京都にて開催されているBitSummitで、VRおじさんことSIEWWSプレジデント吉田修平氏、『パラッパラッパー』などで知られるゲームデザイナー松浦雅也氏、そしてモデレーターとして「黒川塾」の黒川文雄氏が登壇。松浦氏の代表作『ビブリボン』がPS4でリリースされた裏話やVR、本イベントについて語りました。
BitSummitへの参加は2回目という吉田氏と3回目となる松浦氏。吉田氏は、初参加時に抱いた感想として、思ったよりプロフェッショナルな国内外からもデベロッパーが参加するインターナショナルなイベントで、「これはすごいな、京都から日本のインディーを情報発信できるんだな」とコメント。去年と比べてデベロッパーの数も増えて、VRなどを含んで全体的にクオリティが上がっていて「非常に楽しい!見きれない」と感想を語りました。松浦氏も「インディーの人たちの発表と交流の場」として高く評価していました。
インディーおじさん、最近ではVRおじさんとも呼ばれている吉田氏は、時代や技術の移り変わりによってもう作られなくなったジャンルの作品が、インディーデベロッパーによって新しい息吹がもたらされている状況に「すごい楽しい」と一言。そうしたインディーシーンのクリエイティブな発想には、新たに登場した全く新しいジャンル「VR」が「絶好のチャンス」であり、とても楽しみにしていると語ります。一方の松浦氏は、VRには「やってみたいなぁ」と語り、プレイはしているものの模索中である現状を伝えました。
松浦氏と言えば独創的な雰囲気を持った斬新な音楽ゲーム『ビブリボン』が代表作にあげられますが、その特徴的な思い出話を吉田氏が披露。1999年に国内でリリースされた本作ですが、当時斬新すぎた『ビブリボン』は欧米の理解を得るのが難しかったと告白しました。しかしながら、そうした状況でもヨーロッパでは「こんなクリエイティブなゲームを絶対に出す」と現SIEアメリカCEOショーン・レーデン氏が奮闘し、リリースされたことを明かしました。一方のアメリカではリリースされなかったのですが、ショーン・レーデン氏がSIEアメリカの代表に就任した後に『ビブリボン』をアメリカで出そうという話を提案。PS1のエミュレート(ゲームアーカイブス)という形でリリースされることとなったという経緯を語りました。
最後にインディーゲーム開発者へのアドバイスを述べたお2人。松浦氏は「京都から世界に向かって若い皆さんの力をぜひ発信して、VRでもいいし、スマホでもいいし、なんでもいいけど、自分たちのユニークなアイデアを作品にしてぜひ打って出て勝負してください」とエール。吉田さんはSIEアメリカから日本の素晴らしい作品を探しに来ている3人のスタッフを紹介し、アメリカで出したい意欲のある人は声をかけてくださいと締めくくりました。
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