今回はデベロッパーのMicroidsとENDROAD、パブリッシャーの株式会社3gooから2024年4月18日にリリースされたPS5/PS4向けロボットアクションADV『UFOロボ グレンダイザー:たとえ我が命つきるとも』をご紹介します。
なお記事執筆にあたり、3gooよりPS5用の先行プレイ用のコードを頂いています。
『UFOロボ グレンダイザー:たとえ我が命つきるとも』とは?
本作は、巨大ロボ「グレンダイザー」を操り、地球侵略を目論むベガ星人の軍勢をなぎ倒していくアクションADV。敵も自分も巨大ロボでありながら、動きが鈍重ということはなく、通常攻撃はキレのあるパンチにキック、そして各種武装による必殺技は見た目が派手で実にパワフルでした。
また、本作は1975年から1977年にかけて放送されたマジンガーシリーズのアニメ「UFOロボ グレンダイザー」が原作のいわゆるキャラクターゲームでもあります。ただ、ファンの皆様には誠に申し訳ないのですが、筆者は原作未履修です……!
そのため予備知識ゼロの状態でゲームをプレイし、いまこうして執筆しつつAmazonプライム・ビデオで本編を視聴しているという次第です。そこで改めてゲームに対して感じるのは「あれ?思った以上にたっぷりと原作愛を感じるぞ?」というもの。
例えば出撃シーンでは主人公の変身カットなどは当然のことながら、あえてプレイヤーにボタンを押させてから発進する、といった細かな部分に筆者は感銘を受けました。
ただ表面をなぞるだけではなく、ちゃんと原作の流れを理解した上でゲームに落とし込むという、大変丁寧な仕事が随所で光っているのです。
2024年の今年には、新作アニメ「グレンダイザーU」も放送予定であるこのシリーズ……何か大きなうねりと申しましょうか、熱量の高さを感じさせてくれます。ともあれさっそくやってまいりましょう。
操作・設定・言語について
PS5/PS4向けのバージョンなので当然といえば当然ですが、PS版の操作はコントローラーにて行います。特に何か支障を感じることもなく、快適な操作でした。その他の設定項目については、音声、ビデオともにオーソドックスなものが並んでいますね。
言語については、表示だけでなく音声までまさかの完全日本語対応。本編中に登場するモブ(?)キャラにまで声がしっかりついている力の入れっぷりです。
流石に当時と全く同じ声優さん、という訳ではないですが、とりあえず声を入れただけの棒読み、とかそういうこともなく、作品世界の空気をグッと引き締めてくれる流石のお芝居でした。ただししばしばシュールな雰囲気(?)になるような……(後述)。
本編開始
さあ始まりました『UFOロボ グレンダイザー:たとえ我が命つきるとも』。新規ゲームを開始すると、これまでのあらすじがカットシーンを通じて説明され、テンポよく操作パートへ移ります。
キャラクターの掛け合いについては、こうして文章としてセリフだけ読むと、まったく違和感はありません。ただ、なんと申しましょうか……プレイ中に感じたのは、セリフの間隔が詰まり気味で、感情の緩急もキュッとした勾配のせいか、どこかシュールな雰囲気なんです。
この会話のテンポと空気感……どこかの作品で見たことあるんですよね……
そう、どこかで……
「ギャグマンガ日和」……!(アニメ版の方)
技などの掛け声が使いまわしなことなど、それまでの流れとセリフのテンションが噛み合ってなかったりするので、緊迫するカットシーンでもしばしばシュール時空に突入。
デューク(大介)自身を操作して研究所内を歩きまわる時なども、絶妙な噛み合いを見せる会話の応酬……しかしある意味で、このゲームならではの魅力になっていると個人的には感じています。
話を戻して、行く手を塞ぐ岩に対してまずは一発パンチをお見舞い。肩越しカメラでグレンダイザーを操作し、ステージマップを移動しながら、各地点に用意されているイベントをこなしていきます。
防衛、護衛、迎撃など戦闘を軸にしたレベルデザインになっており、各イベントを完了するとボス戦へと突入します。
ステージマップは全部で7個ほどあり、それぞれそこそこの広さがあります。
そして至るところに収集アイテムが配置されており、一部エリアにはどこぞの対馬のような「瞑想」用のロケーションも用意されています。
しかも道行く車両や家屋など、意外とオブジェクトが作り込まれているので、単純にイベントだけをこなそうと、「!」がついたマーカーだけを目指してダッシュするのはもったいないです。
我らがデューク(大介)操るグレンダイザー、時にはゆっくり大地を踏みしめて風景を楽しむのも良いではありませんか(錯乱)。
戦闘については、攻撃ボタン連打によってコンボを繋いでいき、適宜ハーケン、ショルダーブーメラン、反重力ストーム、そしてダイザーパンチなどの必殺技を差し込んでいきます。ごちゃごちゃとしたコマンド入力などは必要ありません。基本的には対応するボタンを押し、ゲージ消費によって技が発動します。
この「光量子」ゲージは、最小限は自動回復し、それ以外は敵との戦闘で回復していきます。必殺技以外にも、自己修復機能を発動する際にゲージが使用されていきます。いずれも操作はシンプルです。
ボタン配置がシンプルだからこそサクサク操作を覚えられ、トントン拍子に戦闘が進んでいくのが気持ち良い……複数体を巻き込みながら通常コンボを繋いで、ハーケンや必殺技でシメたときの爽快感は格別です。
また敵もある程度バリエーションが存在しており、たいていは通常攻撃を中心とした攻撃でポンポン撃破できますが、なかには「特定の攻撃のみ受け付ける」バリアを展開しているものも登場します。そんな少しひねりを加えたバトルもまた楽しいところです。
ただしボス戦(中ボス含む)だけは、パンチ・キックだけでゴリ押そうとすると難しいかもしれません。「回避」も使う必要も出てくるため、敵の動きをよく読んで、タイミングに合わせて避けていきます。
とはいえ後述のアップグレードによって、上手く避けるとカウンター攻撃を放つ機能も追加されるため、ガンガン前に出て戦うのだって、もちろん選択肢の一つでしょう。
ところで、ゲーム序盤では、通常攻撃によるコンボを2~3回当ててようやく敵を撃破といった具合に、こちらの攻撃力もまだまだ本調子ではありません。
しかし本編が進めば、それまで敵からのドロップや収集アイテムで入手した素材を投入して、新必殺技のアンロックや、通常攻撃の威力を強化できるようになります。
強化のためにも、ステージマップではあえてあちこち歩き回ってのアイテム集めは意外と重要な行動だったりします。
なお本作は格闘戦以外にもなんと、シューティングパートも用意されています。しかも大別すると2パターン。
まずひとつは、我らがグレンダイザーが変形して敵を撃ち落としていく3D調のシューティングパート。
そしてもうひとりの主人公である兜甲児(あの「マジンガーZ」の操縦者でもあるところの兜甲児)が乗り込んだ機体TFOを操って空中戦を行う見下ろし型のシューティングパートですね。難度はそこまで難しくなく、回復アイテムなども小まめに現れるので苦戦することはありませんでした。
繰り返しになりますが、原作を大切にしつつ、その流れを丁寧にゲームへと組み込んでいる本作からは、開発チームの情熱を感じるほどでした。もちろんややシュールな瞬間もところどころあるものの、そこはそれ、本作の味としてしっかり魅力になっているのが良いところ。
今後放送されるというアニメも気になりますが、まずは本作でどういった作品世界なのか世界なのか触れてみるのも良いかもしれませんね。
タイトル:『UFOロボ グレンダイザー:たとえ我が命つきるとも』
対応機種:PS5/ PS4
記事におけるプレイ機種:PS5
発売日:2024年4月18日
著者プレイ時間:3時間
サブスク配信有無:記事執筆時点においては、無し
価格:通常版:5,800円 税抜)、コレクターズエディション:7,980円 (税抜)
※製品情報は記事執筆時点のもの
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