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【特集】『バトルフィールド 1』の舞台「第一次世界大戦」を学べ!―飛行機・戦車編

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【特集】『バトルフィールド 1』の舞台「第一次世界大戦」を学べ!―飛行機・戦車編
【特集】『バトルフィールド 1』の舞台「第一次世界大戦」を学べ!―飛行機・戦車編 全 7 枚 拡大写真

第一次世界大戦が舞台となるシリーズ最新作『バトルフィールド 1(Battlefield 1)』。昨今主流だった現代/近未来戦という流れからはずれ、史実の戦争に回帰したことに多くのファンから驚きと期待の声が上がっています。しかしながら、第一次世界大戦というテーマは日本国内でも認知度が低く、新たな戦場に不安を覚えている人もいることでしょう。

そこで本稿では、『バトルフィールド 1』の予習と題して、前回の「戦争背景・火器編」に続き、第一次世界大戦を振り返ります。今回は大戦を通して本格的に登場した新兵器「飛行機」と「戦車」を中心に解説。「第一次世界大戦ではどういった兵器が使われていたの?」という基本的な情報を知りたい人向けの内容です。


■戦場を変えた新兵器「飛行機」

1903年、ライト兄弟のフライヤー号が世界で初めて「空気より重い操縦可能な動力飛行機械」の有人飛行に成功しました。この成功によって、それまで気球や飛行船が主流だった航空機の世界は主役の座を「飛行機」へと譲ることになります。初飛行の成功以来、動力となるエンジン技術の向上、航空工学の更なる研究で性能は向上していき、1909年にはルイ・ブレリオの「ブレリオXI」がドーバー海峡の横断飛行に成功するなど飛行機は日進月歩で進化していきました。


飛行機は、第一次世界大戦初期から偵察用途に利用されています。この頃は戦闘能力を有しているものは存在せず、敵偵察機と出会ってもお互い手を振った(ハンカチを振ったとも)という逸話が有名です。しかし、時が進むにつれ、敵偵察機を妨害するためにパイロットがピストルなどで戦うようになり、やがて機関銃を搭載する機体も登場し、空中戦を目的とした「戦闘機」が生まれていきます。また、偵察時には手榴弾などを使った簡易爆撃が行われており、後に本格的に爆弾を搭載する「爆撃機」としての進化も始まりました。


■戦闘機の登場


フォッカー アインデッカー

空中戦を意識し始めた飛行機ですが、初期にはプロペラを傷つけないように翼の上や後部座席などに機関銃が据え付けられて戦いました。1915年、命中率を高めるため、初めて機関銃をプロペラ回転範囲の内側につけた飛行機はフランスの「モラーヌ・ソルニエ L」と呼ばれる機体で、プロペラに装甲をつけて自らの機関銃弾を防ぐという大胆な方法で搭載しました。また、「モラーヌ・ソラニエ L」と同時期、ドイツではプロペラブレードの隙間を銃弾が抜ける「同調装置」を搭載した「フォッカー アインデッカー」と呼ばれる機体が開発されます。これは戦闘機として始めて設計された機体であり、投入時に発揮された驚異的な戦闘力は、短い期間ですが「フォッカーの懲罰」として恐れられ、連合国を圧倒しました。


手前の機体右翼側、よく見るとロケット弾を搭載している

戦中は連合国と同盟国は互いに新型機を次々と導入しており、より強力な機体が登場するたびに制空権が移り変わっていきました。空中戦の規模はどんどんと大きくなり、数十機が入り乱れる戦いも行われていたようです。当時の機体としてはイギリスの「ソッピースキャメル」、フランスの「SPAD S.VII」、ドイツの「アルバトロス」シリーズ、撃墜王レッドバロンの愛機「フォッカーDR.I」が有名。『バトルフィールドI』のトレイラーではイギリスの「ブリストルファイター」「ソッピースキャメル」、ドイツの「フォッカーDR.I」が確認されています。


■爆撃機としての進化

爆撃機という概念は大戦初期より、その有用性が模索されていました。西部戦線では塹壕戦を打破する手段の一つとして、偵察のついでに爆弾や投下用に改造した砲弾を用いた爆撃が行われています。後により大きな航空機用爆弾が開発/搭載できるようになり、より正確な爆撃が行えるように爆撃照準装置が開発されていきます。また、大量の爆弾を搭載できる複数のエンジンを積んだ大型機が開発。このような重爆撃機は前線への航空支援攻撃のみならず、戦場の遥か後方である都市への戦略爆撃が実施されるようになります。余談ですが、飛行機が全盛を迎える前には、ドイツの飛行船「ツェッペリン」の爆撃編隊がロンドン空襲を行っています。


墜落する双発機。おそらくゴータG.IV

当時の重爆撃機としてはロンドン空襲に用いられたドイツの双発重爆撃機「ゴータ G.IV」、逆にドイツ都市への爆撃に用いられたイギリスの双発重爆撃機「ハンドレページ O/100(0/400)」が知られています。また、飛行機への対抗手段である対空兵器も発達していきました。


■陸上軍艦「戦車」の誕生

装甲を施した現代戦車の概念は第一次世界大戦前からありましたが、「塹壕戦」による膠着状態に陥ったことで、各国では状況を打破するために新兵器開発の必要性が唱えられるようになります。1915年にイギリスが塹壕を突破するための新兵器開発を目的とした「陸上軍艦委員会」を発足。無限軌道(キャタピラ)を持ったトラクターからヒントを得て「リトル・ウィリー」と「ビッグ・ウィリー」が開発されました。これら戦車のうち「ビッグ・ウィリー」は「マークI」戦車として採用されます。ちなみに現代でも使われている「タンク(TANK)」という名称は、開発時の秘匿名称が由来となっているそうです。


マークI、57mm砲を搭載した雄型

小口径弾の銃撃に耐えうる装甲と塹壕を突破しうる走破性を示した「マークI」戦車は「ソンムの戦い」において初めて実戦に投入されます。数十両の「マークI」が用意されていたものの、技術的信頼性の低さもあり、敵陣に到達したのはわずか数量でした。しかしながら、未知の新兵器は敵兵士をパニックに陥らせるほどの精神的衝撃を与え、局地的ながらもその有効性を示します。このデビュー戦の後、各国でも戦車の研究/開発が行われていきます。

「マークI」戦車は実戦を通じて数々の改良/改修が施され性能が向上、より機動性が向上した「マークV」まで開発されます。一方のドイツでも先のソンム会戦で「マークI」戦車の登場を受けて戦車の開発を開始。連合国に対して遅れていましたが、1918年には「A7V」が完成し、イギリスの「マークIV」と世界初の戦車戦を繰り広げています。


また、第一次世界大戦中には上記以外にも各国で様々な戦車が開発されました。そうした中でも、その後の戦車に大きな影響を与えたのがフランスが開発した「ルノー FT-17軽戦車」です。1917年に開発されたこの戦車は、車体上部に360度旋回可能な砲塔を搭載するなどの画期的なアイデアが盛り込まれ、後の戦車の基本形になったと言われています。

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今回は第一次世界大戦で鮮烈デビューを果たし、後の戦争に大きな影響を及ぼした「飛行機」と「戦車」を紹介しました。ちなみに文中ではあまり言及していませんが、これらの新兵器の発達と同時に対戦車ライフルといった対抗兵器も生み出されており、相応の戦果を挙げています。

『バトルフィールド』シリーズでは欠かせない存在である兵器類。既に多くの兵器が確認されていますが、従来作と比べてどのような性能を持ち、どういった役回りを演じるのか、気になるところ。次回はトレイラーにも登場し注目を浴びている「艦船」と「野砲」について執筆する予定です。

【参考資料】
学研の大図鑑 世界の戦車・装甲車 / 学研
学研の大図鑑 世界の戦闘機・爆撃機 / 学研
ライト・フライヤー号の謎 / 鈴木真二
第一次世界大戦 上・下 /リデル・ハート
世界の航空機 大図鑑 /河出書房新社
世界を変えた技術革新大百科 /アダム・ハート・デイヴィス

《水京》

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