気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Garage Heathen氏開発、PC向けに2月24日にリリースされた顔認識アドベンチャー『Who's Lila?』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、主人公の顔を操作して対話を行うポイント＆クリック型アドベンチャー。プレイヤーはうまく表情が作れない不器用な高校生Williamとなり、彼と会った直後に行方不明となった少女Tanya Kennedyについて調査。様々な場所を訪れ、他の若者たちと対話したりしながら事件の謎を解明、あるいは隠匿します。記事執筆時点では日本語未対応。
『Who's Lila?』は、1,220円で配信中。
――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか？
Ilia皆さん、こんにちは！ロシアのソロ開発者、Iliaです。Garage Heathenという名前の方が知られているかもしれません。私が一番好きなゲームは初代『Half-Life』ですね（それか『Undertale』）。
――本作の開発はなぜ始まったのですか？
Ilia本作の開発は私の一つ前の作品である『Your amazing T-Gotchi!』が少しだけヒットした後にスタートしました。当初は一ヶ月ほどで完成する小さなプロジェクトになる予定だったのですが、誰も予想しない大作になってしまいました！
――本作の特徴を教えてください。
Ilia本作一番の特徴は、顔認識システムです。他のゲームにおいてストーリーが分岐するシステムとは異なり、本作ではキャラクターが話す言葉を選択するのではありません。プレイヤーはWilliamの顔の各部分をドラッグして表情を作り、それが「選択」になるのです。
――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか？
Iliaアイデンティティやタルパのようなトピックに興味がある人、シュールなものが好きな人、そして探偵のような気分を味わいたいような、ニッチな人たちをターゲットにしています。本作では他にも、作ることのできる変な顔でプレイヤーを夢中にさせ、気づかぬ間に、通常では退屈すぎる、難解すぎるというテーマに時間をかけてもらう（例えば哲学）、というのも本作の計画の一部だったりします。
――本作が影響を受けた作品はありますか？
Ilia本作はデイヴィッド・リンチ監督の映画から多大な影響を受けています。他にも影響を受けたものはあり、ロシアの小説家であるヴィクトル・ペレーヴィンの作品もその一部ですね。本作のメインシステムは「JCS Criminal Psychology」の動画から影響を受けており、これはYouTube上の動画で、犯罪者の取り調べをするというものになります。
――本作の日本語対応予定はありますか？有志翻訳は可能ですか？
Ilia日本語には対応させる予定でして、すでにぴったりの翻訳者も見つけています。今私の国で起こっている経済的な問題もあり、多少遅れは出るかもしれませんが、今後も自分の作ったゲームはできることすべてをし、サポートを続けていくつもりですし、翻訳もその中に含まれています。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか？
Iliaもし何かあったとすれば、開発の進行が加速したということでしょう。大学に行く必要もなくなりましたし、試験も少し簡単になりました。おかげで本作にかける時間が増えたのです。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか？
Ilia配信も収益化もまったく問題ありません！
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Ilia日本の読者の皆様！このような難しい状況においても、勇気とやる気を失わないでください。私も失っていません。本作は日本語にも対応しますが、海外の翻訳家に送金をするのが難しくなっているので、遅れてしまいましたら申し訳ありません。次のプロジェクトにもぜひご期待ください。そして、お体にお気をつけてお過ごしくださいね。
――ありがとうございました。
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。
