【The Elder Scrolls Online旅日記その1】筋肉モリモリオークで『TES』らしさを追求プレイ | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

【The Elder Scrolls Online旅日記その1】筋肉モリモリオークで『TES』らしさを追求プレイ

先日ついに国内でのサービス展開が発表され、英語版ながらも日本では4月4日より販売が開始されることとなった『The Elder Scrolls Online』。今回は国内外のメディアに向けた数日間のPvEプレイセッションに参加することが出来たので、その模様をお伝えしていきます。

連載・特集 プレイレポート

先日ついに国内でのサービス展開が発表され、英語版ながらも日本では4月4日より販売が開始されることとなった『The Elder Scrolls Online』。今回は国内外のメディアに向けた数日間のPvEプレイセッションに参加することが出来たので、その模様をお伝えしていきます。

まるでMMOの如く巨大な規模を持つシングルプレイヤーRPGとも評されていた『The Elder Scrolls』が、本当にMMOゲームとして発売されると発表された時には筆者だけでなく多くのゲーマーが驚いたことでしょう。開発は『TES III: Morrowind』からシリーズを手がけてきたBethesda Games Studiosでは無く新設のZeniMax Online Studiosであり、F2Pが大流行の昨今において14.99ドルという月額料金制を導入することも海外では発表されています。少なくないファンが「本当に従来の『TES』シリーズファンがわざわざ『TES Online』をプレイする価値があるのか」と思ったはずで、今回は出来る限りその点を考慮してプレイしました。

なお自身が参加した派閥はブレトンとレッドガード、オークの3種族で形成されるライオンの記章を持つ「Daggerfall Covenant」。ハイエルフとウッドエルフ、カジートが所属する「Tha Aldmeri Dominion(by ハヤカワ)」、ダンマーおよびノルド、アルゴニアンが所属する「Ebonheart Pact(by えれ子)」は、それぞれ編集部より選ばれた別の記者たちがプレイを行っているので、そちらを参考にして頂きたいと思います。

■さまよえぬキャラメイク、牢獄から簡単に脱出

デフォルト時点でその端正なフェイスモデルに驚いたが、さらにサラサラヘアやモジャモジャヘアの美しさにも驚愕。上記はほんの数分弄った女性オークの顔で、従来ならばModを導入しなければ実現しなかったようなレベルや方向のキャラクターメイクが『TES Online』では簡単に行える

『TES IV: Oblivion』では下水溝からいつまでたっても脱出できなかったし、『TES V: Skyrim』では苛立つ帝国の女将官を半日以上も待たせてきた筆者。キャラクターメイクは『TES』シリーズの魅力であると同時に、上手く顔を作り上げることが出来ないプレイヤーにとっては延々と続く作業でもあります。派閥「Daggerfall Covenant」にて当然の如く種族オークを採用したのは、『Oblivion』のヒロインこと姫騎士Mazorga卿に敬意を表するためでしたが、脆くもその野望は崩れ去りました。というのも本作、とにかくデフォルの顔がModでも導入してるのかと思うほど可愛く、ちょっとやそっとイジったぐらいでは崩れた顔が作れないなのです

顔メイクは基本的に各部位のプリセットパーツを設定し位置を調整、年齢を設定しタトゥーや装飾品といった各種アクセサリを装備させる前作『TES V: Skyrim』などとほぼ同様のスタイルが採用されており、さらに「Soft(柔らかい)」、「Angular(角ばった)」、「Heroic(勇ましい)」で構成された三角形のインターフェイスにて全体の味付けができます。また体格に関しては恐らく過去作の中でも最も細やかな調整が可能で、身長の高低に始まり腕や腹や足やヒップの太さ、さらには手や足先の大きさなどが設定可能で、顔と同様の三角形図にて太った体やマッスルボディを仕上げていきます。

どうやら『TES Online』では顔のプリセット自体がシリーズ中で異例と言えるほどの高いクオリティを有しているようで、ゲーム中に登場するNPCの殆どが不自然ではない顔をしているのに大きな衝撃を受けました。「バイアズーラ!」などと連呼する玉ねぎなど1人も居ません。キャラメイクではただ可愛いとかイケメンというだけでなく、勇ましい顔やイカつい顔も作製可能で、思い浮かべたフェイスに辿り着けるかはともかく、恐らくどんなプレイヤーでも簡易に整った顔を作り出すことができるでしょう。


ゲーム中にはそれどこのMod使ったのと聞かれそうなキュートな女性NPCやイケメンNPCが多数登場。日本人的な視点で見れば、各キャラクターの平均美貌レベルは間違いなくシリーズ中随一です


少しプレイしたものの綺麗な女性オークが"個人的に"ツマらなくなったので、筆者が大好きなイカついマッチョマンを再製作。名前は「Malarga」。役職は前線クラスである「Dragonknight」

キャラメイクを終えると、シリーズお馴染みながら囚人としてどこかの牢獄に囚われているらしき我が「Malarga」。『TES Online』ではデイドラの領域Coldharbourに囚えられた状況からゲームがスタートし、霊体のような姿で登場する白髪の老人「The Prophet(預言者)」がプレイヤーを誘導しつつチュートリアルで基本的な戦闘アクションを教えてくれます。ゲーム本編で描かれるのはシリーズでお馴染みデイドラのプリンスことMolag Balが、タムリエルの大地をダークアンカーと呼ばれる装置にてデイドラの世界へと引きこもうとしているストーリー。プレイヤーは魂を抜き取られたことによって何度も生き返ることができるようになった英雄「ソウルレス・ワン」となり、3つの派閥からそれぞれシロディールでの戦いに身を投じていくことになります。

この監獄パートでは序盤からモブとは言え大量のNPCが脱出するシーンが描かれ、巨大なモラグ・バルとの初対面やボスとの対決、「The Prophet」と女性騎士「Lyris Titanborn」がド派手な演出と共に動き喋りまくるシーンが多数用意されており、プレイヤーの熱気を否応なく盛り上げてくれるでしょう。これはこのチュートリアルパートに限った話では無く、『TES V: Skyrim』と同等かそれ以上と思える規模と複雑さのイベントシーンがプレイセッション中にはいくつもありました

■西の小島とオーク前線基地で見る『TES』品質のクエスト、幅広いプレイに対応したMMOシステム

さて監獄を脱出するとたどり着いたのは見知らぬ船の中。どうやらここは「Stros M'Kai」と呼ばれるタムリエルの西に位置する小島で、自分は「Captain Kareen」と呼ばれる女性に溺れていたところを助けてもらったとのこと。前述したように3つの派閥が存在する『TES Online』ですが、監獄を脱出した後のストーリーラインはそれぞれ全く異なり、タムリエルの東北と北西と南西から大陸中央のシロディールへ向かう派閥毎のルートが用意されています。ちなみにワールドマップを開いてみると、上記の3ルート以外はまだエリア化されていない地域が多く残っているようで、拡張パックやアップデートで新たなストーリーラインの追加もあるのではとも邪推してしまうところです。

「Daggerfall Covenant」に所属するプレイヤーが最初に踏み入る地「Stros M'Kai」におけるハイライトは、「Captain Kareen」の仲間たちを集め、船を出航させるために王宮からある代物を盗み出すという内容のクエスト。このクエストは選択肢から見るにどうやら全ての仲間を集めなくても開始することが可能な模様です。筆者は全ての仲間を集めてから開始した結果、女魔法使いが潜入するための衣装を盗み出し、イケメンが女性たちを虜にして情報を聞き出し、さらにドゥーマー研究家に貰った杖で衛兵をあっさりと倒すことが出来てしまいました。検証はしていないものの恐らくは集めた仲間が少なければ何らかの問題が発生していたらしく、プレイヤーの選択により幾重にも展開が変化していく『The Elder Scrolls』らしいクエストだと実感しました。

「Captain Kareen」の愉快な仲間たちと共に出航すると、次はオークの前線基地が存在する「Betnikh」の地に到着。ここはカルト集団との戦いやオーク一族の因縁が描かれており、最終局面にて強力な力を持つレリックを悪用されないように破壊するのか残すかを迫られます。過去を追体験しアーティファクトが多くの死者の魂によって出来ていることを知っていた筆者は破壊する選択肢を選んだのですが、その結果「Captain Kareen」の女性陣に「そこまでアホだとは思わなかったわ」と罵声を浴びせられました。皆がハッピーエンドになるような、万事解決な選択肢が無いのもこれまた『TES』らしいと言えます。


派閥「Daggerfall Covenant」のプレイヤーが進む3つ目のエリア「Glenumbra」では、国王の暗殺を阻止したのも束の間、ギルド「Rion Guard」とお馴染み「ウェアウルフ」に感染した人々が戦いを繰り広げている。町1つを舞台にしたような大規模戦闘には思わず筆者も興奮

さてここまでで『TES』らしい演出、そしてクエストが十分に登場することは伝わったと思うものの、問題は『TES Online』の存在価値の1つであるシングルプレイだけでなくMMOとして遊ぶのが楽しいかということ。筆者が短いプレイセッションで感じたのは、遊び方さえ理解していれば『TES Online』での協力プレイは楽しいということです。

既報の通り『TES Online』ではクエストによる選択肢がチーム毎では無く各プレイヤーに依存しており、例えばチームを組んで同じ敵と戦っていても、それぞれのプレイヤーは異なるストーリー展開を見ることが可能です。各プレイヤーの選択が尊重されるわけですが、しかしストーリーをじっくりと楽しみたいというのなら、現時点で筆者は野良パーティーを無理に組んでクエストを攻略することはオススメしません。容易に想像できるように、例えばストーリーラインを追わず会話を次々と飛ばし次の目的地に向かうプレイヤーもゲーム中には存在し、そうなると物語も情緒もあったものでは無いからです。これはストーリーに重きを置く『TES Online』ならではの感覚で、他のMMOではあまり見られない現象でしょう。

ただし発売後にコミュニティの間で不文律が出来る可能性を除けば、パーティーは簡単に退席したり参加することが現時点では可能で、プレイスタイルが気に入らない場合は一言添えて抜けるのもアリかと思われます。またプレイセッション中はチームアップしていない野良プレイヤーと道端で出会い、そのまま流れ的に共闘するといった場面も多く見られたほか、PvE専用のダンジョンなども登場するとされているので、必ずしも他人と組まないとMMOプレイが楽しめないというわけではありません。気心の知れたフレンドと共にクエストをゆっくり攻略していくのも楽しいでしょう。


もちろん野良にだってNPCとの会話やリスポーン地点からの復帰をお互いに待つような優しいプレイヤーは存在するし、共闘した方が戦闘は大規模なものになり、クエストを楽に進めることが出来る。気の合ったプレイヤーとチームを組み長時間プレイ出来るととても嬉しい

■シロディールへひたすら歩く『TES』的なフリーダムプレイの結果は?

シリーズ過去作にてマーカーだけを頼りに目的地へ向かいひたすら歩き続ける冒険家的な、時には地形の隙を突くエクストリーム登山家的なプレイをしたのは筆者だけでは無いと思いますが、今回のセッションにて3つの地域を進みレベル10に到達した辺りで、シロディールまでただただ歩き続けてみることにしました。本来ゲーム内ではレベル10に到達した時点でファストトラベルのような機能でシロディールへと即座にテレポート出来るのですが、今回はどこまで自分の足で進めるかに挑戦しています。

何者かから逃げてきたNPCや襲い来るモンスターを無視しつつ進み続けると、各国は基本的に一つのメインロードで繋がっており、進むにつれて徐々に周囲の敵のレベルが向上していくのを確認できました。チームを組んで高レベル帯へ遠征するといったことも可能ではあると思われるものの、少なくともプレイセッション中に確認した中では、他のMMOタイトルと同様に各地域に存在するクエストラインを順次攻略しつつレベルを上げて進んでいくのが『TES Online』の正規ルートであるようです。

一方で斜面を駆け上ったり渓谷をジャンプ移動したりといった、マップ上の無理くりな移動はかなり自由に出来るという印象。例えば見えない壁にぶつかったり、ここは無理だろうなというルートを進んでもマップ上でスタックすることはありませんでした。「Tha Aldmeri Dominion」の派閥に参加したライターのハヤカワは、サメのような強力なキャラクターに食い殺されるまで、海洋をどこまでも泳げたと語っています。


進むにつれ強くなっていく敵兵やモンスター達。そしてシロディールに繋がると思われる「Bangkorai」の地では、関所に立ちはだかる高レベルの帝国兵を躱すことが出来ず。各地にはモラグ・バルのダークアンカー(画像参照)が存在しており、不用意に近づけば配置された強敵たちに瞬殺されてしまいました

■『The Elder Scrolls Online』から感じるシリーズの正当な続編というポテンシャル

短いプレイセッションだったが従来のシリーズ作品かあるいはそれ以上に密度の濃い「大冒険」を楽しめた

数日間のプレイを終えた後、率直に思ったのは「『The Elder Scrolls』の新作を遊べたんだ」という喜びと興奮でした。『The Elder Scrolls Online』を別スタジオが作ったスピンオフMMOと呼ぶことは容易ですが、筆者は勇気を出して同作をMMO風味の『The Elder Scrolls』シリーズ正当続編であると断言します。プレイした誰もがその手に『TES』としての感触を覚えるでしょうし、個人的にシリーズファンがチェックする価値は大いにあるのではないかと感じました。

なお今回のPvEに引き続き、次回はPvPのプレイセッションをまた3人のライターにてお伝えする予定。オーク種族と「Dragon Knight」のスキルや両手剣による戦闘のプレイフィールなどはそちらで紹介していきます。

【The Elder Scrolls Online旅日記シリーズ】
その1: 筋肉モリモリオークで『TES』らしさを追求プレイ
その2: ダークエルフのぶらり冒険旅 ~シロディールを目指して~
その3: 癒し系カジート観光記 ~そうだ、王都へ行こう~
その4: 世はまさに戦国時代、筋肉モリモリオークが見たPvP攻城戦
その5: ダークエルフのぶらり冒険旅 ~運も実力のうち?~
その6: 癒し系カジート大戦記 ~初めてのPvP編~
《ishigenn》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top