Sportsの盛り上がりについて独占インタビューを実施

    ■e-Sportsとは?
    e-Sports(Eスポーツ)とはElectronic sportsの略で、コンピュータゲームやビデオゲームで行われる競技のことです。高額な賞金のかけられた世界的な規模で行われるプロフェッショナルな大会から、アマチュアまで競技が行われており、ジャンルやゲーム毎にプロチームやプロリーグが多数あります。現在e-Sportsの対象となっているゲームを遊ぶ人の数は、全世界で5500万人を超えています。
    (ゲーム大辞典参照:http://game-lexicon.jp/word/e-Sports

第4回目は、プロチーム「CROOZ Rascal Jester」とパートナーシップを結んでいるCROOZプライスレス担当執行役員 諸戸友氏(以下 諸戸)、チームのマネジメント・運営を務める大川孝行氏(以下 大川)に日本のe-Sportsの在り方についてお話を伺ってきました。


―――本日はお時間を頂きありがとうございます。まずはお二人の自己紹介をお願い致します。

諸戸: 私は新卒で人材系の広告代理店に入社後、ベンチャー企業に特化した採用コンサルティングの企業に創業メンバーとして参画しました。1,000名以上を超える経営者の方々との出会いを経て、その中でも最も会社を成長させていて、経営者としても人としても尊敬できるクルーズの代表の小渕と出会い「この人のもとで働きたい!」と思い現在に至っています。入社後は社長室の役員として経営企画・ブランディング・ユーザーサポート等の業務に携わりまして、半年ほど前からプライスレス本部、他社様で言いますといわゆる人事部にで執行役員として従事しています。

実は大川とは中学時代からの幼馴染でして、クルーズのe-Sportsプロジェクト発足も大川と話をしていたのがきっかけです。以前からしょっちゅう一緒にお酒を呑みに行っていたのですが、その度にe-Sportsに対する熱い想いを聞かされまして(笑)。最初はe-Sportsがどれだけ盛り上がっているのかは分からなかったのですが、アメリカではe-Sportsのプロにビザが発行されたり、韓国では将来なりたい職業でサッカー選手より上位にe-Sportsプレイヤーが入っていたりと海外での盛り上がりをいつも熱心に話してくれました。

そういった話を聞いているうちに、私が持っているゲームに対する価値観が徐々に変わっていきまして。私たちが事業としているスマートフォンゲームとオンラインゲームでは似て非なるものであったりするのですが「ゲームを生業(なりわい)としている以上、なにかしらゲームの未来に貢献できることがしたい」と考えるようになり、そんな話を代表の小渕に話をしたところ「それはやるべきだ!」とゴーサインが出まして、大川にも声をかけ今に至る、といったところです。


―――このプロジェクトをはじめたのはいつ頃からでしょう?

諸戸: 話自体は昨年の4月くらいから進めていましたが、実際にプロジェクトとして走らせたのは昨年の10月くらいですかね?

―――ゲーム業界には携わっていなかったのですね。

諸戸: そうですね。子供の頃もゲームで遊ぶというよりは外に出て体を動かしていることの方が多かったですね。

―――逆にそういった方のほうが客観的にe-Sportsのことを見れて良いかもしれませんね。とはいえ、企業として働いている以上、何かしらのメリットが会社に無いといろいろ不都合なことがあると思うのですが。

諸戸: そうですね。このプロジェクトを始めたきっかけは先ほど話した通りですが、当然企業として何かしらのメリットもあったらいいなって考えています。特に私は人事の役員なのでこのプロジェクトを通してクルーズと言う社名を聞いて、「どんな会社なんだろう、ちょっとホームページ見てみよう」「なんだ新卒募集してるじゃん、ちょっと受けてみよう」という形で副次的に弊社に興味を持ってもらったり、知名度が上がっていったりするといいなと考えています。

―――ひとつのことを熱中してやり続けることは才能だと思っていて、e-Sportsのプレイヤーにもそういった素敵な人材は確実にいますからね。

諸戸: そうなんですよ。最近このプロジェクトを通して出会う学生の中にもとっても意識が高くて優秀な学生はたくさんいます。 しかし、これに関してはあくまで企業事情だったりするのであくまでメインは「e-Sportsを盛り上げること」が目的です。ここの部分は大川に突っ走っていってほしいですね。それを私が援護をする形です。


―――大川さんは、どのようなご経歴でしょうか

大川: 15年くらいWebエンジニア1本で働いていました。途中途中でいろいろなプロジェクトや企業に所属していたり、個人事業主として働いたこともありましたね。システムコンサル、メディア運営、会員制サイトの運営など、ウェブに関連するものはほとんど経験してきたと思います。それと平行して5年くらい前からe-Sportsに関連する活動を行っていまして、元々自分自身が16歳くらいから『AoE(Age of Empires)』、『Diablo』、『ウルティマオンライン』など、いろいろなオンラインゲームをとにかくプレイしていたら、そのままゲームをやりながら大人になっていまして(笑)。今は週末くらいしか時間を取ってゲームはプレイできていないのですが、ゲームは基本的になんでも好きですね。

―――いわゆるe-Sportsタイトルをプレイし始めたのは?

大川: 私は競技者ではないのですが、e-Sportsタイトルを遊びはじめたということですと『StarCraft 2』、『World of Warcraft』ですね。『World of Warcraft』でいうと、日本国内でもかなり本格的なギルドに所属していました。昼間は仕事をして夜はレイドをする、という流れだったのですが、とにかく諦めない人たちの集まりだったので、そのうち電車に乗るのが怖くなりまして。山手線に乗りながら「あー、今日もあのボスに殺されるのか……。」ということを考えながらいつも帰路についていましたね。

Blizzardが好きだったので『StarCraft 2』もプレイしていたのですが、その頃ちょうど「GSL(Global StarCraft League)」が開催され、賞金額が一気に跳ね上がりました。また「MLG(Major League Gaming)」「ESL(Electronic Sports League)」も同時に盛り上がり始めまして「これはすごいな!」と感じましたね。私自身が若い時は「ゲームで飯を食う」という発想は全く無かったのですが、海外でのこういった盛り上がりを見て圧倒されたのを覚えています。


―――なるほど。「CROOZ Rascal Jester」が他のチームと違うのは、実業団形式で「昼間はクルーズで勤務、朝や夜、休日にゲームの練習」といったところがあると思います。大川さん自身はクルーズでどういった業務を行っているのでしょう。

大川: 「クオリティコントロール」という部署に所属しています。弊社が運営するタイトルのクオリティをチェックする部署ですね。UI/UXのチェックであったり、もちろんバグチェック等も行っています。

「CROOZ Rascal Jester」のメンバーが、ゲーマーとしての知見を活かしてこの部署にアサインをされているということもあり、私も同じ部署に所属しているという感じです。私自身はエンジニアとしても作業を行うことはできるかもしれませんが、やはりチームのメンバーと近い位置で仕事をしていたほうが良かったりもしますしね。

――続いてチームのお話を。設立の経緯はどういったものでしょう

大川: 私がジョインしたのは「Rascal Jester」が既に活躍している後でしたが、数あるチームの中で彼らに声をかけた理由としては、一番「成熟」しているように感じたからです。

スポンサーをつけてチームとして動いていくとなると、いろいろな制約がでてきます。縛りもたくさん出てきます。本当に急に縛りが厳しくなったりします。「あれ喋るな」「これ喋るな」と単語レベルで制約がかかってきますので、まずそこを耐えられることができるかどうか。そういった点で「成熟」しているように感じた彼らに声をかけました。その他では、関係者からの推薦が一番多かったのも彼らでした。

※次ページ:プロとしてどうあるべきかを考える

《森元行》
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