気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Ludic Studios開発、PC/Mac/Linux向けに9月10日リリースされたサムライサイバーパンクアクション『Akane』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、2121年のメガ・トーキョーを舞台に、ヤクザとの最終決戦に挑む女サムライAkaneを描くサイバーパンクアクション。アーケードスタイルで展開し、プレイヤーはカタナと銃を武器に次々と現れるヤクザの敵を倒していきます。記事執筆時点では日本語未対応。
『Akane』は410円で配信中。
――まずは自己紹介をお願いします。
Joel Hamon氏(以下Hamon氏):Ludic StudiosでプロデューサーをしているJoel Hamonです。私たちのチームは3人で構成されており、プログラマー兼ゲームデザイナーのLui Gama、アーティストのArtur Fernandes、そして私です。私たちはブラジルの小さなインディースタジオで、この度デビュー作となる『Akane』をリリースすることができました。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Hamon氏:私たちがゲーム開発を始めたのは2015年、ゲームジャムでのことでした。最初の作品は『Don’t Ask Me to Stop Being a Pig』というもので、そのあとに私たちの最初のプロジェクトとなる『The Keeper』の開発を開始しました。しかしこのプロジェクトは残念ながら、金銭面の問題からストップすることとなってしまったのです。
サムライゲームのアイデアを練り始めたのは、もうかなり昔のことになります。当初のアイデアではサムライのいた時代が舞台で、次にポストアポカリプスを舞台にロボサムライが活躍するというアイデアが出てきました。しかし最終的には、「ブレードランナー」と古典的サムライ映画から大きく影響を受けた、サイバーパンクサムライをテーマにしようと決めたのです。
Ludum Dare 39(ゲームジャム)において、私たちはこのアイデアを使って『Don’t ask me to stop being an outdated junkrobot: Saigo’s Ultimate Battle』、またの名を『Saigo’s Ultimate Battle』というゲームを開発しました。これが好評だったので、同じシステムを使いつつもより手の込んだ新しいゲームを作ろうと思ったのです。こうして未来の東京で浪人を動かし、日本のマフィアに殺されるまでできるだけ多く殺す、という『Akane』が生まれたのです。本作のテーマは、ヒーローが多くの敵を同時に相手にするという、映画にありがちなシーンを体験するということです。
――本作の特徴を教えてください。
Hamon氏:一度に多くの敵が現れるため、リアルに見せるためにはそれぞれの敵が異なっていなくてはいけません。そのため、それぞれの敵のタイプに合わせて多くのバリエーションを用意しています。死ぬときのアニメーションはドラマチックで、すべてのものが生々しいシーンを作り出します。敵の知能にもこだわっており、プレイヤーを追っている時には流れるような動きや、離れるような動きをし、プレイヤーを取り囲もうとします。これにより、多くのロボットがプレイヤーを追いかけているだけのように見えないようにしています。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Hamon氏:キャラクターのコンセプトは、「七人の侍」や「用心棒」といった黒澤明監督作品、「キル・ビル」、「AKIRA」、「NARUTO -ナルト-」、「るろうに剣心」、「サムライチャンプルー」といったアニメ、そしてタルタコフスキー監督の「サムライジャック」、「スター・ウォーズ クローン大戦(2D)」といったカートゥーンからインスピレーションを受けています。どの作品もメインキャラクターが多くの敵に囲まれるというシーンがあります。
私たちは日本のヤクザ文化についても多少勉強しました。刺青やその意味についてです。こうして本作における敵のコンセプトや、ストーリーの背景として使用することとしました。本作は未来の東京郊外を舞台とした「サムライサイバーパンク」です。剣を使ったバトルゲームですので、出血描写、暴力、そしてサムライ映画でお馴染みなシーンが登場します。これらがすべて混ざり合い、サムライサイバーパンクの世界観を作り出しているのです。
――本作の日本語対応予定はありますか?
Hamon氏:はい、あります。本作は日本の文化に触発されて作られましたし、本作の舞台はメガ・トーキョーですので、日本語は必ず対応しなくてはいけないと思っています。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Hamon氏:私たちは日本が大好きです!本作におけるインスピレーションの源は基本的にすべて日本文化からですし、本作の日本での売り上げもとても好調です。サポートをしていただき、本当にありがとうございます!
――ありがとうございました。
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