タイトルもなく、いきなり線路がある場所に立っていた。とりあえず。移動してみようとコントローラーを操作するもピクリとも移動出来ず、「ははぁ、今イベントシーンだから動かせないんやな。待ってたら何か始まるはず」とじっと待っていたのだが……
何も始まりませんでした……
あたりを見回すとカラスが居たので、そのカラスに視線を合わすと……
カラスが白く光って……
いつのまにかカラスに乗り移った。
おそらくプレイヤーが生き物に視線を合わせると、その生き物に乗り移れるらしい。コントローラーでの操作がない代わりに、生き物から生き物へ乗り移りながら進んでいく移動方法のようだ。
「カラスでの視点ってこんな生き物になった気分だなー」などと、しょーもない事を考えていたら……
突然、列車が突っ込んで来て脱線事故が起こる。
ええ~、これ僕のせいじゃないよね!違うよね!
脱線した車両が僕の頭上に落ちてきて……ちょ、ちょっと待って!
グシャッ!
なぜか場面は駅のホームに移り、ここでようやくタイトルが出てくる。
その後、列車がホームに入ってきた。どうやらこの列車に乗り込まなければいけないようだ。
しかし、列車の中には、暗闇の中で瞳を光らせるカラスの大群、そして謎の人影が待ち受けていた……。
完全パニック状態おじさん。怖い怖いあわわわわ。
警戒度をマックスに設定する、ホラー苦手やねんおじさん。
カラスからカラスへと乗り移りながら列車を進んでいくと
可愛いクマさんに遭遇……おじさんは可愛い動物が好きなのだ!
今回もカラス同様にクマさんに乗り移ろうとしたが、いきなり回想シーンがはじまった。どうやらクマさんの記憶の世界に入り込んでしまったようだ。
ふむふむ、奥さんを残し戦争に行って……
戦地を駆け抜けた後、墓標のように突き立てられたライフルを見て、何か思いふけている。そして、その後にこの列車に乗り込んだようだ。
回想シーンがおわると列車の連結部分が外れ、クマさんとお別れ。
あ、クマさん!クマさんの回想シーンめっちゃ引き込まれたで!
遥か彼方に吹っ飛ぶクマさん。ク、クマさーーーーん!(吹っ飛びすぎ!)
この後、様々な登場人物たちの記憶の世界にも入り込んでいく事になります。ゲームの世界に入り込み、さらに記憶の世界に入り込んでいくのは不思議な感覚です。クリアタイムは大体20分程度。ゲームと言ってもプレイヤーは生き物に視線を合わせていく事しか出来ませんが、絵本のようなグラフィックと物語の作風が、そのシステムにマッチしていてグイグイ引き込まれていきます。
映像作品のようなゲームなので、それに660円を出す価値があるかどうかは人それぞれだと思いますが、とりあえずやって欲しい。そして誰かとネタバレ有りでこのゲームについて語りたい!
吉田輝和のプロフィール:17年以上にわたって自画像の絵日記を書き続けているおじさん。近年、「ちおちゃんの通学路(KADOKAWA)」や「お稲荷JKたまもちゃん(一迅社)」、「からかい上手の高木さん(小学館)」をはじめとした人気漫画のモブキャラとして登場しており、日々その存在感が高まっている。ちなみに、巨大な食べ物を作っていく企画でカルト的な人気を誇る個人ホームページ「吉田が巨大な物を作ってますよ」も運営中。
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